2021年10月17日日曜日

誰かが住んでる!

 低血糖で朝の目覚めが悪いのではと指摘されてから思うに、ダイエットのために夜間の食事を極力制限していたのが原因かと、食事のパターンを変えることにした。

朝食は起床してから1時間以内にどっさり食べる。米粉と雑穀粉とミックスしたものに卵と豆乳、塩だけのシンプルな味のクレープを焼く。それに肉または魚を少々、バナナとヨーグルト、野菜少々。昼は一人なら冷蔵庫の余り物を少し。時々軽井沢からランチ持参で山を登って来てくれる人がいるとバランスの良い食事にありつけるけれど、そうでなければ猫の餌より粗末。夜は飲兵衛が好む酒のつまみ風、例えば昨夜は茹で野菜の塩麹漬、ごま豆腐、前日ランチの残った雑穀米のご飯をバターで炒め、トマトとチーズのせで食べた。それに焼酎のお湯割りを少しとなると、まるでおっさんの食事。

炭水化物が夕食に出ることは滅多のないけれど、昨日から血糖値を上げる食事に切り替えて睡眠の状態をテストすることにした。そう言われれば最近の起床時には物言うのも面倒なくらい元気がない。朝食でやっとげんきを取り戻すから低血糖で体調不良というのもあたっている気がする。結果、今朝は6時間睡眠でちょっと寝すぎかも。ぼんやりしている。

昨日昼ころから雲行きが怪しくなって鈍い色の雲が空一面を覆っていた。ぼんやりと森の木々を見て過ごしていたら、そのうち風も出てきた。森は枯れ木の枝がポキポキと折れて、風が強まるごとにどんぐりの実が機関銃のような音を立てて、にぎやかに冬に入る準備をしている。夕方何気なく庭の下を流れる小川の対岸を見たら!!!家が燃えてる!!!

めったに人影を見たこともなかった古い家に赤い炎が上がっているのが見えた。

うわ!どうしよう。とりあえずお隣さんに駆け込んで火事よと叫んだ。その場にいた人たちが私の跡を走ってきた。あら、ホントだ。中に冷静な人が一人、でも火がまとまっていて動かないでしょう。あれは燃えているのではなくて燃やしているのよ。それにしても家の中であんなに盛大に炎を燃やすか?樹の葉の間からなのでよく状況はわからないけれど、どうやら家の中の2箇所で篝火のようなものが燃えているのが見えた。ほっと胸をなでおろして皆さんに早とちりを謝ってことは済んだけれど、これが本当の火事だったらと思うとゾッとした。どうやらずっと不在だった家に人が入るのでリフォームのための明りとりだったらしい。日が暮れるのが早くて電気工事が間に合わなかったみたい。1時間もすると電気がついて、夜遅くまで工事が続いた。

昨夜はそんなわけで人声がかなり長いこと聞こえていた。しかし、それに紛れて私の家の中でも物音がしていた、実は数日前にここに来たとき、どんぐりの音に混じって小動物の足音らしい音が時々聞こえた。家の外か中かは判然としないけれど、屋根のひさしにトンとねこなどが飛び移るような音が時々聞こえていた。小鳥とかイタチやリスなど、そんな者たちが屋根の上でどんぐりの貯蔵にいそしんでいるのかも。しかし、昨夜ははっきりと家の中で動物の足音がする。階段脇の斜めにロフトに伸びる壁は中が空洞になっているらしい。どこからどうやって入ったかはわからないけれど、その中を動き回るものがいる。こんな荒れた天候だし避難場所を求めてどこかの隙間から入り込んでいるらしい。動物なら別に怖くない。もしかしたら座敷わらしかもしれない。

しばらくすると家の脇でなにかバリバリと剥がすような音がした。飛び上がりそうになった。人らしい足音も聞こえる。それも直ぐ側で。動物ならいい。けれど泥棒だったらどうしよう。それで家の中に自分がいることを知らせるために音楽を大きな音で流したり、電話をするふりをしたり・・・

今考えるとおかしいけれど、真夜中に一人で真っ暗な森の中にいると妄想が膨らんでくるのだ。壁の中の動物はますます活発に動くし風と雨の音が激しくて、だんだん怖くなってきたけれど、炭水化物摂取が効いたのか、ぐっすりと寝てしまった。なんのことはない、夜中に物事を考えるとなんでも大げさになるから考えないで肝を据えることが大事なのだ。長年の経験からわかっているのに。

夜中には物音のするあたりの壁をどんどん叩いたりしたので動物の気配は消えた。けれど、あの雨風の中やっと避難してきた場所を追われた動物はどこへ行ったのか。一晩我慢してやればよかったと後悔している。かわいそうに寒さにふるえていたのでは。まさか昨日見たあの猫ではあるまいか。夏が過ぎて別荘地ではペットを捨てていく人が多いと聞いたことがある。そうでないことを祈る。

夜の物音はずっと遠くまで届くらしい。昨夜の人の気配もリフォームしていた現場の物音だったかもしれない。モンゴルに行って草原に張ったテントで寝ていると、頭の上を馬が通っていく。人声もすぐ近くで聞こえる。テントの入り口を開けて外を見ると、はるか遠くに馬の群れと人が見える。草原で遮るものがなく雑音がないから、遠くの音もはっきりと聞こえる。懐かしいモンゴル。私はいつも自然に憧れて今こうして森の中。



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