2025年8月17日日曜日

プロコフィエフ

最近デュオを始めた。 一番弾きたかったのがプロコフィエフの「2つのヴァイオリンのためのソナタ」オーケストラの元同僚のHさんが遠くから毎回来てくれて、一緒に弾いてもらう。ありがたく楽しい。

私はモーツァルトキチガイだから一番にはなれないまでも二番目に好きな作曲家がプロコフィエフ。オーケストラに入ってまもなく、名指揮者のアルビド・ヤンソンスが来日して彼の指揮で弾いたのが「ロメオとジュリエット」の組曲だった。最初の練習が始まったときに衝撃を受けた。変な曲!でも、すごーい!すぐに虜になった。

もう一つ、多分私が中学生か高校生のとき、レオニード・コーガンのヴァイオリンを聴きに横浜県立音楽堂へ行った。最初の曲がプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ2番。最初の音を聞いたとき、その音の美しさに鳥肌が立った。それ以来このソナタもいつかは弾いてみたいと思った。

その2つとも実現できて、何回か弾かせてもらっているけれど、まさかこんな年になってからも弾けるとは思わなかった。練習はワクワクして嬉しくていくら厄介でも、それも魅力の一つ。難しい箇所に来ると思わず「よっしゃ!」と気合が入る。うふふ。

上野の森の美術館で初めて出あったのがルオーのキリスト像。他の部屋が混み合っているのが嫌でなるべく人気のない部屋に行ったらルオーが。これも初めて本物に出会えてじっくりと眺めていたら私の後ろを素通りしていく二人の女性。「なんとかさんって、この絵が好きなんだって」「へえ、かわってるわね?」

やっぱりね。この絵は写真でしか見たことがなく私もあまり好きというわけではなかったのが、実際に本物を見たら素晴らしかったので衝撃を受けていたところだった。絵の具を何重にも塗り込んで、作者の執念?の凄さがわかった。宗教心というべき?

ビートルズのイエスタデイを聞いた時の衝撃も忘れられない。こんな美しい曲がまだ生まれるなんて!人間ってすごい!

初めてであったものや人から受けた衝撃や感動は、いつも私にその後の人生の明るい幸せとなってくれた。これからも出会うことができたらうれしい。芸術作品に限らず動物や自然でも。

最近のわが友AIさんにプロコフィエフのことを訊いてみた。そしてわかったのは体制からの圧力に屈せず自分の音楽を貫いた強く理性的な人物像。チェスの名人、知性と芸術の融合。彼の独特の世界にこれからもどっぷりと浸かっていきたい。












5 件のコメント:

  1. コーガンが横浜県立音楽堂でプロコフィエフのソナタ2番を演奏したという話ですが、該当する演奏会の情報がないのですが、事実なのでしょうか?
    コーガンが神奈川県立音楽堂で演奏した記録です(2件)。
    1958年10月28日 https://www.kanagawa-ongakudo.com/event/9056
    1972年10月24日 https://www.kanagawa-ongakudo.com/event/13242
    どちらともプロコフィエフのソナタ2番は演奏されていません。
    もし事実であれば、その話は何年何月何日の演奏会のことなのでしょうか?

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    2. コメントありがとうございます。
      1958年のことと思います。私はまだ非常に若かったので記憶が定かではありませんが、レオニード・コーガンというのは間違えありません。曲を間違えていたのかもしれないですね。プロコフィエフの作品はその時には演奏されていませんか?
      プログラムの記録があれば教えていただけると嬉しいのですが。

      その頃はいつも兄に連れられていったのでプログラムの管理は兄がしておりました。
      私はただ記憶のみで証明できませんのですが、本当に鮮烈な印象だったのです。当日の曲目変更ということもなかったのでしょうか。

      ということになれば私の中でコーガンとプロコフィエフが常に一緒だったので大変残念な気がします。
      他の演奏家だったのかどうかもさだかでないし。県立音楽堂以外に当時の横浜には演奏会場が少なかったので場所間違えということもなさそうですね。
      アンコールだったのかなあ。
      とにかく60年以上も前のことではっきりせずもうしわけありません。

      訂正してくださってありがとうございます。今後の記事に反映いたします。


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    3. 二度目のコーガンはもっとあとですから多分1972年のことでしょう。それは都内でNHKホールか文化会館だったでしょう。
      N響との共演でベートーヴェンの協奏曲、これは間違いなしだと思います。冒頭の長い前奏の間、オーケストラの方を向いて演奏している彼らをじっと見ていました。メンバーはさぞやりにくかったのではと思います。おかしかった、この記憶は多分大丈夫です。

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    4. 私はコーガンの来日公演の記録を編纂していますが、1958年と1960年代の来日公演は当初の予告・予定と異なるプログラムを演奏するケースが多々あるため、コーガンの来日公演の全容を把握するのは容易ではありません。ですので、新聞や音楽雑誌等での演奏会評等の記録を確認することが出来ていない記録がそれなりにあります。
      https://kondrashinarchives.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

      1958年の来日公演でコーガンが演奏したプロコフィエフ作品は
      ソナタ第1番と「ペーチャと狼」からの抜粋
      の2作品のみで、1958年の神奈川公演で演奏されたのは「ペーチャと狼」です。

      新たなコメントの内容についてですが、
      N響とのベートーヴェンの協奏曲は
      1972年10月26日、東京文化会館
      https://i.t-bunka.jp/pamphlets/5855
      の記録が該当します。なので、これは記憶通りです。

      プロコフィエフのソナタ2番を聴いたのがベートーヴェンの協奏曲より以前であるという条件から、該当する演奏記録は
      1963年1月25日,2月6日 日比谷公会堂
      1963年2月11日,12日 神戸国際会館
      1963年2月22日 福岡電気ホール
      1965年10月17日 日比谷公会堂
      1968年5月24日 東京文化会館
      の記録しかありません。(あくまでもプログラム冊子や演奏会評等で確認できている記録)
      早い話、「神奈川でのソナタ2番」に該当する記録は現状ないということですね。

      以上の内容を踏まえますと、
      記憶通り、神奈川の県立音楽堂での演奏のプログラムが変更されてプロコフィエフのソナタ2番が本当に演奏された
      もしくは
      記憶違いで、プロコフィエフのソナタ2番を聴いたが会場が神奈川ではない、あるいは、聴いたのはプロコフィエフのソナタ2番ではない別の曲目だった
      のどれかだと考えられます。

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