2018年10月6日土曜日

いつもの散歩コースは大小2つの公園を通る。
小さい方は自宅を出てすぐの住宅の片隅にある。
仲良しの猫と時々遊ぶ。

もう一つは元米軍の印刷所の跡地で、大木が茂り川が流れる大きな公園。
近隣の人たちのオアシスとなっている。
早朝には沢山の人が犬の散歩やラジオ体操を楽しんでいる。

小さな公園を通り過ぎるときに仲良しの猫がいないだろうかと探すけれど、最近彼らも年をとってきてめったに会えないのが寂しい。
大きな公園を一通り散歩しての帰り道、小さな公園にさしかかった。
団地の中を抜ける小道を曲がった途端、目に飛び込んできたのは大きな蛇だった。
私は蛇が大の苦手、写真でもイラストでもおよそ蛇の形をしていれば、パタリとページを閉じて見なかったふりをする。
早く記憶から追い出そうと必死に別のことを考える。

以前佐渡ヶ島に遊びに行ったときに、あまりの蛇の多さに辟易した。
車を借りて全島一周したら、道のいたるところに蛇がいてびっくりした。
昔佐渡に流された流人たちは、さぞ気持ち悪い思いをしたことだろう。
流人は高貴な人が多かったので立派なお寺や建造物が建てられたと聞いたけれど、こんなに蛇が多くては難儀しただろうと思った。

小さい公園で見た蛇は私の前を静々と横切っていった。
不思議なことに、その瞬間美しい!と思った。
いつもならギャア!と叫んで逃げ出すところなのに、しばらくじっと見ていると、やがて叢にスルスルと滑り込んで姿を消した。
長さは1メートルくらい、胴体はかなり太くて察するところ壮年期。
薄茶に緑が交じって艶があり、蛇界のハンサムさんといったところ。

以前、グレーのシンプルな麻のワンピースを買った。
これに合うベルトが欲しいと思って探していたら、大岡山のブティックで理想的なヘビ革のベルトを見つけた。
太さも色も申し分ない。
しかもバーゲンで半額。
飛びついて試着させてもらった。
ところが、それをウエストに巻き付けたところ、なんだか全身がゾワッとして買うのをやめてしまったことがあった。
それくらい、蛇はだめ。

スキューバダイビングのライセンスを取得しに沖縄へ行った時、目の前をウミヘビが横切っていくのが気持ち悪かった。
ウミヘビがいるなら海に潜るのはちょっと・・・と考えるほど。
仕事で沖縄に行ったとき、食事をしようと街に繰り出して、地元の観光協会の人の勧めるお店に入った。
最後にスープが出て、それがものすごく美味しい。
カップの底になにか円筒形の黒っぽいものが残った。
これはなに?と訊いたらウミヘビという返事。
最初に知っていたら飲まなかったと思ったけれど、美味しかった。
蛇という蛇は全部ダメなのに、公園で会った蛇は生まれて初めて美しいと思った。

動物がとても好きなのに爬虫類と昆虫は苦手。
この世に生まれて生きる権利があるのに忌み嫌われるのは彼らにとって不本意だろうと思うから、なんとか苦手意識を持たないようにとは思うけれど、だめなものはだめ。
それでも公園で会ったヘビさんに、もう一度会ってみたいと思ったのはどうしてなのか。
今朝も叢をチラチラ目で探す。
でも、本当は出てきてほしくない。
でも、もう一度見たらどんな気持ちがするか試してみたい。
でも、出てきてほしくない。
でも・・・・見たい。
見たいけど見たくない。















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