気温の差が激しく花粉にやられたせいもあるかもしれないけれど、この3日間眠り続けていた。
目玉も脳みそも溶けてしまそうなほど、眠った。
食事も殆どしていない。
ようやく今日は起き上がって朝食を摂った。
昨日の夜珍しく空腹を覚えたので、フレンチトーストをこしらえて食べたら、その後猛烈な腹痛と吐き気がして、ウンウン言ってしまった。
時々こういうことがある。
一昨年のお正月、郡山のアマオケにエキストラに行った。
その時にも、殆ど物が食べられず、毎日うどんを3本くらいしか喉を通らない。
これはきっと倒れてしまうと思ったけれど、たおれもせず、マーラーの交響曲5番を弾いてきた。
日頃の食べ過ぎをこうやって解消、調節しているのかとも思う。
今回は舘野ファミリーの仕事が、思いの外こたえているらしい。
最近続けて仕事に行くことは無くなって、ゆるゆると生活しているから、連続で外出することはない。
それが4日間連続で練習、本番があったので、意外と大変だったかも。
私自身はすごく楽しんでいたつもりだったけれど、身体がなまってしまったらしい。
ほんの少し前までは、全国を飛び回って仕事をしていた。
前夜か早朝飛行機に乗って現地入り。
そこから8~9時間近く仕事をして、夜は飲み歩いていた。
夜中にホテルに帰って、次の日は又次の仕事のために、飛行機に乗る日常。
その頃ならこんなことはなかった。
むしろ身体を動かしている方が調子が良くて、そんな生活を楽しんでいた。
仕事をどんどん減らすと、自分の身体の不調が気になるようになった。
ちょっと頭が痛い・・脳ドックに行こうか、などど。
この数日気温の変化が大きく、ちょっと薄着でいたら身体が冷えたか。
ひどい咳が出て、咳止めを飲んだらもう眠ること眠ること。
数時間毎に目が醒めても、又、すぐに眠りに落ちる。
3日間で何時間寝た事か。
ショートスリーパー返上して眠り猫。
うちの猫がやたらに布団に入ってくると思ったら、なんだか具合が悪そうで、くしゅんと可愛いくしゃみをしている。
おやおや、一緒に風邪をひいたかな。
くしゃみをしたその後で、ビショビショの鼻を押しつけてくるのには閉口したけれど、猫を抱えて眠るのは天下太平、極楽じゃ。
今日は友人の誕生日のお祝いをするので、レストランに行くためにようやく起き上がった。
その誕生日のお祝いというのが、去年の6月の分。
お祝いしようと思っている内に、あっと言う間に時間が経過して、いくらなんでも次の誕生日が迫って来るので、もうなにがなんでもと思ってやっとレストランの予約をしたのに、このていたらく。
今日はご馳走もあまり食べられそうもない。
2016年2月27日土曜日
花粉か風邪か
今年も1番体調の悪くなる季節がやってきた。
私は春に生まれた。
4月の始め頃生まれたので、本当ならその学年の最年長になるところだったのに、母は少しでも早く子供を学校に入れてしまいたいので、3月に誕生日を変更してしまった。
これは大昔、原始時代のお話だから可能だったようだ。
石のお金で賄賂を使ったかも。あはは・・・
父が本当の誕生日で届けを出したのに、母が後から役所に掛け合って、一年早く小学校に入れられてしまった。
その年齢の一年の差は大きく、だから私は3年生頃までは他の子より体力もなかったので、メソメソした子だった。
ところが4年生になると急に体力も追いついて、それからはガキ大将。
以後ずっと大人になっても、ガキ?大将。
ところが弱みが一つ。
春先に滅法弱い。
毎年原因不明の熱を出して寝込む。
今考えれば、花粉症だったようだけれど、まだ花粉症のことがよく分かっていなかったから、一種の知恵熱だと思っていた。
自分の誕生日に、熱を出して寝ているのは毎年のこと。
とにかく体調が悪い。
昨日、初台の新国立劇場の「サロメ」に出演する、英語の先生ルースさんに会いに出かけた。
今読んでいる「ハリー・ポッター5巻」の半ばは、ワクワクするような話しの展開で、あまりの面白さに予習が進んだ。
どんどん先が読みたくなる。
いつもの倍くらいの予習量。
ルースさんと2人で、本当に楽しんで読み進めていった。
ふたりともご機嫌でレッスンが終り、ルースさんは「サロメ」を弾きに新国立劇場へ。
サロメが七色のベールを脱ぐ所見られる?と訊いたら、ヴァイオリンは忙しくてそれどころじゃない、と言う。
そうね、私も見た事がない。
ヒマそうな管楽器の男達が口をあんぐり開けて、にやついているのは見えるけど。
私は鼻歌交じりに帰宅の途についた。
その時マスクをするのを忘れていた。
初台からバスで澁谷駅に。
楽器屋さんに寄って弦を買おう。
はたと気が着いた時には30~40分くらい、マスク無しで歩いていた。
周章ててマスクをしたけれど、その夜から咳が出はじめて、今かなりひどい。
私のアキレス腱は気管支。
なんか変な書き方だけれど、咳とはいつもお友達。
一度出はじめると当分治らない。
少し熱も出ているようだけれど、毎年の事だから周章てない。
春先には花が咲き、小鳥は歌い、1番良い季節のようだけれど、私はいつも鼻水をたらし、熱を出し、咳をして悲惨な年度明けとなる。
今日は夕飯を食べないで寝てしまおう。
「過ぎ去った春」とかなんとか、悲しいエレジーがあるけれど、私は春が過ぎると本当に嬉しい。
私は春に生まれた。
4月の始め頃生まれたので、本当ならその学年の最年長になるところだったのに、母は少しでも早く子供を学校に入れてしまいたいので、3月に誕生日を変更してしまった。
これは大昔、原始時代のお話だから可能だったようだ。
石のお金で賄賂を使ったかも。あはは・・・
父が本当の誕生日で届けを出したのに、母が後から役所に掛け合って、一年早く小学校に入れられてしまった。
その年齢の一年の差は大きく、だから私は3年生頃までは他の子より体力もなかったので、メソメソした子だった。
ところが4年生になると急に体力も追いついて、それからはガキ大将。
以後ずっと大人になっても、ガキ?大将。
ところが弱みが一つ。
春先に滅法弱い。
毎年原因不明の熱を出して寝込む。
今考えれば、花粉症だったようだけれど、まだ花粉症のことがよく分かっていなかったから、一種の知恵熱だと思っていた。
自分の誕生日に、熱を出して寝ているのは毎年のこと。
とにかく体調が悪い。
昨日、初台の新国立劇場の「サロメ」に出演する、英語の先生ルースさんに会いに出かけた。
今読んでいる「ハリー・ポッター5巻」の半ばは、ワクワクするような話しの展開で、あまりの面白さに予習が進んだ。
どんどん先が読みたくなる。
いつもの倍くらいの予習量。
ルースさんと2人で、本当に楽しんで読み進めていった。
ふたりともご機嫌でレッスンが終り、ルースさんは「サロメ」を弾きに新国立劇場へ。
サロメが七色のベールを脱ぐ所見られる?と訊いたら、ヴァイオリンは忙しくてそれどころじゃない、と言う。
そうね、私も見た事がない。
ヒマそうな管楽器の男達が口をあんぐり開けて、にやついているのは見えるけど。
私は鼻歌交じりに帰宅の途についた。
その時マスクをするのを忘れていた。
初台からバスで澁谷駅に。
楽器屋さんに寄って弦を買おう。
はたと気が着いた時には30~40分くらい、マスク無しで歩いていた。
周章ててマスクをしたけれど、その夜から咳が出はじめて、今かなりひどい。
私のアキレス腱は気管支。
なんか変な書き方だけれど、咳とはいつもお友達。
一度出はじめると当分治らない。
少し熱も出ているようだけれど、毎年の事だから周章てない。
春先には花が咲き、小鳥は歌い、1番良い季節のようだけれど、私はいつも鼻水をたらし、熱を出し、咳をして悲惨な年度明けとなる。
今日は夕飯を食べないで寝てしまおう。
「過ぎ去った春」とかなんとか、悲しいエレジーがあるけれど、私は春が過ぎると本当に嬉しい。
2016年2月26日金曜日
古典音楽協会第152回定期演奏会
共演が楽しい協奏曲
トレッリ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.8-2
Vn.山元操、今村恭子
ファッシュ:リコーダーとオーボエの協奏曲ト長調
Rc. 片岡正美 Ob.石橋雅一
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.3-8
Vn.中藤節子、中嶋斉子
ヴィヴァルディ:2つのチェロの協奏曲ト短調
Vc.重松正昭 、前田善彦
カール・シュターミッツ:ヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲ニ長調
Vn.角道徹、Vla.東義直
3月17日(木)19時開演 東京文化会館小ホール
ヴァイオリンのメンバーの中では私が1番後からの参加ではあるけれど、私にしては一つの合奏団に所属している長さは記録的。
この合奏団にエキストラで行ったその日からメンバーに馴染み、それ以来お付き合いが始まった。
私のせいで、急にうるさくなったとかという声も聞かれる。
初めて参加した時は、メンバーは本当に物静かな人達で、あれからウン十年後、こんなにお喋りで陽気なグループになろうとは・・・
コンサートマスターの角道さんが歯を食いしばって、私たちの笑い転げているのが静まるのを待って「そろそろいいですか」
やっと練習が軌道に乗るという時も、しばしばあった。
多少の入れ替わりはあったものの、ほとんどメンバーは替わらない。
これはすごいことで、大抵の合奏団は途中で崩壊している。
メンバーが入れ替わらないので、皆一緒に年をとっていく。
どこまで一緒に出来るかは、それぞれの健康と持続力頼みだけれど、コンサートマスターの角道さんが最年長なのに、1番元気なのだ。
途中で「僕はもうソロを弾くのはやめました」と弱気になった時期もあったけれど、又復活して、今回も意欲的なプログラムのトリを務める。
むしろ私が今、その弱気な時期に当たる。
視力の衰えから楽譜が良く見えず、すっかり気落ちしている。
弦楽器奏者の演奏寿命は短い。
左手の指を少し寝かせるか立てるかだけでも、音程が変わってしまう楽器だし、特に右手はもっと難しい。
弓は構造的には跳ぶように出来ている。
それをパタパタ言わせないように真っ直ぐに引いて行くのは、精妙なバランスが必要。
そのために完全にムダな力が抜けないと、様々な問題が起きてくるという、たいへん厄介な楽器なのだ。
それで年をとって筋肉が硬くなると、その微妙なコントロールが難しくなる。
左手のヴィブラートも掛けにくくなる。
楽器を持ち上げることが辛くなる。
その辺で大抵第一線から退いてしまう。
ある時期には自分の力の限界を感じて弱気になっても、そこを乗り越えると又、新しい境地に入っていける。
「古典」のメンバーもそれぞれ悩み多い時期もあって、くじけそうになっても、なんとか乗り越えてきた。
愚痴を言わず泣き言を漏らさず、集まれば穏やかな顔を見せてくれる。
今でも皆の技術力は安泰で、なんでこんなに長続きするのかは謎!
客席はいつも満員、これも謎!
とにかく助けて下さる方々には、いつも感謝あるのみ。
トレッリ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.8-2
Vn.山元操、今村恭子
ファッシュ:リコーダーとオーボエの協奏曲ト長調
Rc. 片岡正美 Ob.石橋雅一
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンの協奏曲イ短調 Op.3-8
Vn.中藤節子、中嶋斉子
ヴィヴァルディ:2つのチェロの協奏曲ト短調
Vc.重松正昭 、前田善彦
カール・シュターミッツ:ヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲ニ長調
Vn.角道徹、Vla.東義直
3月17日(木)19時開演 東京文化会館小ホール
ヴァイオリンのメンバーの中では私が1番後からの参加ではあるけれど、私にしては一つの合奏団に所属している長さは記録的。
この合奏団にエキストラで行ったその日からメンバーに馴染み、それ以来お付き合いが始まった。
私のせいで、急にうるさくなったとかという声も聞かれる。
初めて参加した時は、メンバーは本当に物静かな人達で、あれからウン十年後、こんなにお喋りで陽気なグループになろうとは・・・
コンサートマスターの角道さんが歯を食いしばって、私たちの笑い転げているのが静まるのを待って「そろそろいいですか」
やっと練習が軌道に乗るという時も、しばしばあった。
多少の入れ替わりはあったものの、ほとんどメンバーは替わらない。
これはすごいことで、大抵の合奏団は途中で崩壊している。
メンバーが入れ替わらないので、皆一緒に年をとっていく。
どこまで一緒に出来るかは、それぞれの健康と持続力頼みだけれど、コンサートマスターの角道さんが最年長なのに、1番元気なのだ。
途中で「僕はもうソロを弾くのはやめました」と弱気になった時期もあったけれど、又復活して、今回も意欲的なプログラムのトリを務める。
むしろ私が今、その弱気な時期に当たる。
視力の衰えから楽譜が良く見えず、すっかり気落ちしている。
弦楽器奏者の演奏寿命は短い。
左手の指を少し寝かせるか立てるかだけでも、音程が変わってしまう楽器だし、特に右手はもっと難しい。
弓は構造的には跳ぶように出来ている。
それをパタパタ言わせないように真っ直ぐに引いて行くのは、精妙なバランスが必要。
そのために完全にムダな力が抜けないと、様々な問題が起きてくるという、たいへん厄介な楽器なのだ。
それで年をとって筋肉が硬くなると、その微妙なコントロールが難しくなる。
左手のヴィブラートも掛けにくくなる。
楽器を持ち上げることが辛くなる。
その辺で大抵第一線から退いてしまう。
ある時期には自分の力の限界を感じて弱気になっても、そこを乗り越えると又、新しい境地に入っていける。
「古典」のメンバーもそれぞれ悩み多い時期もあって、くじけそうになっても、なんとか乗り越えてきた。
愚痴を言わず泣き言を漏らさず、集まれば穏やかな顔を見せてくれる。
今でも皆の技術力は安泰で、なんでこんなに長続きするのかは謎!
客席はいつも満員、これも謎!
とにかく助けて下さる方々には、いつも感謝あるのみ。
2016年2月23日火曜日
またスッタモンダ
私は世に知られたスーパーおっちょこちょい。
ウルトラ・ハイパーおっちょこちょいの名誉称号もいただいている。
又してもやってしまった。
今月は車の車検があって、先日工場に入れてきた。
色々相談しながら修理箇所を決めた。
担当者が元メカニック出身なので、大変心強い。
それに走りに対する意見が合うのも嬉しい。
タイヤはそろそろ交換時期とも思うので、相談してみる。
前回の点検の時に溝はまだしっかりしているけれど、微細な亀裂が入っていると言われた。
今すぐどうという事はないけれど、念のために交換した方がいいかと。
それでも大変お金がかかるので先延ばしにしていたけれど、安全の方が大事だからこんなところをケチって事故がおきるといけないから、交換してもらうことにした。
そういう風に先方は、古くなると車にお金がかかるので、むしろ新しい車にした方が良いと思わせて、買わせようとする魂胆かとも見える。
工場に行く度に、自動制御でブレーキのかかる車を見せられて、試乗する羽目になる。
毎回、これは良いわねと言いながら、スルーしてきた。
自分の技量に絶対の自信があるわけではないけれど、こんなアナタ任せの車に乗ったら、もしそうでない車に乗ったときに勘が鈍って事故らないだろうか。
四方八方に気を配りながら運転する、その緊張感が好きだし。
逆に運転がつまらなくなったら、気が緩みそうな気がする。
今回も担当者の運転で、壁に衝突するまでブレーキを踏まないパフォーマンスを見せられた。
助手席で見ていたらドキドキ。
でも結局彼は、ついブレーキを踏んでしまったような気配があった。
身に染み込んでいる危険に対する反応は、こういう車に乗っても変わらない。
修理の見積もりを出され、とにかく費用が高いので、あれもいらないこれもいらないと枝落とし。
かなり費用が抑えられた。
先日修理代の前払いというか手付金の様なものとして、Eバンクから7万円を振り込んであったはずなのに、すごく沢山の請求。
「それは前の振り込みの分を入れてなの?」と聞くと「振り込みましたか?」と逆に聞かれた。
たしか数日前に振り込んであると説明すると、あちらは怪訝そう。
いつも振り込む会社なのに、部署が違うので変だなとは思ったけれど、同じ系列の会社だったので迷わず振り込んでしまった。
これが「スーパー・おっちょこ」たる所以。
この少し変を確かめる手間を省くので、後で大騒ぎすることになるのは、長年の経験から分かっているはずなのに。
これが大きな間違い。
同じ系列で番号が下数桁一緒。
だから私も疑わなかった。
あわててEバンクの相談窓口に電話すると、その場合、組戻しという作業を行うので手数料がかかるそうで、会社内でなんとか出来るようならやってもらうようにと指示された。
次の日、車の担当者に電話すると、出来るとは思うけれど今日は休日なので、又あしたと言われる。
現行員の冷静な態度とは裏腹に、私のドキドキは静まらない。
不明な振り込みをもらった会社は、そういう時には一体どうするのだろうか。
ラッキー!なんて言って利益に組み込むのかしら。
世の中では雀の涙の金額かも知れないけれど、私には大金。
組み戻しには手数料がかかる。
せっかく手数料のかからないEバンクにしたのに、これではね。
これから預金の利息もますます安くなり、恐ろしい高齢者社会になっていくのに、こんな事では先が思いやられる。
銀行の相談窓口の女性に、電話を切る前にやんわりと釘をさされた。
「次にご相談の時には、お手元にカードなどを揃えてお電話ください」
なにか聞かれる度に飛び上がって、カード探したり、パスワードが思い出せずうんうん言ったり。
こういう窓口の人は、忍の一字で仕事しているのでしょうね。
もう1人の犠牲者は、この工場のメカニック氏。
毎回左右のミラーの動きがおかしいと、苦情を言って点検してもらっていた。
ところがいつでも異常なしと言って返される。
私が操作すると、カクンカクンと変な音を立てて止ってしまうので、窓から手を出して手動で出し入れしていた。
又異常なしってなんなのよと、プリプリしながら次回もクレーム。
今回、メカニックさんが目の前で操作してくれたら、いやはや面目ない、私はずっと違うボタンを押していたのだわ。
それでもミラー関係のボタンだから、動きはするけれど。
ここの工場も忍のご一同様でした。
間違えた振り込みは、会社内で処理できるとのことで、めでたしめでたし。
めでたかったのは私1人で、担当者は大汗。
こんな客にもニコニコしていなければならないとは、申し訳ない!
ウルトラ・ハイパーおっちょこちょいの名誉称号もいただいている。
又してもやってしまった。
今月は車の車検があって、先日工場に入れてきた。
色々相談しながら修理箇所を決めた。
担当者が元メカニック出身なので、大変心強い。
それに走りに対する意見が合うのも嬉しい。
タイヤはそろそろ交換時期とも思うので、相談してみる。
前回の点検の時に溝はまだしっかりしているけれど、微細な亀裂が入っていると言われた。
今すぐどうという事はないけれど、念のために交換した方がいいかと。
それでも大変お金がかかるので先延ばしにしていたけれど、安全の方が大事だからこんなところをケチって事故がおきるといけないから、交換してもらうことにした。
そういう風に先方は、古くなると車にお金がかかるので、むしろ新しい車にした方が良いと思わせて、買わせようとする魂胆かとも見える。
工場に行く度に、自動制御でブレーキのかかる車を見せられて、試乗する羽目になる。
毎回、これは良いわねと言いながら、スルーしてきた。
自分の技量に絶対の自信があるわけではないけれど、こんなアナタ任せの車に乗ったら、もしそうでない車に乗ったときに勘が鈍って事故らないだろうか。
四方八方に気を配りながら運転する、その緊張感が好きだし。
逆に運転がつまらなくなったら、気が緩みそうな気がする。
今回も担当者の運転で、壁に衝突するまでブレーキを踏まないパフォーマンスを見せられた。
助手席で見ていたらドキドキ。
でも結局彼は、ついブレーキを踏んでしまったような気配があった。
身に染み込んでいる危険に対する反応は、こういう車に乗っても変わらない。
修理の見積もりを出され、とにかく費用が高いので、あれもいらないこれもいらないと枝落とし。
かなり費用が抑えられた。
先日修理代の前払いというか手付金の様なものとして、Eバンクから7万円を振り込んであったはずなのに、すごく沢山の請求。
「それは前の振り込みの分を入れてなの?」と聞くと「振り込みましたか?」と逆に聞かれた。
たしか数日前に振り込んであると説明すると、あちらは怪訝そう。
いつも振り込む会社なのに、部署が違うので変だなとは思ったけれど、同じ系列の会社だったので迷わず振り込んでしまった。
これが「スーパー・おっちょこ」たる所以。
この少し変を確かめる手間を省くので、後で大騒ぎすることになるのは、長年の経験から分かっているはずなのに。
これが大きな間違い。
同じ系列で番号が下数桁一緒。
だから私も疑わなかった。
あわててEバンクの相談窓口に電話すると、その場合、組戻しという作業を行うので手数料がかかるそうで、会社内でなんとか出来るようならやってもらうようにと指示された。
次の日、車の担当者に電話すると、出来るとは思うけれど今日は休日なので、又あしたと言われる。
現行員の冷静な態度とは裏腹に、私のドキドキは静まらない。
不明な振り込みをもらった会社は、そういう時には一体どうするのだろうか。
ラッキー!なんて言って利益に組み込むのかしら。
世の中では雀の涙の金額かも知れないけれど、私には大金。
組み戻しには手数料がかかる。
せっかく手数料のかからないEバンクにしたのに、これではね。
これから預金の利息もますます安くなり、恐ろしい高齢者社会になっていくのに、こんな事では先が思いやられる。
銀行の相談窓口の女性に、電話を切る前にやんわりと釘をさされた。
「次にご相談の時には、お手元にカードなどを揃えてお電話ください」
なにか聞かれる度に飛び上がって、カード探したり、パスワードが思い出せずうんうん言ったり。
こういう窓口の人は、忍の一字で仕事しているのでしょうね。
もう1人の犠牲者は、この工場のメカニック氏。
毎回左右のミラーの動きがおかしいと、苦情を言って点検してもらっていた。
ところがいつでも異常なしと言って返される。
私が操作すると、カクンカクンと変な音を立てて止ってしまうので、窓から手を出して手動で出し入れしていた。
又異常なしってなんなのよと、プリプリしながら次回もクレーム。
今回、メカニックさんが目の前で操作してくれたら、いやはや面目ない、私はずっと違うボタンを押していたのだわ。
それでもミラー関係のボタンだから、動きはするけれど。
ここの工場も忍のご一同様でした。
間違えた振り込みは、会社内で処理できるとのことで、めでたしめでたし。
めでたかったのは私1人で、担当者は大汗。
こんな客にもニコニコしていなければならないとは、申し訳ない!
2016年2月22日月曜日
舘野ファミリー&フレンズ逗子大宮公演
プログラム
バッハ 「二つのヴァイオリンのための協奏曲」
ヴァイオリンソロ ヤンネ・舘野 前澤均(逗子公演)亀井庸州(大宮公演)
宮下秀樹「ピアノと弦楽のための幻想曲」
ピアノ 関田桂子
塚本一実「天界飛翔」~左手のピアニストとオーケストラのために~舘野泉に献呈
ピアノ 舘野泉
エスカンデ「アンティポダス」~ファンタジア・コンセルタンティ
ピアノ 舘野泉
指揮 舘野英司
大雨注意報の中、逗子の公演は熱の籠もった沢山の拍手を頂いた。
それに遡ること1月に一回、二月に入ってから公演前の二日間、当日のステージ練習と沢山の練習を重ねたものの、不安は付きまとった。
バッハ以外の曲は、初めて弾く曲。
複雑な音、リズム、いつも弾き馴れた曲ではない。
暗中模索する中で、舘野泉さんの息子さんのヤンネさんのリードで段々曲の筋書き・全容が解明されていくと、曲の良さが見えてきた。
こういう所が現代音楽を弾きこなす面白さ。
逗子の公演が終ると、次は大宮での公演。
2日続くのは正直言ってしんどい。
本番を弾いた夜は寝付きが悪い。
眠り名人の私でさえも。
日頃はあまり呑まないお酒を少し呑んで、神経を静める。
朝起きるとどんよりと、前日の疲れが残っていた。
大宮ソニックシティー小ホールに到着すると、主人公の泉さんはお元気でニコニコしている。
昨日あまり沢山お酒を飲まなかったから、良く眠れたとおっしゃる。
すると、お酒を飲むと、目が冴えてしまうのだろうか。
愉快なお酒で、周りを若い人達に取り囲まれ、優しくニコニコしていらっしゃる。
もう80歳にもなろうというのに、しかもあんなに難しい曲を見事に弾いた後でもこの元気さは驚異的。
やはりこれだけの気力と体力がなければ、右手が使えなくなってからの左手のピアニストとして世界を驚かせた復活は成し遂げられなかった。
新しい曲の譜読みは若い人でも大変なことなのに、病気の後でしかも高齢でもなお、嬉しそうにピアノに向かう。
特に音色の素晴らしさはどう言っても言い尽くせないので、会場に足を運んで聴いて頂きたい。
アンコールのピアノソロを聴いていたら、深い瞑想状態になった。
今回はバンドネオンが加わって、あまりの魅力的な音に、自分でも弾きたくなった。
ところがこのバンドネオンという楽器は、ひどく難しいらしい。
しかも楽器が少なく、高価。
最近又作られるようになって増えてきたらしいが、一時期は数が少なくなってしまったようだ。
この演奏技術の難しさが、原因なのだろうか。
間近で音を聴いて、すっかり虜になってしまった。
弟の英司さん、息子のヤンネさん、そして音楽仲間たちに取り囲まれ、楽しそうにピアノを弾き、美味しそうにお酒をのんでいる泉さんの姿をみると、人生を幸せにするのは本当に自分自身なのだと思う。
左手しか残らなかった時にもうピアノが弾けないと思わず、左手がまだつかえる左手だけでも良いじゃないかと考える、その見事な生き方。
そうそう出来るものではないけれど、私もそんな風に生きられたらいいなあと思う。
バッハ 「二つのヴァイオリンのための協奏曲」
ヴァイオリンソロ ヤンネ・舘野 前澤均(逗子公演)亀井庸州(大宮公演)
宮下秀樹「ピアノと弦楽のための幻想曲」
ピアノ 関田桂子
塚本一実「天界飛翔」~左手のピアニストとオーケストラのために~舘野泉に献呈
ピアノ 舘野泉
エスカンデ「アンティポダス」~ファンタジア・コンセルタンティ
ピアノ 舘野泉
指揮 舘野英司
大雨注意報の中、逗子の公演は熱の籠もった沢山の拍手を頂いた。
それに遡ること1月に一回、二月に入ってから公演前の二日間、当日のステージ練習と沢山の練習を重ねたものの、不安は付きまとった。
バッハ以外の曲は、初めて弾く曲。
複雑な音、リズム、いつも弾き馴れた曲ではない。
暗中模索する中で、舘野泉さんの息子さんのヤンネさんのリードで段々曲の筋書き・全容が解明されていくと、曲の良さが見えてきた。
こういう所が現代音楽を弾きこなす面白さ。
逗子の公演が終ると、次は大宮での公演。
2日続くのは正直言ってしんどい。
本番を弾いた夜は寝付きが悪い。
眠り名人の私でさえも。
日頃はあまり呑まないお酒を少し呑んで、神経を静める。
朝起きるとどんよりと、前日の疲れが残っていた。
大宮ソニックシティー小ホールに到着すると、主人公の泉さんはお元気でニコニコしている。
昨日あまり沢山お酒を飲まなかったから、良く眠れたとおっしゃる。
すると、お酒を飲むと、目が冴えてしまうのだろうか。
愉快なお酒で、周りを若い人達に取り囲まれ、優しくニコニコしていらっしゃる。
もう80歳にもなろうというのに、しかもあんなに難しい曲を見事に弾いた後でもこの元気さは驚異的。
やはりこれだけの気力と体力がなければ、右手が使えなくなってからの左手のピアニストとして世界を驚かせた復活は成し遂げられなかった。
新しい曲の譜読みは若い人でも大変なことなのに、病気の後でしかも高齢でもなお、嬉しそうにピアノに向かう。
特に音色の素晴らしさはどう言っても言い尽くせないので、会場に足を運んで聴いて頂きたい。
アンコールのピアノソロを聴いていたら、深い瞑想状態になった。
今回はバンドネオンが加わって、あまりの魅力的な音に、自分でも弾きたくなった。
ところがこのバンドネオンという楽器は、ひどく難しいらしい。
しかも楽器が少なく、高価。
最近又作られるようになって増えてきたらしいが、一時期は数が少なくなってしまったようだ。
この演奏技術の難しさが、原因なのだろうか。
間近で音を聴いて、すっかり虜になってしまった。
弟の英司さん、息子のヤンネさん、そして音楽仲間たちに取り囲まれ、楽しそうにピアノを弾き、美味しそうにお酒をのんでいる泉さんの姿をみると、人生を幸せにするのは本当に自分自身なのだと思う。
左手しか残らなかった時にもうピアノが弾けないと思わず、左手がまだつかえる左手だけでも良いじゃないかと考える、その見事な生き方。
そうそう出来るものではないけれど、私もそんな風に生きられたらいいなあと思う。
2016年2月19日金曜日
舘野ファミリー&フレンズコンサート
20日(土)19時開演
逗子文化プラザなぎさホール
21日(日)14時開演
大宮ソニックシティー 小ホール
フィンランドでコンサート中に倒れ、右手が使えなくなった舘野泉さんは、その後左手だけで新境地を見いだします。
目をつぶって聴くと、全く片手で弾いているとは信じられない、スケールの大きい華やかな演奏です。
彼のために次々に曲が作曲され、ますます円熟の境地に達した巨匠の演奏をお楽しみいただけます。
下のリンク先は舘野泉さんの動画です。
https://youtu.be/3PZW9H8aFWA
逗子文化プラザなぎさホール
21日(日)14時開演
大宮ソニックシティー 小ホール
フィンランドでコンサート中に倒れ、右手が使えなくなった舘野泉さんは、その後左手だけで新境地を見いだします。
目をつぶって聴くと、全く片手で弾いているとは信じられない、スケールの大きい華やかな演奏です。
彼のために次々に曲が作曲され、ますます円熟の境地に達した巨匠の演奏をお楽しみいただけます。
下のリンク先は舘野泉さんの動画です。
https://youtu.be/3PZW9H8aFWA
2016年2月15日月曜日
ショック
お節句の後は春一番が吹いて、暖かいと言うよりも暑い日が続いた。
まだ2月なのに気温が20度を超えた。
今朝、車で走っていたら、なんと桜が咲いていた。
ソメイヨシノでは無く色の濃い種類で、一斉に道路脇がピンク色に染まっていたのには、ビックリした。
思わず目を疑った。
初めは梅かと思ったけれど、どう見ても桜。
しかし、この暖かさも長くは続かず、夕方から一気に気温が下がって真冬並み。
急の寒さにたじろいだけれど、日課の散歩に出かけた。
Tシャツ一枚の上に薄いダウンジャケットを羽織り、お気に入りのスニーカーを履いて歩き出す。
天気が悪くなって、パラパラと雨模様になった。
まだ時間は早いのに、すっかり薄暗くなって、歩く人もまばら。
いつもの公園を一回り。
外周を歩いていると後ろから人の気配。
振り返ると、ひょいとよけて軽いジョギングの早さで追い越していったのは、中背やせ形の黒っぽい服装の若い男性。
足音もたてない。
まだその時には車も人も通る道に面していたから、近所の中学生なども歩いていたけれど、公園の中に入ると急に静かになった。
犬の散歩の人が2人。
すれ違って行った人が1人だけ。
いつも犬や人が集っている公園の中程の広場にも、人影はない。
ここは晴れていれば夕日の綺麗な所で、ワンちゃんの飼い主のたまり場となっている。
そこで私は遠巻きに犬たちの遊ぶのを見て、群れを離れてこちらに走ってくる犬を、あわよくば撫でたいと待機している。
飼い主としてみれば、変なおばさんが自分の犬に手を出すのを快いとは思わないらしい。
たいてい慌てて呼び戻されて、失敗に終る。
その場所は少し周囲よりも高くなっていて、いつもならそこを通るのに、今日はその周囲の下の小道を歩いて行った。
桜並木と少し高い広場の間の、昼間でも日がささないような場所を歩いていたら、ふと、後ろに何かの気配を感じて振り返った。
振り返ったら目の前に、さっき、私を追い抜いていった男が真後ろに迫っていた。
私は物に動じないというか、鈍感というか、その時はあらさっきの人だわくらいの気持ち。
それでも警戒心は強い方で、とっさに辺りを見回すと、誰もいない。
それで真正面から彼の顔をじっと見た。
男は、こちらに一瞬近付いたけれど、救急車のサイレンが公園の外の道から聞えたのでチラッとそちらを見て、くるりとUターンをして走り去った。
単にジョギングならさっきしたように追い越していけばいいのだし、しかも、さきほど追い越したのにまだ此処に居るというのも変。
服装は黒か紺で、足元はおよそジョギング用とは言えない、白い薄いズックの靴。
しかも追い越すなら私の脇を通るはずが、真後ろにいたのもおかしい。
明らかに狙われていたらしい。
薄暗がりで、たいそう「若造り」な小柄な女性、女子中学生(小学生)とでも思ったのかしら。
それともお金でも持っていると思ったのかしら。
以前スキー場で私は、たぶん小学生に間違えられた。
板を取り出そうとロッカーにいたら、急に両肩に手を掛けられて「ごめんね、ちょっと板をとらせてね」と若い女性の優しい声。
その時の私は、縁に猫の編み込みのある帽子を被っていた。
後ろから見れば、ちょっと肥満児の小学生に間違えるのは、無理もない。
これで後ろを振り返って顔を見せたら、その女性は腰を抜かしかねないから、じっとしていた。
今日の公園でも、可愛いキャスケットを被り、年の割には早足で、おまけに暗くて顔が見えないとあれば・・・
危うくなにかの餌食になったかも知れないけれど、尻尾がすでに7本も生えている狸だから平然とした態度で見返したのと、すぐ傍に交番と病院があって、サイレンが鳴っていたことなどが幸いしたと思う。
しばらく男の後ろ姿を睨んで立っていると、2,3人、自転車を押してくる人がいたのでほっとした。
足早に公園を抜けて外の道路に出た時、身体に異変が起きた。
足が前に進まない。
ひどい疲労感のようなものが、足を動かなくさせている。
一歩・・・又一歩・・・ようやく家にたどり着くと吐き気がした。
怖いという気持ちはなかったのに、身体がショックを受けていたようだ。
それとも若いフリしてTシャツ1枚、アンダーも着ないでの薄着。
寒さのせいだったか。
とにかく無事でよかった。
あの男性が悪い人だったかどうかは分からないけれど、明らかに挙動不審ではあった。
単に他人をひどい目に遭わせたいという欲望を持った人なら、相手は美人でも若くなくてもいいのだから。
時々危ない目に遭うと、必ず無事に切り抜けられるのは、誰かが守ってくれているらしい。
ダイビングで溺れかけ、エジプトで迷子になり、モンゴルでは落馬、チベットで高山病、その他大病も数回。
それでも怪我もせず、無事に生きながらえて笑っていられるのは、憎まれっ子何とやら?
まだ2月なのに気温が20度を超えた。
今朝、車で走っていたら、なんと桜が咲いていた。
ソメイヨシノでは無く色の濃い種類で、一斉に道路脇がピンク色に染まっていたのには、ビックリした。
思わず目を疑った。
初めは梅かと思ったけれど、どう見ても桜。
しかし、この暖かさも長くは続かず、夕方から一気に気温が下がって真冬並み。
急の寒さにたじろいだけれど、日課の散歩に出かけた。
Tシャツ一枚の上に薄いダウンジャケットを羽織り、お気に入りのスニーカーを履いて歩き出す。
天気が悪くなって、パラパラと雨模様になった。
まだ時間は早いのに、すっかり薄暗くなって、歩く人もまばら。
いつもの公園を一回り。
外周を歩いていると後ろから人の気配。
振り返ると、ひょいとよけて軽いジョギングの早さで追い越していったのは、中背やせ形の黒っぽい服装の若い男性。
足音もたてない。
まだその時には車も人も通る道に面していたから、近所の中学生なども歩いていたけれど、公園の中に入ると急に静かになった。
犬の散歩の人が2人。
すれ違って行った人が1人だけ。
いつも犬や人が集っている公園の中程の広場にも、人影はない。
ここは晴れていれば夕日の綺麗な所で、ワンちゃんの飼い主のたまり場となっている。
そこで私は遠巻きに犬たちの遊ぶのを見て、群れを離れてこちらに走ってくる犬を、あわよくば撫でたいと待機している。
飼い主としてみれば、変なおばさんが自分の犬に手を出すのを快いとは思わないらしい。
たいてい慌てて呼び戻されて、失敗に終る。
その場所は少し周囲よりも高くなっていて、いつもならそこを通るのに、今日はその周囲の下の小道を歩いて行った。
桜並木と少し高い広場の間の、昼間でも日がささないような場所を歩いていたら、ふと、後ろに何かの気配を感じて振り返った。
振り返ったら目の前に、さっき、私を追い抜いていった男が真後ろに迫っていた。
私は物に動じないというか、鈍感というか、その時はあらさっきの人だわくらいの気持ち。
それでも警戒心は強い方で、とっさに辺りを見回すと、誰もいない。
それで真正面から彼の顔をじっと見た。
男は、こちらに一瞬近付いたけれど、救急車のサイレンが公園の外の道から聞えたのでチラッとそちらを見て、くるりとUターンをして走り去った。
単にジョギングならさっきしたように追い越していけばいいのだし、しかも、さきほど追い越したのにまだ此処に居るというのも変。
服装は黒か紺で、足元はおよそジョギング用とは言えない、白い薄いズックの靴。
しかも追い越すなら私の脇を通るはずが、真後ろにいたのもおかしい。
明らかに狙われていたらしい。
薄暗がりで、たいそう「若造り」な小柄な女性、女子中学生(小学生)とでも思ったのかしら。
それともお金でも持っていると思ったのかしら。
以前スキー場で私は、たぶん小学生に間違えられた。
板を取り出そうとロッカーにいたら、急に両肩に手を掛けられて「ごめんね、ちょっと板をとらせてね」と若い女性の優しい声。
その時の私は、縁に猫の編み込みのある帽子を被っていた。
後ろから見れば、ちょっと肥満児の小学生に間違えるのは、無理もない。
これで後ろを振り返って顔を見せたら、その女性は腰を抜かしかねないから、じっとしていた。
今日の公園でも、可愛いキャスケットを被り、年の割には早足で、おまけに暗くて顔が見えないとあれば・・・
危うくなにかの餌食になったかも知れないけれど、尻尾がすでに7本も生えている狸だから平然とした態度で見返したのと、すぐ傍に交番と病院があって、サイレンが鳴っていたことなどが幸いしたと思う。
しばらく男の後ろ姿を睨んで立っていると、2,3人、自転車を押してくる人がいたのでほっとした。
足早に公園を抜けて外の道路に出た時、身体に異変が起きた。
足が前に進まない。
ひどい疲労感のようなものが、足を動かなくさせている。
一歩・・・又一歩・・・ようやく家にたどり着くと吐き気がした。
怖いという気持ちはなかったのに、身体がショックを受けていたようだ。
それとも若いフリしてTシャツ1枚、アンダーも着ないでの薄着。
寒さのせいだったか。
とにかく無事でよかった。
あの男性が悪い人だったかどうかは分からないけれど、明らかに挙動不審ではあった。
単に他人をひどい目に遭わせたいという欲望を持った人なら、相手は美人でも若くなくてもいいのだから。
時々危ない目に遭うと、必ず無事に切り抜けられるのは、誰かが守ってくれているらしい。
ダイビングで溺れかけ、エジプトで迷子になり、モンゴルでは落馬、チベットで高山病、その他大病も数回。
それでも怪我もせず、無事に生きながらえて笑っていられるのは、憎まれっ子何とやら?
2016年2月8日月曜日
寒さにも負けず
今日も集まった熟女6人組。
年間1番寒いこの時期に風邪も引かず、背筋がしゃんと伸びている。
一緒に仕事をしていた頃から少しも変わらない。
なぜかこのグループは私が幹事。
私が1番遊んでいてお店を良く知っているからと、押しつけられた。
よし、それなら、自分が行きたいところだけ回ろう。
と言うわけで今日は新丸ビルのフレンチにした。
東京駅というのは誰の家からも都合が良いので、たいていこの辺で探すことにしている。
東京駅というのは誰の家からも都合が良いので、たいていこの辺で探すことにしている。
本当は私は、はとバスに乗って東京見物をしたい。
それで今日は、はとバスツアーを計画したのだけれど、この季節にはあまりめぼしいツアーも無く、外に出るにはやはり春にならないと。
東京ステーションホテルでランチ、その後クルージング、デザートは船でという企画があったはず。
探しても類似ツアーはあったけれど、私がとても行きたいと思ったツアーが消えていた。
まあ、この季節で船では、寒くて甲板にも出られない。
それは又、良い季節になったら現れるだろう。
いまのところ皆元気なので、この先チャンスはいくらでもある。
というので、今日は大人しくランチ。
今までは夜だったのが、今日はあまり上天気とは言いがたいので昼間にした。
今朝電話がかかってきた。
「今日は最終的にはどうすればいいの?」
は?確か皆にちゃんと連絡済みのはずだけど。
「でも、私の所には来てないの」
この私の事だから、手抜かりはいくらでもある。
それで泡食ってもう一度皆にメールしたら、ちゃんと連絡来てますよーと返信があった。
送信記録を調べたら、電話の主にもメール送った記録が残っていた。
良かった、私が呆けたのではなく、あちらがなのよね。
これからもこんなことが多くなると、覚悟しないと。
12時集合。最後にやってきた人は息を切らせながらイスにすわると、時計を見て「一分前」と言った。
さすがガクタイ、このグループはいつも遅刻者無し。
オーケストラに居た頃も遊びの集合場所で待っていると、全員ぴたりと時間までに集まるのに感心したことがあったけれど、身体の芯まで時間厳守が入り込んで抜けない。
若い頃受けた訓練はすごいものだと、いつも感心する。
今日行った店は私が前から気にしていたけれど、予約の時に必ず前もって料理を決めてもらいたいと言われるので、今まで行ったことが無かった。
他人の胃袋の具合までは分からないから、私がメニューを勝手に決めるわけにはいかない。
「それは不可能よ」と言うと、混んだ時間だから後から頼むと時間がかかるとか、どうのこうの。
どうせ私たちはすっかり暇人になったから、時間はかかっても、その分お喋りが沢山出来てよろしい。
通された席はフロア奥の、カーテンで仕切られるようになっている場所で、正面から東京駅は見えないけれど、隣のKITTEビルが良く見える。
午後の日差しがKITTEビルに反射してまぶしい。
グラスのワインを頼んで、サラダ、パスタ、本日のメインディッシュ、コーヒーのコース。
見た目も綺麗だし、量も味もなかなか素晴らしく、長々とお喋りしていても店の1番奥だから、気兼ねなし。
今朝知らせが来ていないと宣ったお人に、送信済みのメールを見せた。
これが証拠じゃ、どうだ!
しかし、彼女はあら、と曖昧に不審げに見ている。
彼女のアドレスがちゃんと入っているから、これが動かぬ証拠。
まあ、いいわ。
お互いこれから、こうなるのよね。
私はやっと気になっていた店に行けて、しかも大変料理も良かったので満足。
一分前にたどり着いた人が、慌ててきたので手袋をなくしたというので、皆で手袋を買おうと食後にビルを一回り。
結局気に入ってもサイズが合わなかったりしたので、買い物は取りやめてお別れした。
次回は私からのメールが来ていないと騒いだ、ウッカリさんのリサイタルが4月にあるので、その後という事になった。
彼女はヴァイオリンを弾くと、少しもウッカリでは無いのが不思議。
12時集合。最後にやってきた人は息を切らせながらイスにすわると、時計を見て「一分前」と言った。
さすがガクタイ、このグループはいつも遅刻者無し。
オーケストラに居た頃も遊びの集合場所で待っていると、全員ぴたりと時間までに集まるのに感心したことがあったけれど、身体の芯まで時間厳守が入り込んで抜けない。
若い頃受けた訓練はすごいものだと、いつも感心する。
今日行った店は私が前から気にしていたけれど、予約の時に必ず前もって料理を決めてもらいたいと言われるので、今まで行ったことが無かった。
他人の胃袋の具合までは分からないから、私がメニューを勝手に決めるわけにはいかない。
「それは不可能よ」と言うと、混んだ時間だから後から頼むと時間がかかるとか、どうのこうの。
どうせ私たちはすっかり暇人になったから、時間はかかっても、その分お喋りが沢山出来てよろしい。
通された席はフロア奥の、カーテンで仕切られるようになっている場所で、正面から東京駅は見えないけれど、隣のKITTEビルが良く見える。
午後の日差しがKITTEビルに反射してまぶしい。
グラスのワインを頼んで、サラダ、パスタ、本日のメインディッシュ、コーヒーのコース。
見た目も綺麗だし、量も味もなかなか素晴らしく、長々とお喋りしていても店の1番奥だから、気兼ねなし。
今朝知らせが来ていないと宣ったお人に、送信済みのメールを見せた。
これが証拠じゃ、どうだ!
しかし、彼女はあら、と曖昧に不審げに見ている。
彼女のアドレスがちゃんと入っているから、これが動かぬ証拠。
まあ、いいわ。
お互いこれから、こうなるのよね。
私はやっと気になっていた店に行けて、しかも大変料理も良かったので満足。
一分前にたどり着いた人が、慌ててきたので手袋をなくしたというので、皆で手袋を買おうと食後にビルを一回り。
結局気に入ってもサイズが合わなかったりしたので、買い物は取りやめてお別れした。
次回は私からのメールが来ていないと騒いだ、ウッカリさんのリサイタルが4月にあるので、その後という事になった。
彼女はヴァイオリンを弾くと、少しもウッカリでは無いのが不思議。
2016年2月6日土曜日
手違い
寒くなってからも暫くは手袋をしないで過ごしていたけれど、お正月にスキーに行くことになって、慌てて手袋を探した。
あんなにゴロゴロ、タンスの抽出に入っていたはずの手袋が、見当たらない。
マフラーや帽子の間をかき回していると、やっと手袋が片方。
なおも探すと、もう片方。
やれやれ・・・と思ったら、なにか微妙に色が違う。
両方とも茶色なんだけど。
片方はバーゲンでワゴンに積んであって、行き当たりばったりに安いから買ったもの。
もう片方は色と素材が気に入って、買おうかどうしようか迷っていた時に、売り子さんが「これは***のですよ」と得意げに言う。
その***というブランド名は、あいにくブランドに疎い私には通じなかったけれど、赤茶色でとても深みのある色合い。
柔らかく手にフィットして、着心地も上々。
それで買ったのだが、片方がどうしても見付からなくて、捨てようと思っていた。
ところが今回見付かった二つの違う手袋。
なんと幸いなことに、右と左が一つずつ。
両手にはめてみたら、微妙に色違いだけれど、なに、他人にはわかりゃしないさ。
よかった、新しいのを買わなくて済んだ。
それではめて出て外の光の中で見ると、同じ茶色でもずいぶん違う。
世の中が私みたいにボンヤリした人だけなら良いが、世間の人はすごく目が鋭い。
絶対ばれるに決っている。
そう思うけれど、両手が違う手袋というのが妙に気に入って、未だに手違いのものをはめている。
電車の中などでつくづく眺めると、面白い。
左手に比べて右手の素敵なこと。
さすが何とやらのブランド品。
私が盛大に仕事で全国を駆け回っていた頃の話し。
早朝の新幹線に乗らなければならないので、前の晩狭い玄関に靴を揃え、次の朝両足を入れれば即出発出来るようにしておいた。
次の日、靴を履いていざ出発。
ちょっと片足を見たら、昨日揃えたはずの靴と違う。
あ、こちらを揃えておいたんだっけ?
ま、似たような物だから、どちらでもいいわ。
東京駅到着。
そこでほっとして気がついた。
なんだか右足と左足のバランスが悪い。
足元を見たら、片方ずつ違う靴を履いていた。
似たようなデザインで、早朝ボンヤリと履いたために左右違うことに気がつかなかったし、チェックしたときは片足しか見なかった。
しかし、もう遅い。
それから2泊の旅行中、文字通り足元を見られないように苦労した。
仕事先に到着したら、メンバーから受けまくって写真を撮られた。
ずいぶん経ってから、あの写真まだ持ってるよ、と言われた。
早く消してくれ~、私の恥はまだあちこちで晒されているらしい。
それよりももっと凄かったのは、末長富貴子先生。
武蔵野音大の教授で、退職後に末長富貴子弦楽四重奏団を結成。
他のメンバーの都合が悪い時に、私が代理で参加していたことがある。
いつも、チェロのメンバーの家で練習をしていた。
練習が始まろうとしたとき、彼の奥さんが現れた。
いつも声も態度も物静かなその人が、いきなりドアを開けて爆笑するので、皆何事かと思った。
玄関を指さして、笑い転げて声も出せない。
玄関へ行ってみると、左右色違い、赤い靴と黒い靴。
きちんと並んでいた末長先生の高級なお靴。
ご本人はそこで初めて気がついたようで、カルテットのメンバーと奥さんは玄関で大笑い。
先生はカルテットのことしか頭になく、靴が左右違う色とは思わなかったらしい。
この方は私のはるか上を行く。
私はボンヤリでそうなるのだけれど、あの方は集中力が強すぎて、そうなったのだ。
今頃天国で「いやねえ、人の恥を晒さないでよ」なんておっしゃっているかもしれない。
あんなにゴロゴロ、タンスの抽出に入っていたはずの手袋が、見当たらない。
マフラーや帽子の間をかき回していると、やっと手袋が片方。
なおも探すと、もう片方。
やれやれ・・・と思ったら、なにか微妙に色が違う。
両方とも茶色なんだけど。
片方はバーゲンでワゴンに積んであって、行き当たりばったりに安いから買ったもの。
もう片方は色と素材が気に入って、買おうかどうしようか迷っていた時に、売り子さんが「これは***のですよ」と得意げに言う。
その***というブランド名は、あいにくブランドに疎い私には通じなかったけれど、赤茶色でとても深みのある色合い。
柔らかく手にフィットして、着心地も上々。
それで買ったのだが、片方がどうしても見付からなくて、捨てようと思っていた。
ところが今回見付かった二つの違う手袋。
なんと幸いなことに、右と左が一つずつ。
両手にはめてみたら、微妙に色違いだけれど、なに、他人にはわかりゃしないさ。
よかった、新しいのを買わなくて済んだ。
それではめて出て外の光の中で見ると、同じ茶色でもずいぶん違う。
世の中が私みたいにボンヤリした人だけなら良いが、世間の人はすごく目が鋭い。
絶対ばれるに決っている。
そう思うけれど、両手が違う手袋というのが妙に気に入って、未だに手違いのものをはめている。
電車の中などでつくづく眺めると、面白い。
左手に比べて右手の素敵なこと。
さすが何とやらのブランド品。
私が盛大に仕事で全国を駆け回っていた頃の話し。
早朝の新幹線に乗らなければならないので、前の晩狭い玄関に靴を揃え、次の朝両足を入れれば即出発出来るようにしておいた。
次の日、靴を履いていざ出発。
ちょっと片足を見たら、昨日揃えたはずの靴と違う。
あ、こちらを揃えておいたんだっけ?
ま、似たような物だから、どちらでもいいわ。
東京駅到着。
そこでほっとして気がついた。
なんだか右足と左足のバランスが悪い。
足元を見たら、片方ずつ違う靴を履いていた。
似たようなデザインで、早朝ボンヤリと履いたために左右違うことに気がつかなかったし、チェックしたときは片足しか見なかった。
しかし、もう遅い。
それから2泊の旅行中、文字通り足元を見られないように苦労した。
仕事先に到着したら、メンバーから受けまくって写真を撮られた。
ずいぶん経ってから、あの写真まだ持ってるよ、と言われた。
早く消してくれ~、私の恥はまだあちこちで晒されているらしい。
それよりももっと凄かったのは、末長富貴子先生。
武蔵野音大の教授で、退職後に末長富貴子弦楽四重奏団を結成。
他のメンバーの都合が悪い時に、私が代理で参加していたことがある。
いつも、チェロのメンバーの家で練習をしていた。
練習が始まろうとしたとき、彼の奥さんが現れた。
いつも声も態度も物静かなその人が、いきなりドアを開けて爆笑するので、皆何事かと思った。
玄関を指さして、笑い転げて声も出せない。
玄関へ行ってみると、左右色違い、赤い靴と黒い靴。
きちんと並んでいた末長先生の高級なお靴。
ご本人はそこで初めて気がついたようで、カルテットのメンバーと奥さんは玄関で大笑い。
先生はカルテットのことしか頭になく、靴が左右違う色とは思わなかったらしい。
この方は私のはるか上を行く。
私はボンヤリでそうなるのだけれど、あの方は集中力が強すぎて、そうなったのだ。
今頃天国で「いやねえ、人の恥を晒さないでよ」なんておっしゃっているかもしれない。
2016年2月4日木曜日
覚えられない
いつも合わせてもらっているピアニストのSさんと、時々サロンコンサートなどで弾かせてもらうことがある。
万一、コンサートをするとなると、いつでも弾けるようにレパートリーを作っておかないといけない。
ベートーヴェン「ソナタ8番」バッハ「ソナタ3番(ピアノパート付)」などをこれから合わせる予定。
今月はピアニストの館野泉さんのF&F(ファミリー&フレンズ)コンサートのお手伝いをする以外はヒマだから、色々楽譜を出しては練習をしている。
ベートーヴェンの8番は短めで明るい、ベートーヴェンの重たい感じが無くて私は気に入っているのだけれど、以前弾いているはずなのに音型が覚えられない。
他のソナタに比べてもそれほど難しくはないのに、毎回同じ所を間違える。
いつも自分が教えるときには生徒に、間違えたら一度テンポを落として完全に出来てからテンポを上げて次の段階に行く様にと口やかましく言うのに、自分の事となるとあまり上手く行かない。
さすがにその日には弾けるようになるのに、次の日になると又間違える。
その繰り返し。
レッスンに来た人に、ちゃんと練習しないからそうなるのよと、怒るのだけど、自分がこんなことになろうとは夢にも思わなかった。
本当に易しいフレーズでつまずく。
よく自分を観察していると、ちゃんと視線が動いていない。
要するに動体視力の衰えが原因とわかった。
それで、つかえる場所に来たら目を見開いて熟視することにすると、なんとか通過する。
年齢的な衰えはどうしようも無く、大抵の演奏家がこの辺りでリタイアするのは頷ける。
自分1人なら何とかなるけれど、オーケストラになると怖さが先にたってしまう。
2人で同じ楽譜を見なければならないので、つらい。
以前私は、楽譜に書き込みするのを極端に嫌った。
オーケストラでも、隣の人が書き込みをするのがいやだった。
その場で覚えないでどうする。
一々書き込みするなと、他人にも自分に厳しかった。
初見の早さはこの業界で生きていくのに必須で、スタジオプレーヤーは誰もが殆ど一回で譜読みが出来、しかも移調してくれと言われればなんなくやってのける。
今ではどうかな?まだできるかしら。
オーケストラに入った当初は初見も利かず、泣きの涙で毎日譜読みに明け暮れた。
厳しい訓練の末勝ち取った初見力。
そんな修羅場で長い間仕事をしてきたのに、ちょっと現場を離れたらもうこの様で、脳みそにカビがはえたらしい。
昨日は元のオーケストラのメンバーが6人集まって、新宿に呑みに出かけた。
最高齢はパーカッションのSさん。
頭脳明晰で、オーケストラを途中でやめて、計理士になってしまった。
年に2回ほど彼を囲んでの飲み会。
Sさんは古い時代のオーケストラの生き字引だった。
どんな細かい事も、人の名前も良く覚えていて、私たちは彼にオーケストラの歴史を書いて出版したらどうかと勧めていた。
しかし、昨日会ったら、流石の彼も人の名前が出なくなって、額をしきりにこすっては思い出そうとしている。
あらま、この方がねえ。
私は子供の頃から、自分の興味のあること以外は絶対覚えなかったから、人の名前は当然でてこない。
けれど、Sさんは記憶力抜群だったはず。
期待していた本の出版も、もう諦めることになるかな。
もう1人のパーカッションのAさんは、脊椎の圧迫骨折とやらで、腰が曲がってしまった。
見るからに痛々しい。
会う度毎に皆年をとっていく。
自分だけ元気なつもりでも、傍から見れば、あら、あの人年取ったわねえ、なんて言われているに違いない。
ちょっと宣伝を
舘野ファミリー&フレンズ スペシャルコンサート 2016
2月20日(土)19時開演 2月21日(日)14時開演
逗子文化プラザなぎさホール 大宮ソニックシティー
小ホール
ピアニストの舘野泉さんのファミリーと友人達が集まって、珍しい
左手のピアノのための新曲、バッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲など多彩なプログラムです。
それからもう一つ
古典音楽協会定期演奏会 第152回
3月17日(木)19時開演 東京文化会館小ホール
タイトルは 『共演が楽しい協奏曲』
私は初っ端でトレッリ「2つのヴァイオリンの協奏曲」のソロを弾きます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
脳みそにカビが生えている話しは、どうぞお忘れ下さいませ。
その日だけはカビを除去してまいりますので。
万一、コンサートをするとなると、いつでも弾けるようにレパートリーを作っておかないといけない。
ベートーヴェン「ソナタ8番」バッハ「ソナタ3番(ピアノパート付)」などをこれから合わせる予定。
今月はピアニストの館野泉さんのF&F(ファミリー&フレンズ)コンサートのお手伝いをする以外はヒマだから、色々楽譜を出しては練習をしている。
ベートーヴェンの8番は短めで明るい、ベートーヴェンの重たい感じが無くて私は気に入っているのだけれど、以前弾いているはずなのに音型が覚えられない。
他のソナタに比べてもそれほど難しくはないのに、毎回同じ所を間違える。
いつも自分が教えるときには生徒に、間違えたら一度テンポを落として完全に出来てからテンポを上げて次の段階に行く様にと口やかましく言うのに、自分の事となるとあまり上手く行かない。
さすがにその日には弾けるようになるのに、次の日になると又間違える。
その繰り返し。
レッスンに来た人に、ちゃんと練習しないからそうなるのよと、怒るのだけど、自分がこんなことになろうとは夢にも思わなかった。
本当に易しいフレーズでつまずく。
よく自分を観察していると、ちゃんと視線が動いていない。
要するに動体視力の衰えが原因とわかった。
それで、つかえる場所に来たら目を見開いて熟視することにすると、なんとか通過する。
年齢的な衰えはどうしようも無く、大抵の演奏家がこの辺りでリタイアするのは頷ける。
自分1人なら何とかなるけれど、オーケストラになると怖さが先にたってしまう。
2人で同じ楽譜を見なければならないので、つらい。
以前私は、楽譜に書き込みするのを極端に嫌った。
オーケストラでも、隣の人が書き込みをするのがいやだった。
その場で覚えないでどうする。
一々書き込みするなと、他人にも自分に厳しかった。
初見の早さはこの業界で生きていくのに必須で、スタジオプレーヤーは誰もが殆ど一回で譜読みが出来、しかも移調してくれと言われればなんなくやってのける。
今ではどうかな?まだできるかしら。
オーケストラに入った当初は初見も利かず、泣きの涙で毎日譜読みに明け暮れた。
厳しい訓練の末勝ち取った初見力。
そんな修羅場で長い間仕事をしてきたのに、ちょっと現場を離れたらもうこの様で、脳みそにカビがはえたらしい。
昨日は元のオーケストラのメンバーが6人集まって、新宿に呑みに出かけた。
最高齢はパーカッションのSさん。
頭脳明晰で、オーケストラを途中でやめて、計理士になってしまった。
年に2回ほど彼を囲んでの飲み会。
Sさんは古い時代のオーケストラの生き字引だった。
どんな細かい事も、人の名前も良く覚えていて、私たちは彼にオーケストラの歴史を書いて出版したらどうかと勧めていた。
しかし、昨日会ったら、流石の彼も人の名前が出なくなって、額をしきりにこすっては思い出そうとしている。
あらま、この方がねえ。
私は子供の頃から、自分の興味のあること以外は絶対覚えなかったから、人の名前は当然でてこない。
けれど、Sさんは記憶力抜群だったはず。
期待していた本の出版も、もう諦めることになるかな。
もう1人のパーカッションのAさんは、脊椎の圧迫骨折とやらで、腰が曲がってしまった。
見るからに痛々しい。
会う度毎に皆年をとっていく。
自分だけ元気なつもりでも、傍から見れば、あら、あの人年取ったわねえ、なんて言われているに違いない。
ちょっと宣伝を
舘野ファミリー&フレンズ スペシャルコンサート 2016
2月20日(土)19時開演 2月21日(日)14時開演
逗子文化プラザなぎさホール 大宮ソニックシティー
小ホール
ピアニストの舘野泉さんのファミリーと友人達が集まって、珍しい
左手のピアノのための新曲、バッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲など多彩なプログラムです。
それからもう一つ
古典音楽協会定期演奏会 第152回
3月17日(木)19時開演 東京文化会館小ホール
タイトルは 『共演が楽しい協奏曲』
私は初っ端でトレッリ「2つのヴァイオリンの協奏曲」のソロを弾きます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
脳みそにカビが生えている話しは、どうぞお忘れ下さいませ。
その日だけはカビを除去してまいりますので。
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