2018年3月14日水曜日

コズミック・ストリングス

スティーブン・ホーキング博士の訃報を聞いた。
享年76歳。
運動ニューロン疾患症を患い車椅子の学者として知られていた。

私も好奇心が猫を殺すの例えどおり、好奇心から彼の本を買って読んだ。
けれど、難しくて理解不能につき、私(猫)は死ななかった。
途中まで読んで、未だにわが家の書棚でホコリを被って無聊な日々を託っている本を、この際読み返してみようかと思っているけれど、やはり無理かとも思う。

若い頃、私がコンミスをしていた弦楽合奏団。
事務所から、なんという名前で出すかと尋ねられた。
宇宙的弦楽合奏団というつもりで、コズミック・ストリングスと名付けようかと思った。
調和のとれたという意味も兼ねているつもりだった。
だが、しかし・・・演奏を聴いた人が「コミック・ストリングス」と間違えないだろうか。
絶対間違えると思う。
なるほど、コミカルで面白いなんて言われたら目も当てられない。
考えたすえにこの名前は却下。
演奏者がとてもおもしろいなんて言われそうな。
すでにもう言われていたし。

ずーっと以前「コスモス」というカール・セーガン博士のテレビ番組があった。
宇宙のことを我々一般人にもわかりやすく説明するためのもの。
その頃からわからないながらも宇宙に関心を持つようになった。
それで、私は放送大学が出来た時に、小尾信彌先生の講座を受けるため入学した。

小尾先生は口元がちょっと曲がっていて「僕たちの宇宙」と説明のたびにおっしゃるのが新鮮だった。
そうか、宇宙はかけ離れた遠くのことではなく、私達が住むこの地球を含めての現象なのだ。
小尾先生は初めは量子学で微小なものに対する興味を持ち、それが結局宇宙までにつながることがわかり、それで宇宙の研究を始めたとのこと。
その広がりが想像を絶する大きさで、ワクワクする。
その感激もあって私達の合奏団もコズミックと名付けようかと思った次第。

ホーキング博士のコズミック・ストリングスは「宇宙ひも」と日本語に訳された紐状のもので宇宙の仕組みを説明している。
突然なんの前触れもなく紐が出てくるから、一体これはなんなのか?としばらく理解しようと思っていたけれど、やはりお手上げ。

ええーと!紐は一体実在するのですか、そこいらへんに、例えば私の背中に貼り付いているとかするのでしょうか。
猫のしっぽみたいなものでしょうか。
やはり私程度の知能の遥かに及ばない世界。

日本の女子中学生が一般のクラスから拒否された事件があったのを、覚えてますか。
彼女はホーキング博士と同じく車椅子使用で、介護が必要だった。
校長は他の生徒たちの学習に影響すると言って、彼女の入学を拒否。
それに対してホーキング博士からコメントが寄せられた。

言うなれば「信じられない、こんなことゆるされん」

そんなきたない言葉は使わないけれど、女子生徒の励みになる言葉だった。
パラリンピックを見るにつけ、人間の可能性に心打たれる。
1本足でスキーの回転競技に出るなど、おそろしく血の滲む努力をしたことだろう。
私には信じられないことなのだ。
実際の女子生徒の症状を見ていないからなんとも言えないが、記憶が曖昧だけれど親が付き添うと言っていたと思う。
女子生徒の入学を拒否した校長は恥じなければいけない。
その子の世話をすることで、どれほど他の生徒にも良い影響があるか、学力だけの狭い考えに囚われていることを、恥じなければいけない。

私に宇宙に関心をもたせたのはカール・セーガン博士。
しかし、その後彼の言葉で私は失望した。
彼は日本の捕鯨を非難。
あのように知能の高い動物を捕らえるとは「けしからん」とメッセージを出した。
それなら知能の高さで命の尊厳が変わるのだろうか?
知能が低かったら、命を奪っても良いのか?
あら、いやだ!私などは真っ先に生贄に祀り上げられてしまう。
いや、神様はもっと美しく賢い女性をお望みですなんて拒否されたらもっと傷付いてしまう。
どちらにしても私は社会のゴミだなあ。
















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