2018年2月15日木曜日

白銀

日銀にはとんと縁のない私だけれど、白銀へはもう半世紀以上律義に毎年通っている。
小学生の時は体育の授業は苦手で、なんで跳び箱飛んだり懸垂しないといけないのかと、内心うんざりしていた。
運動そのものが好きでは無くて、縁側で雲を眺めては頭の中で考え事をしている子供だったから、走るのが早いとか遅いとか、なんで他人と競うのか不思議でたまらなかった。
その頃から他人は他人、自分は自分のマイペース人間だった。

それでも連日オリンピックで活躍する若者を見ると、一生懸命の姿に少しウルっとくる。
でも、銀でいいじゃない、たった0.02秒の差なら金とどうちがうの?なんて思うくらいだから、決してアスリートにはなれない。
1番面白かったのはスノーボード。
歩夢くんの、淡々とした話っぷりのどこにあのファイトが隠れているのか訝しくなる。
ニキビの顔がかわいい。

面白いと思ったのは女子スピードスケートの選手たち。
競技後のインタヴューでは他の大抵の競技者は「皆様のお陰です」と言うけれど、あの人達はこれが自分の実力ですと言い切る。
そうですよ、貴女の実力よ。
だれが声援だけで勝てるものですか。
死ぬほど苦しい毎日の練習を休みなくこなせてこその、銀メダルや銅メダル。
それに対して声援を送るのは、いうなれば自分の代理人として彼女たちを見ているからで、応援する人が自ら苦しい練習をこなしたわけではないもの。
とは言うものの、他人が見ていなければ頑張れない。
たしかに競技を支える多くの人々の支援あってこそのレース。

私達のコンサートと同じで、聴いてくださる人たちがいなければ演奏会はしない。
うちで楽しく弾いているだけでは物足りなくなって、ノコノコステージに上るのだから。
さて、来月です。 
           3月15日(木)19時開演
            東京文化会館小ホール
         「古典音楽協会第156回定期演奏会」

私はヴィヴァルディー「4つのヴァイオリンのための協奏曲」の第2ヴァイオリンのソロを弾きます。
と、ここでちゃっかり宣伝。
よろしくおねがいします。

その前に明日から白銀に招かれて志賀高原へ。
体をほぐしに行ってまいります。
スキーに行くと気力がみなぎってくるのがわかる。
真っ白な世界はどんなときでも美しい。
明け方の雲が段々明るくなって来て太陽の光が雪に照り映える時、風が吹きすさんで木々が揺れている時、夕暮れになって人々が一斉に自分の宿に向かって滑っていく時、どんな一瞬もワクワクする。
もっとも私は特に最近、夕暮れまでは滑らない。
たいてい3時ころには宿へ戻って、お湯に浸かっている。

若い頃からナマケモノで、人より少なく滑るのがモットー?だった。
人生全て人より少なく。
頑張らなかったお陰で息は長い。
いまだにスキーに行くと言うとびっくりされる。
絶対にアスリートにはなれないけれど、これが私流の猫的生活なので。
猫と言えば・・・
モーグル、スノーボードの選手たち。
前世は猫だったに違いない。
しなやかに柔らかく力強い、動きの一つ一つが美しい。




白銀の世界から戻ったら、翌朝から4つのヴァイオリンの音合わせ。
今までスキーで怪我をしたことは一度もないけれど、過信せず細心の注意を払って滑ってきます。














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