2018年2月1日木曜日

サホロは上天気

4日間のサホロリゾートでの生活は命の洗濯だった。
出かける前の運動不足がたたって、足腰も胃腸もすっかり弱っていた。
そんなに過食をしているとは思わなかったのに、運動が不足した分消化力も弱まっていたようで、お腹がすかない。
すかないのにいつもと同じ分量食べていたら、全く空腹感がなくなってしまった。
それでもお腹が痛いとか、壊しているとかしているわけではないから、普通に食べていた。

十勝帯広空港到着時の気温はマイナス18度。
晴天無風の穏やかな日だった。
バスで1時間半、サホロリゾートに到着。
スタッフの出迎えを受けて館内に入ると、そこはもう日本ではなかった。
聞けば中国本土、台湾、香港、韓国の人たちだという。

私が初めてここを訪れたときには、スタッフも客もカナダ、オーストラリア、イギリスなど欧米の人が主流だったけれど、世界経済の変動でこんなに変わってしまうとは。
今回はスタッフもアジア系が多く、館長はトルコ人。
中国人は一族郎党引き連れて大挙して押し寄せていた。
世界中でなにかとお騒がせの彼らだけれど、今回は比較的富裕層が多いらしく子供も躾が行き届いていて、賑やかではあるけれど五月蝿いというほどではない。
むしろ日本の子供に比べるとずっと行儀が良い。
彼らも世界中から非難されてマナーを身につけたようだ。

到着すると早速レストランで昼食をとる。
目移りして困るほどのバラエティーに富んだメニューがずらりと並んでいるので、つい目があれもこれもと選んでしまう。
大きなガラスの窓越しに外を見ると、少し風が吹いているけれど真っ青な空と真っ白な雪、輝かしい景色が広がっている。
食事が済むと早速ゲレンデに繰り出した。
手始めに下の方のゲレンデ、そしてその周りのゲレンデをいくつか回ってみた。
雪は申し分ない。
流石に気温が低くてリフトに乗っている間は背中がゾクゾクした。

足慣らしはそこそこにして、ホテルに帰ってプールに行く。
透明な天井はドーム状で明るいプールにはほんの数人が泳いでいる。
泳ぐ合間にジャグジーで温まり、外の雪の中にあるカナディアンバスへ飛び込んだ。
なぜカナディアンバスと言うのかは知らないけれど、私達のあとからも香港のきれいなお嬢さんたちが入ってきて、はしゃいでいる。
そこへチラホラと雪が降ってきて顔に当たるので引き上げた。

ゲレンデで冷えて固まった体がこの水泳ですっかりほぐれて気分が良い。
食事の前にビールを飲みにバーへ行くと、大勢の中国人の家族が椅子を占領している。
なんとか隙きを見て潜り込み、食前酒を済ませてから食堂へ移動。
毎回メニューが変わって、もうどうしましょうと言うほど目移りがする。
人が持ってきた物が気になる。
あら、それどこにあったの?なんて訊いて、食べながら次に食べるもののことを考える。
お腹が空いていないのについ次の物に手が出る。

夜中に胸焼けがして目が覚めた。
おっと、やはり食べ過ぎ。
眠れない、気分が悪い。
少し眠って次の日は朝食を抜いた。
同室者から薬をもらってしばらく横になっていた。
食堂に行くと危険だから行かないでお湯だけ飲む。
しばらくすると気分が良くなって、皆に遅れること30分ほどでゲレンデへ出かけた。
運良くリフト乗り場で仲間と合流できたので一緒に滑り、午後はまたプールで水泳。
夕食はほんの少量のご飯に里芋の煮物のみ。
お酒も飲まないで寝た。

3日めも上天気。
風もなく暖かい。
朝食はヨーグルトのみ。
私は2日間下の方でばかり滑っていたので、ゴンドラでスキー場の頂上を目指した。
頂上付近も上天気でパウダースノーの絶好のスキー日和。
ベテラン揃いの私達のグループの滑りは、安定感があって早い。
平均年齢を知ったら、たぶんギョッとされると思う。
このベテランさん達、食べることもすごい。
量も質もたっぷりと、お酒の量もたっぷり。
年を取ったら少食で粗食が長寿のもとなんて良く聞くけれど、あれは人それぞれだとつくづく思う。
多少寿命が縮んでも、最後まで元気な方が良いにきまっている。

4日間、こんなに天候に恵まれたのは珍しい。
穏やかな表情の帯広空港を後にした。
名残惜しかったけれど食事が重くちょっと食傷気味だったので、羽田に戻ってからお寿司やさんでお口直し。
胃の調子はすっかり治っていた。
雪は万病の薬、酒は百薬の長、かくして私の財布は空っぽ。やれやれ!




























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