2018年3月14日水曜日

様変わり

前々回の投稿で私の家の近くの動物公園から新宿まで見渡せると書いたけれど、最近の近隣の街の様変わりで眺望は変わってしまっていた。
今日久しぶりに新宿が見えるスポットに行ってみたら、アララ、隣町の急激な開発で高層ビルが立ち並び、新宿方面が遮られて全く見えなくなっていたのに驚いた。
そう言えば、最近と言ってもここ10年位は散歩コースが他の公園だったから、こちらには来ていなかった。

新宿の見えるスポットはその動物公園の登り口から反対の奥にあるので、帰りは来た道とは別ルート。
途中で茶トラ猫と道連れになって、おしゃべりしながら階段を降りる。
細い道筋にある住宅には様々な花が咲いていて、春の日差しが眩しい。
ゆっくりと歩く。

私は性格がせっかちで普段はゆっくり歩けない。
けれど猫とウニャウニャおしゃべりしていると、猫の歩幅に合わせてのんびり出来る。
普段は体が斜めになるくらい、前向きの姿勢。
散歩の往きは早歩き。
帰り道は足が疲れて歩けなくなった。
猫は口実。
実は自分の足がいうことをきかなくなって、猫に助けられた。

スキー、スケート、アイスホッケー、乗馬にスキューバダイビングと走り回っていた頃は、こんな距離は楽勝だった。
なんであんなに元気だったのか信じられない。
子供の頃はどちらかと言えば虚弱児。
体育の授業は苦手で、懸垂も跳び箱も縄跳びもできない。
静かに本を読んでいる少女だった。
エッ!なんて驚かないで!私だって夢見る乙女だったのよ。
子供らしからぬ好みで、リボンやフリルのついた洋服が嫌いで、もちろん花柄も大嫌い。
お人形さん遊びもしない。

ところが最近、顔にフリル、お腹にはプリーツが畳まれ、最近やたらに派手な花がらのシャツを着るようになってきた。
顔はフリルではなくてアゴのたるみ、お腹のプリーツは余分な脂肪、アハハ。
花粉症対策のマスクと深い帽子を被っているから、外見は年齡がわからないと思ったら大間違い。
どんなに若作りしても、なんとなく弛んだ体型と歩き方ですべてバレる。
かつてのバンビちゃんは今はゾンビ。
ああ、ここでも様変わり。

最近のネットの書き込みで、30才過ぎたタレントさんがフリルの付いたブラウスを着ているのが痛いと書いてあったけれど、そうなると私の花がらのシャツはどうなる?
私も30才は越えている。
いつ越えたかは・・追求無しで・・・・・
余計なことを言う連中だなあ。
他人が、ましてタレントになれるほどの美人が、好きな服着てなにが悪い!

以前よく海外旅行をしていた頃、バスから降りてくる欧米人の観光客に遭遇することがあった。
その中でも、明るい色のワンピースを着ている高齢の女性達をよく見かけた。
でっぷりと太ったおばちゃんが、花模様のドレスをきている。
日本人の旅行者は一様に、パンツ、シャツにベスト、帽子とカメラ、女性も男性も地味で同じ様だから、見分けがつかない。
外国人女性だったら花柄を着ていても文句をつける人はいないと思うのに、日本女性が少し年齡がいくと、もう男性の嫌味が炸裂する。
ほぼ日本人だけでしょう、こんなに年齡を気にするのは。

年を重ねて魅力的になっていく女性に比べて、外見ばかりにこだわる日本男子は、本当にいつまでもお子ちゃまなのだ。
ネットに書き込んでいる男性諸君。
自分もどんどん年をとっていくのに気がつかないの?エッ!どうなの?
もし、目の前にその熟女タレントが出現したら、鼻の下を伸ばすでしょうに。
サインしてくださ~い、なんて言うくせに。

イギリスへ行った時、ロンドンアンサンブルのピアニストの美智子さんが言った。
「帽子をかぶっていると日本人だとわかって狙われるから、被らないで」
そんなこと言われてもシミが怖い。
美智子さんの家から出掛ける時は帽子を隠して、彼女がいなくなったら被って。
もっと陽が強いときには日傘まで差した。

その美智子さんも今はいない。
もうすぐ一周忌。
春なのに逝ってしまった。
ロンドンも、もう以前のロンドンではない。


















2 件のコメント:

  1. nekotama様、自虐すぎる。
    まだまだ背筋をしゃんとさせて演奏しているじゃないですか。
    それにしても、帽子をかぶっていると日本人だとわかるって、意外でした。
    海外で日本人だとわからないようにするには、カラフルな柄の布マスクをしたらいいかも。
    変装のためにマスク買おうかな。

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  2. アハハ、くれぐれも銀行強盗と間違われないようにしてくださいね。

    ロンドンではとても暑い日だったのに、誰一人、帽子を被っていないのが不思議でした。
    白人は皮膚がデリケートなのに。
    帽子は競馬の時にかぶるものなのかな。
    リチャードと言うイギリスの笛吹きは、日本ではいつもたっぷり日向ぼっこしていました。
    ヘルムートというドイツ人ヴァイオリン弾きも真夏なのにわざわざ日に当たりに行くのでびっくり。日本の夏大好きだとか。
    結局日本人ほどシミやシワを気にしないということなんでしょうね。

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