2018年3月4日日曜日

雪山とコンサートのはしご

今朝1番のバスで志賀高原から戻った。
出かけたのは金曜日から2泊。
先月行ったときとは雪質がガラッと変わって、ゲレンデはスケートリンク。
ま、それはオーバーとしても、カリンカリンの制御の難しいアイスバーン。

天気は上々、今年のスキーは天候に恵まれている。
先月も到着した日の午後は目一杯滑ったけれど、今回はそれに輪をかけてがんばった。
少人数だったので先生に長野駅で拾ってもらって車で宿まで。
当然先生はやる気満々。
私だけはナマケモノだけれど、他のメンバーもやる気満々。
こまったキチガイ集団なのだ。
最後に一ノ瀬ゲレンデの上から、結構な斜度のカリンカリンのアイスバーンを滑らされて、お終い。

こういう硬いバーンはどちらかと言うとグズグズの重い雪よりはましだけれど、なにが怖いかというとスノーボーダーや初心者スキーヤーが、制御不能で止まれなくて突っ込んでくること。
滑ることに目一杯で他の人の動向がわからない連中が、平気で間際を横切るように突っ込んでくるのは、あな、あそろしや!
私たちは年老いたと言えども経験豊富で、必ず車の運転と同じように周囲を確認してからの発進。
決して他人の前を横切ったりしない。

今回は「古典音楽協会」の定期演奏会の前であり、4つのヴァイオリンの協奏曲の2番めのソロも受け持っており、責任上絶対に怪我はできないからなおさら慎重になる。
でも、慎重も良し悪しで、そのために動作に切れがなくなってかえって危ないことも。
それでなるべく無理なく事故らないように、混み始める土曜日の午後は休みにするとか、一体なんのために行ったのかわからないけれど、我慢我慢。
今回はコンサート前だから参加を見送ろうと思っていたけれど、年々参加者が減っていく「雪雀連」のツアーがなくなってしまうといけないから、とにかく参加した。
そのかわり呆れ返るほどのナマケモノぶり。
もとより勤勉な性格ではないから皆慣れっこで「滑らない」と言えば「ああ、そう」と言って放っておいてくれる。
これがこのクラブのいいところなのだ。

その土曜日の午後に他のメンバーたちは、所狭しと志賀高原を駆け巡り、最後にはオリンピックの回転コースまで滑ってきたそうで、年齡にさからう不届きな輩は増々元気。
でも、流石に宿へ戻ってきたときには皆、ヘロヘロだった。
日曜日の朝、私は一人始発のバスで出発。
バスの出発時間が早いため、朝食を食べきれず残したのが心残り。
大好きな朝ごはんを残すなんて、めったにしたことがないのに。
午後2時からの友人たちのカルテットの演奏を聴くために、暑い東京に戻った。
結局あまり滑りはしなかったけれど、今年は珍しくレッスンを2回受けることが出来て、自分の欠点を見直す良い機会となった。

東京で新幹線を降りてから、世田谷の教会でのコンサートの開始に1時間半ほどの余裕があったので、どこかでゆっくり昼食を取ろうと思った。
ファミレスでは気が休まらないから、渋谷の東急エクセルの中のイタリアンレストランに足を運んだ。
朝ごはん食べ残しのリベンジでもある。
気分良く美味しくランチを済ませて世田谷線に乗る。
赤堤カトリック教会へ到着。

曲目はハイドンの作品64-1とプロコフィエフの作品50。
メンバーは
   第一ヴァイオリン 手島志保
   第二ヴァイオリン 平岡陽子
   ヴィオラ     東義直
   チェロ      和田夢人

ハイドンの弦楽四重奏曲は、響きが明快だから聞いたところ易しそうに思えるかもしれないけれど、弾くのは非常に難しい。
この4人のメンバーは達者に演奏していたけれど、私はこの作品64にずいぶん手こずった記憶が・・・・
この四重奏団の演奏会を何回か聴きにいっているけれど、今回は特に弦楽四重奏としての響きがまとまっていたと思う。
たった4本の弦楽器でも、大編成のオーケストラを凌ぐほどの広がりを見せられるのが弦楽四重奏のすごいところ。
弦楽四重奏が、完璧な合奏の形として褒め称えられる所以だと思う。
管楽器や打楽器などの外に広がる音量の大きい楽器はなくても、内面に深く入り込んで、一つの宇宙の中で深々と広がり大宇宙になると言うべきかもしれない。

プロコフィエフは私は大好きなので、とても楽しんだ。
演奏はとてもむずかしいと思う。
彼の曲は非常に合理的で、難しさを一旦超えてしまえば非常に楽しく弾ける。
彼の天才的なひらめきは決して難解ではなくて、究極はユーモラスでさえある。
志賀高原から分厚い雪靴を履いてドタドタ駆けつけたのは、この曲が聴きたかったから。
聴けてよかったよかった。



















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