もう何年になるのかなあ。
私がオーケストラに初々しい新人として入団した時からは。
私だって初々しい頃はありました。
最初からこんな古狸だったわけではありません。
私が入団して間もなく、当時珍しかった女性のコントラバス奏者のHさんが入ってきて、そのあと、ヴィオラ奏者のKさんが入団。
共通の趣味がスキーということもあって、その後は公私共に長いお付き合いが始まった。
アンサンブルにスキーにと一緒に楽しんできたけれど、その間にはそれぞれ結婚や子育てなどの山あり谷ありの人生があって、多少疎遠になった。
私はオーケストラをやめてからはフリーミュージシャンとしてクラシック業界だけでなくスタジオやテレビ界などにも出没して、彼女たちとは畑違いの分野でも仕事をしていた。
それでも絶え間なく連絡が行き来していたのは「雪雀連」のおかげ。
年に数回はこのクラブのメンバーとしてのイベントに参加するので、集まってはアンサンブルをしたりおしゃべりをたのしんだりしていた。
持つべきものは友!といつも思いを新たにする。
最近ようやく少しだけゆっくり出来るようになった私たちは、時々集まって遊ぶ。
昨日は二人揃って楽器を持ってわが家に突撃してきた。
楽譜をわんさか持ってきたものの、ドヴォルザークの弦楽5重奏曲Op.77の譜読みをしたら全員ぐったり。
3人で5重奏とはこれいかに。
うーん!
そこに居ても居ぬ(犬)と言うが如し。
おそまつ!
1匹でもニャンと言うが如し。
もっとお粗末!
とにかく自分のパートだけ弾いて後は口三味線。
こんなに長いことアンサンブルをやってきているのに、この曲は私は初めてお目にかかった。
とてもスッキリとした合わせやすい曲で、そのかわり重厚さとか複雑さとかはないけれど聴き栄えのする曲のようだから、夏の北軽井沢でのコンサートの曲目の候補とした。
その他、ヴィオラとコントラバス、ヴァイオリンとヴィオラの曲など、めぼしいものを候補にあげていく。
まだ時間があると言っていると、あっという間に夏になってしまう。
準備が大変で、コンサートはあっという間に終わる。
ステージに居るのは本当に氷山の一角の部分。
海中に隠れた部分が企画と練習、その他の雑用。
コンサートの準備にはえらく時間と労力がかかる。
去年、私は疲れ果てて今年の夏のコンサートはやめようと思っていたけれど、先日サホロへスキーに行った時に「雪雀連」の会長から要望とメンバーからの援助の申し出があって、重い腰を上げることになった。
演奏はHさん、Kさん共に二つ返事で協力をしてくれることとなった。
私は彼らを餌でつっておびき寄せた。
去年のボジョレーヌーボーを開けて、ツマミやサラダをこしらえて待っていると、ニコニコして現れたお二人。
他にメンバーは3人ほどいるけれど、今回はそれぞれの都合でこの二人だけ。
中でもこの人達は私の本当の旧友たち。
こんなに長期に亘ってお付き合いしてくれる人たちは、博物館に入れて飾っておきたいくらい貴重なもの。
私生活では様々な苦労を乗り越えてきた人たちは、強く優しい。
つうと言えば、かあ。
ユーモアと機知に富んだ素敵な女性たち。
個性豊かで自分の足でしっかりと人生を踏み固めてきた。
私の幸せは友人にあり・・・と何回も言うけれど、私の財産なのだ。
お金も力もない、美貌も残念ながらクレオパトラには及ばない。
例えがひどいって?
では、近所の三毛猫を例にしましょう。
ミッケにも及ばない。
あ、これ私の写真ね。
嘘だと思うならうちに来て実物を見てください。
前もって必ず連絡を。
その日はうちに居ないようにしますので。
実はこのクレオパトラは
エリザベス・テーラー。
綺麗ですねえ。
なんか猫っぽいなあ。
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