2017年9月23日土曜日

ドメスティック・ニャイオレンス

生傷が絶えない。
朝目が覚めて又新しい傷があるのを確認する。
時々とんでもないところにまで。
実は家庭内暴力を受けているのですよ。

タマサブロウが死んでから生傷の数は少し減ったけれど、相変わらず毎日新しい傷ができている。
タマサブロウは私が大好きで、力のあるオス猫だったから私は傷だらけ。
私の睡眠は深いから、一旦眠るとなにをされてもめったに目が覚めない。
顔の上を歩いたりするらしく、目の付近にまで引っかき傷が。
お腹が空くと引っ掻いて催促するらしく、いたるところに傷跡がある。
危ない危な~い!

最後に残ったのはコチャ。
推定16歳くらいのメス猫。
この子は多頭飼いの最後の入居者だったから、ずっと他の猫の陰に隠れていたけれど、去年他の子がいなくなってようやく日の目を見るようになった。
今までは押入れ住まいだったのが、晴れて私のベッドへ来るように。
運動不足で体はコチコチだから、ジャンプ力に欠けて早歩きもしない。
ドタドタと歩く姿は、どう見てもツチノコ。
最近まで抱っこされるのを嫌がっていたけれど、一人になったら抱っこ大好きの甘えん坊に変身!
それは良いけれど、椅子に座っている私の膝に乗ろうとやってくると恐怖。

ジャンプ出来ないから私の膝に手をかけて、そのまま体を引っ張り上げる。
全体重は彼女の爪に。
バリバリと私の腿は傷がつくという次第。
だから私を真っ直ぐに見ながら近付いてくると、先に手を出して抱っこすることにしているけれど、気がつかないでいきなりやられると悲鳴を上げることに。
私を木かなんかと思っているらしい。

寝ているといきなりドスドス載ってきて、胸を踏みつけて顔の近くで香箱座り。
胸は狙いすましたかのようにポイントを的確に踏みつける。
その痛さったら・・・・
それに重たい。
このまま寝たら悪夢にうなされると思うけれど、幸いあまり居心地が良くないらしく、しばらく私の顔と対面した後、去っていく。
いったい何をしにくるのかしら。

毎日の暴力沙汰で私は傷だらけだけど、膝によじ登ってきた彼女が満足そうに私を見上げてくるとメロメロ。
その目のきれいなことったら。
幸せそうにうっとりと見つめてくる。
こんな愛情に溢れた表情で私を見つめてくれる者は、世界広しと言えども他にいないから、それだけでも私の胸はキュンとする。
トラやライオンみたいな大型動物ではないから、傷といってもかすかなもの。

1番最初に飼った茶トラ。
すごく凶暴でかみつくは引っ掻くはで、私の掌には無数の傷跡があった。
周囲の人たちに「うちの子が凶暴でねえ」と自慢げに見せていたけれど、ある時電車で座っている私の前に立った女性の手にも同じような傷があった。
吹き出しそうになった。
目が合わないように気が付かないふり。
うっかりおしゃべりが始まると猫自慢大会になりそうで。
チェロのケースに猫の爪とぎ跡があるのを見つけた人が「まあ、可愛い!」と言ったのを聞いて、本当に人間は猫に飼いならされていると思った。
猫は魔物。





















2 件のコメント:

  1. nekotama様はひっかかれますか? うちのワンコは甘噛みのつもりらしいですが、けっこう強く噛みます。シャツやジャージのパンツに穴あけられます。
    これも愛情表現なんだろうと思うと、まぁお互いしょうがないですね。

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  2. 当ニャンは引っ掻くつもりではないらしいのですが、重い体重を持ち上げるために爪でぶら下がってくるのですよ。困ったものです。
    ワンちゃんの甘噛みで衣類に穴があくほどだと、それもキツイですね。
    以前馬に甘噛みされて腕が腫れ上がったことがありました。動物に悪気はなくてもパワーが違うのですね。人間はひ弱なものだと思いますよ。

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