2023年7月11日火曜日

失敗は繰り返される

目が覚めても胃が痛まない。やはり質の良い食物は体に良いのだ。そして昨日は肉を食べたのに胃もたれもない。それどころか恐ろしいことに食欲が目覚めてしまった感があって、お肉の次はお魚よと私にささやく声がする。お魚?それならお寿司よね。隣町のショッピングビルに世田谷で有名な寿司屋の出店の回転寿司がある。美味しいお肉の次はしょぼいものは食べられないから、回転寿司といえどもこの辺で一番美味しいところにしよう。出かけるのは面倒だけれど運動もしないとね。

歩いて約20分、腹ごなしにはちょうどよい。目的の店はいつも混んでいて私は敬遠しているけれど暇だから行列覚悟ででかけた。すると午後4時という時間のせいか、この店が始まって以来初めてすんなりと入れた。客席も一人客が多く座れるように用意されていた。左隣はカップル、右には一人客の男性が静かにお酒を飲んでいた。

私の生活水準では銀座の有名寿司店でカウンターに座り注文することなどめったにチャンスはないから回転寿司は勝手知ったるもの。粉茶を湯呑に入れてお湯を注ぐ。一口味わってからタブレットで注文を始めた。これも手なれたもので、いちいち面倒だから一気にまとめて注文してしまい次々とお寿司が届いたのでやおら食べ始めようとお醤油の小皿を探すと、無い!

以前はこういうところでは湯呑や小皿はその辺にたくさん置いてあったけれど、迷惑動画が公開されて以来様子が変わった。私は他の客の様子を窺った。最初はお寿司の皿に直接お醤油をかけるのかと思ったけれど、そんなことはない。ちゃんとお醤油の皿があるようだ。それなら小皿もタブレットで注文するのかしら?店員さんを呼んで持ってきてもらうのかな?

しばらく考えたけれど周りの人に訊いてみよう。左側はカップルで仲良しの会話の邪魔をしては悪いから右隣の男性に声をかけた。「お醤油のお皿はどこにあるんですか?」すると彼は黙って指をさす。さされた方向を見るとお茶の缶を指している。「え、これ?」すると「お茶の下」お茶の缶の下には確かに小皿が敷いてある。だって缶の下なんて汚いじゃないの。「どうしてこんなところに置くのかしら、汚いじゃない」すると彼は吹き出しそうな半笑いの声で「自分でそこに置いたと思うけど」

うっそー、私が?やったの?見ていたら教えてくれればいいのに。せっかく教えていただいたのに悪いけれど、私はぶすっとしてそれから猛烈にお寿司を平らげて帰ってきた。歳を重ねて普通なら品よく若者の手本となる食べ方をするはずが、教えてくれた親切な男性には礼も言わずに店を出た。氏より育ちというけれど、ここでお里が知れてしまった。なにも笑いながら言うことないじゃない。それより黙って見られていたのが腹が立つ。その後おかしくなって一人笑い。プンプンあはは!

帝国ホテルへ間違えて前日に行ってしまったとき、ロビーで出会った男性もすごく嬉しそうに笑っていた。私もおかしかったけれど、その人はもっと笑っていた。回転寿司のお客さんもなにがそんなに嬉しいのかわからないけれどお酒を吹き出しそうな感じで笑っていた。

他人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだわ。笑わば笑え!たかがお醤油の皿にお茶の缶を載せたくらいでこんなに笑われるとは。きっとその後私がどうするか見ていたのでしょうね。店員さんに文句を言わなくて良かった。





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