2011年9月3日土曜日

バリトン・バス

今日は仕事でよく一緒に旅をしていたコーラスのY子さんのお誘いで、浜離宮朝日ホールへ出かけた。長月シンフォニエッタというアマチュアの室内オーケストラの第一回目のコンサート。そこにゲストとして日本の代表的なバリトンバス歌手、鹿野 由之氏がゲストで歌うというので、オペラ大好きな私は楽しみにしていた。「フィガロ」の序曲が始まった。中々の出来栄え。プロオーケストラにありがちな手馴れた演奏ではなく、みずみずしくいかにもうれしげに弾くメンバーに好意を持った。そして、鹿野氏のバルトロのアリア、フィガロのアリアと続いた。声量も押し出しも立派でオペラ歌手としての貫録は生まれながらのものとみた。そして、大好きな魔笛のザラストロのアリア、これは本当に低い声で歌うので、たぶんバス歌手泣かせのものだと思う。歌い終わったところで隣のY子さんに「低くて大変でしょうね」と言ったら、「男性は年をとると低い声が出にくくなるんですって。女性は高い声が出にくくなるから、中性化していくのね」なるほど。そこで笑ったら、思いがけないほど会場に響いてビックリ。音響の良い会場だけれど、客席までこんなに響くとは。後半のベートーヴェンのシンフォニー1番も大好きなので、今日は好物を片っ端から食べたみたいに満足。最近のアマチュアオーケストラはとてもレベルが高くなってきている。ただ、歌と合わせた時に微妙なバランスが取れないのは気になった。もっとも、そこまでやられると、私たちプロの出る幕がなくなるから、このくらいで十分にしておいていただきたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿