2014年5月29日木曜日

悲しいお話

昨日睡眠不足だったので、昼間つい一瞬ウトウトした数秒の間に夢を見た。

ずいぶん以前にきいた話の人が出てきた。
一度聞いただけだから、記憶違いもあるかも知れないが、本当にあった話。

私は直接知らない人だが、確かチェロを弾く女性。
結婚して新婚旅行は、ご主人の好きな登山に一緒に行く事になった。
彼女は登山の経験も無く、ご主人は冬山に彼女を連れて行って、そのすばらしさを見せたいと思った。
しかし、彼は医師で、出かけるまでに結婚式の準備や、仕事のやりくりで多忙を極めた。
出かける時にはすでに疲労困憊。
これだけ聞いても、いかに無謀な計画だったかと、思われる。
登山経験のない人を冬山に連れていくとは。
それでも若い2人は、張り切って登り始めた。
途中で疲れ果てていたご主人が動けなくなり、テントを張って寝ようとしたが、もう気力も体力も使い果たした彼は、そのまま亡くなってしまった。
彼女は途方に暮れ、なすすべもない。
何と言っても山に来たのは初めて。
しかもテントの外は吹雪いていたのか(と思う)
月が出ていたかも知れない。
しばらくすると、彼女の耳に彼の声が聞こえたという。
近くに山小屋があるからテントを出て、そこまで行きなさい、と言う。
声に導かれて彼女は1人山を登り始め、そして無事山小屋にたどり着いて九死に一生を得た。
その後も彼女の耳には常にご主人の声が聞こえ、食事も2人で会話しながら食べていた。

この話は実際に知人から聞いた話で、当時、なんと悲しい話だろうと涙を誘われた。
しかし、女性はその間ずっと幸せそうだったと聞く。
たとえ幻覚であっても、そうやって酷い悲しみから逃れて、ようやく冷静さを保っていたのだろう。

今日の午後うたた寝の時には、そのままの話や、その人達が出てきたわけではない。
だいいち、私はその人に会ったこともないから、顔も知らない。
それでもなにか霧の様な現象として出てきたときに、ああ、この人だと感じた。
なぜ、そんな古い話で、しかも知人でも無い人の話が、夢に現れたのか。
その人の話を聞いた時に、その人達に対する深い悲しみを感じたのは確かだけれど、そして思い出す度に涙ぐんでしまうのも相変わらずだが、なぜ私の元にメッセージが届いたのだろうか。
夢は不思議。
夢よりももっと不思議な出来事は、いつ思い出しても切ない。























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