東京都知事の小池さんが極度の疲労により入院のニュース、コロナ感染拡大以来彼女は 心が休まるときはなかったと思う。なぜか小池さんにはマスコミも冷たい。パンデミックとオリンピック、普通の人なら耐えられないほどの緊張を、この2年間味わってきたと思う。人前では落ち着いた顔をしているけれど、自民党からは悪く言われる日々、よくぞ耐え抜いたと思う。そういうしたたかさが可愛くないと思われるのだろう。しかし毎日落ち着いて淡々と都民に語りかける姿は大したものだと思う。けれど、そこが又可愛くないとおじさんたちの受けが悪い。
小池さんの生活には及びもつかないけれど、私の疲労も極限になっていたらしい。私の場合は小池さんと違ってなにもすることのない生活の虚しさからの睡眠の乱れから発生した。
毎日食べて寝て、食べて寝て、それだけ。友人たちと話す機会も制限され、コンサートを開いてもやたらに規制が多くて演奏者も観客もこわごわ、万一自分たちのコンサートでクラスターが出たらと思うと安心していられない。ビクビクものの毎日は体にも影響する。言っておきますが、私は見かけによらず臆病者なんです。
で、数週間前から変だ変だと思っていた。まず左耳が痛い。私の風邪は耳の痛みから始まる。その後喉、鼻ときてたいていそのへんで治ってしまうのだけれど、今回は妙に体調が戻らない。しかも眠りのリズムがひどく狂って、たいてい丑三つ時に目が覚める。お化けか、私は!目が覚めると妙に元気でそのまま起きてしまうので次の日一日、ひどい眠気と戦いながら過ごすことになる。
目が覚めるとスッキリしているのでそのまま本を読んだり筋トレしたり、猫の夜鳴きに付き合って朝まではいい。けれど5時ころになるとお腹がすくから朝食は午前5時。とんでもない時間になる。朝食を済ませるとまた眠くなるけれど、その日の予定によってはその時間に眠ることができないことが多い。その後は睡魔との競争。食事ごとに眠くて他の予定がなければ昼寝。その昼寝がぐっすりと眠れてしまうので、夜の睡眠は浅くなる。その循環がいけない。
体調はどこと言って悪いことはないのに、一日中ぼんやりして思考力は最悪、足元はおぼつかない、のらに餌を持っていったところで転んで肋骨を痛めた。この私とあろうものが食欲がなくなる。なくなっても習慣的に食事をしていたら、体はヒッチャカメッチャカになって、何もせずにただぼんやりと椅子に座って過ごすだけになった。ああ、私も認知症の始まりかと、気持ちが暗くなる。大腿骨骨折をして寝たきりになるとそれが引き金となって認知症になるとよく聞く。これはいかん!最後には食事中飲み終わった味噌汁のお椀を持ったまま居眠りをして取り落とした。かかりつけ医に相談に行った。
私の必死の訴えも先生にはあまり通じないようだ。私は人と会うのが好きだから、表に出ると元気になるタイプ。ついハキハキしてしまう。見た目何でもなさそうで、先生は困っている。「なんでしょうねえ」言葉少なく考え込む。喉を見ても赤くない。熱もない、咳も出ない。呼吸も大丈夫。元気そうで不眠症には程遠く見える。心音も確か。別に病気とは言える症状はない。
しばらく考えてから先生は「昼夜逆転しているかもしれませんね。そのためのお薬を出しましょう」夜のスッキリに比べ、昼間の異常な眠気。これはそうかもしれない。もらった薬をその夜から飲み始めた。夜の睡眠時間は今までと変わりない。すると次の日、とんでもなくめまいがする。足は萎えたようになって歩く気力もない。そしてその日は昼寝を2回もしてしまった。眠って眠って眠りすぎてずーっとぼんやり。これはたまらない、普通の生活ができない。
次の日も同じような状態で、いつになったら普通の体調になることやら。2日間で3日分、眠ったような気がした。この薬飲み続けていいのかしら。それが4日め、やっと夜の睡眠が少し深くなって5日めには昼間の眠気が軽くなった。逆転していた時間が徐々に戻ったようだ。まだ予断を許さないけれど、1ヶ月試しに飲み続けるようにと医師の指示だからしばらく試してみることにした。でも薬が効きすぎるような気がする。この薬を飲むと午前中ずっと眠気がとれない。車の運転はしないほうがいいらしい。これは困った。
東京都知事の小池さんも今頃はぐっすりと眠れるような薬を飲んでおやすみしているのでは?コロナ以来、こんな症状で悩んでいる人が多いかもしれない。もし、体調が悪くて眠れない人がいたら早めに病院へ行かれることをおすすめします。だれでも体のリズムが狂ってしまうほどの大災害とも言える。感染しなかっただけでは済まされないパンデミックの恐ろしさを自分の体で感じた数日間だった。まだ完全に治っていないけれど、とりあえず光が見えてきたのでご報告まで。