ピアノと合わせてきました。
曲はグリーグのソナタ3番。この歳になるまで弾いたことがなかったので、弾いておかねばと半ば義務感から始めた。1人で譜読みを始めても面白くはない。相棒のSさんは私と違い真面目人間だから、以前私がグリーグの名前を出したのを覚えていて、いつ合わせる?と言ってきた。譜読みはやさしい。特に技巧的なテクニックを使う必要はないから、先日初見に近い状態で合わせてもらった。そしてピアノが入ると、ガラッと曲の様相が変わった。やはりピアノあってのもの、譜読みの段階では全くおもしろくないと思っていたけれど、2回めの今日はすごく楽しかった。
この曲をKさんのリサイタルで聞いたのは2年前。ほんとに良かった。休憩時間に文化会館のロビーに集まった友人たちとほとほと感心したものだった。私達は彼女を中心としたグループで、隔月くらいで女子会を開いていた。Kさんは7年前ほどに癌を患って、寛解したあとに再発。こんな長い時間が経ってからの再発は珍しいと医師から言われたそうなのだ。その後抗がん剤治療を受けていたけれど残念なことに2020年4月に天国へ行ってしまった。私より数年も若いのに。亡くなる前日までメールのやり取りをしていたけれど、意識ははっきりしていた。コロナのこともあってお見舞いにも行けず、グリーグが彼女の演奏を聞いた最後になった。
どんなに辛いことがあっても黙ってぐち一つこぼさない心の強さ。繊細でいながら悠然とした態度で周りの人に微塵も辛さを見せない。私達グループのリーダー的存在だった。彼女は自分が病気だということを人に話したがらず、7年前には仲間の誰もが彼女の居場所を知らないという事態になった。誰に訊いても彼女の居場所もいなくなった原因もわからない。2年ほど経ったとき彼女から学生オーケストラのトレーナーを替ってほしいという依頼があって、ようやく何が彼女の身に起きたかを知った。壮絶な治療だったようだ。それを淡々と他人事のように話していた。
去年再入院したときも次の女子会には必ず参加すると言っていたのに。
一昨年、奈良の古民家の持ち主に誘われたのでKさんに声をかけたら、二つ返事で一緒に来てくれた。吉野の桜、京都御所、奈良の古刹を訪れ仏像を拝見した。穏やかな芯の強い性格で微塵も体の弱りを見せなかったけれど、相当辛かったのだと思う。私なら大騒ぎで「ねえねえ、私入院するから病室に遊びに来てね」なんて言い出しかねない。
今朝は私も体調が悪かった。起床時から体がゾクゾクするし胃に痛みが走る。軽い風邪の症状。先週は温かい日が続いたので分厚い羽毛布団を薄い布団に替えた。その後また冬並みの寒さが来たのにそのまま寒さを我慢して寝ていたら、朝起きたとき頭痛がした。お腹も壊れた。なぜ厚い布団に戻さなかったのかといえば、布団を圧縮袋にしまうのにえらい苦労をしたのでまた出すのは面倒、だから我慢。寒さをこらえるのと面倒臭いのと比べれば、面倒なほうが嫌い。それなら寝間着を重ね着すればと思うでしょう?でも重ね着はもっと嫌い。猫にしがみついて湯たんぽ代わりにしようと思っても嫌がってよってこない。
ノラに朝ごはんを届けたら鼻水が垂れる、喉がイガイガする。典型的な花粉症。そして朝食にヨーグルトに蜂蜜をかけようと思ったらない!まさか蜂蜜泥棒?ずんぐり太った容器に入っている蜂蜜は嫌でも目につくはずなのにない、ない、ない!
私はいつもこの季節は最悪なのだ。子供の頃から春には熱を出して寝込むことになっていた。おとなになってやや症状は改善されたものの、やはり体調は悪くなる。春の恒例行事だった。その上今年はコロナの心配で、微熱でもパニックになりかねない。今日楽器を弾くため体を動かした結果、血流が良くなって気分が良くなった。やはり楽器は人を健康にしてくれる。
蜂蜜はどこにあったかって?パソコンの横にありましたよ。どうしてこんなところまで歩いたのでしょうねえ。しーんじられなーい。
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