2017年10月22日日曜日

ホントは今日だった

昨夜来たメール。
「ねえ、覚えてる、私達のコンサート本当は明日だったよね。明日だったら台風で大変だったね。本当に明日でなくて良かった」

11月3日に予定しているコンサートは、今日10月22日の予定だった。
渋谷の会場も予約してあって、その日に向けて練習を始めていた。
練習は、本番に最高潮になるように計画的に持っていかないと、途中で絶好調になってしまって、後は失速。
とか、まだ発展途上だとか、コンディション作りが中々難しい。
少し前にディテールが納得行くようになって、今少しホッとした状態だけれど、これを後10日ばかりで中だるみしないように維持出来るかどうかが勝負のしどころ。
一旦緩むと、緊張がなくなってひどいことになる。
緊張が緩んでしまったところで本番を迎えると、ひどくアガったりすることもある。
本番は常に危険と隣り合わせ。
100%出来上がっていたとしても、油断はできない。

渋谷の会場は良かったのだけれど、ピアノがスタインウエイでなかった。
ピアニストは自分の楽器を持ってこられないから、なるべく普段弾いている楽器と同じメーカーの方が良い。
弘法筆を選ばずと言っても、楽器で音色などが変わってしまうのは気の毒。
少し考えて、都内を諦めて川崎になった次第。
ピアノは自分の楽器が使えないというのはとても気の毒だと思う。
言っておきますが、川崎は決して遠くはありません。
品川から10分かそこいらで到着、会場は駅に隣接だからとても便利。

もう、ずーっと前の話。
オーケストラのアメリカ演奏旅行。
西海岸に沿って南下していくと、時々とんでもないピアノに遭遇した。
その時のソリストは野島稔さん。
野島さんは、毎日わけの分からないピアノを弾かされて少しお冠だった。
ある時「毎日毎日こんなピアノばっかりで、僕もうイヤ!」とおっしゃった。
才能のあるアーティストは、たいてい女性的要素が強い。

話は元に戻って、渋谷の会場は西側に天窓があった。
昼の本番は14時から16時くらいまでだから、西日がさすのが気になった。
音響のことを考えると、カーテンなどの遮音性の高いものはなるべく使いたくない。
西側の窓にカーテンを引くと、床から天井までカーテンで覆われてしまう。
西日を塞がないと、客席が眩しい。
ということが気になったので、キャンセルした。
会場の人はとてもがっかりしていて気の毒だったけれど、自分たちが最良の状態で弾きたいからということで。

今日はこの台風の中投票に行って、その後帝国ホテルへ。
11月半ばに帝国ホテルで知人のお父様のメモリアルイベントがある。
その時にモーツァルトの弦楽三重奏曲の演奏をするので、会場のセッティングや音響の下見にいく。
帝国ホテルは若い頃の私のテリトリーだった。
ここで随分仕事をしていた。
結婚式や様々なイベントでの演奏。
懐かしい。
それでだいたい様子はわかっているけれど、主催者と打ち合わせもあって、うふふ、打ち合わせっていうのは食事のことを言うのだよ、知ってる?
でも食事は台風次第。
風雨がひどくなったら、そそくさと帰ってくるつもり。

もし私達のコンサートが今日だったら、演奏どころかお客さまの帰宅の心配をしなければならないところだった。
そもそもお客様が来てくださるかどうか。























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