今回の滑り初は奥志賀スキー場。
長野駅を出たバスは志賀高原の各スキー場を経由して、延々と雪道をたどる。
奥志賀高原の一番奥に今回の宿、ホテル・グランフェニックスが待ち構えていた。
昼過ぎに到着すると、粉雪がチラホラと舞っている。
昼食を終えて今シーズン初めてゲレンデへ。
寒い!
今年は都心が暖かく、寒さに耐性が出来ていない。
まずホテルの目の前の緩斜面で足慣らしを始めたけれど、そこのリフトは超スローモー。
短い距離なのに、すごく時間がかかる。
高度は海抜約1500メートル。
頂上に行くわけではないからと薄着で出たら、震え上がった。
シャツの上にニュージーランドのウールのウエア。
その上にヤッケを羽織っただけなので、リフトの遅さがこたえる。
ここは緩斜面で全くの初心者向きのゲレンデ。
滑り終わっても汗もかかないから、次は隣の中級者用ゲレンデへ。
ホテルから歩いてこちらのリフトに乗るには、前のリフトより少し遠い。
そのほんの少しの距離でも我々年代にはもう辛い。
ヨロヨロとリフト乗り場にたどり着く。
次の斜面の初めは曲がりくねった狭い通路が続く。
前日が大雪で圧雪が間に合わないから、ひどく滑りにくい。
ドタドタと数回降りるとやっと足がなれてきた。
次のリフトに進んで上へ行くと、そこは緩やかな広いゲレンデ。
これはご機嫌。
そんな風に徐々に足が慣れた頃、リフトの営業時間が終わった。
最後の一本は、できる限りのスピードでホテルへ向かう。
風が耳元でヒュウヒュウと唸る。
ホテルに帰りスキーを脱ぎながら景色を見ると、雪がやんで青空が少し見えた。
バラ色の夕日を背景にした数本の白樺と、雲の合間から見える青空。
この瞬間、心の底から喜びが湧き上がる。
しばらく寒さを忘れて、景色に見入ってしまった。
二日目は用心してヤッケの下にダウンベストを着る。
顔をマスクで覆うと、ほとんど寒くない。
時々雪、ガスが出て頂上が見えないから、焼額のゲレンデまで行って、ゆっくり戻ってきた。
ゴンドラに乗っても視界が悪いからあまりおもしろくはない。
ホテル前の緩斜面にたどり着く少し前で、同行のSさんが転んで起き上がれない。
やっと立ち上がってきたものの膝から力が抜けて、滑るのは危険というのでスノーモービルに乗せてもらうことになった。
他の皆は前日滑ったウネウネした細い通路を降りることにした。
Sさんが後ろの座席に乗ったスノーモービルが降りていくのが見えた。
嬉しそうに満面の笑顔で。
その日は圧雪が行き届いて、細い通路もあまり苦にならない。
その翌日は快晴・無風の絶好のスキー日和。
転んでスノーモービルに乗ったSさんとSさんの奥さんを除いて、前日同行しなかった人が加わって、もう一度焼額に。
すると昨日はガスで見えなかった焼額山頂に向かうリフトが右手に見えた。
山頂付近のゲレンデはなだらかで広い。
そこで数回遊び、リフト2つ分降りて、ゴンドラに乗って、前日と同じコースを戻ってきた。
途中少し雲と風がでてきたけれど、午後には回復した。
ホテル前の緩斜面のリフトの営業が終わるまで、基礎練習をする。
空の青さとバラ色の夕日は前日よりも更に美しい。
最後のひと滑りはスピード全開。
この瞬間が一番楽しい。
スキーは自分のペースで楽しめるひじょうに素晴らしいスポーツなのだ。
高齢の我々にも体に負担がかからない。
実際、これだけ滑っても一切筋肉痛もない。
我が「雪雀連」の会長は御年89歳。
誰よりも軽やかに早く楽しげに滑る。
次回の予定は2月半ば。
志賀高原の高天ケ原に宿泊予定。
今朝ホテルで次の宿泊先にスキーを送った。
ほんの目と鼻の先なのに、自力で持っていけないからクロネコさんに運んでもらう。
前夜から雪と風が強くなってきて、長野行のバスに乗る頃には新しい雪がどんどん積もっていく。
少し下界に降りる頃には雪はやみ日が差し始めた。
東京は帽子をかぶると汗をかきそうに暖かい。
帰宅したら猫が爛爛と目を光らせて怒っていた。
留守中姉が餌とトイレの世話をしてくれていたけれど、私以外の人間になつかない猫だから、ずいぶんつらい思いで過ごしていたと思われる。
帰宅から数時間経ってようやくご機嫌が治ったようだ。
ごめんね、猫さん。一緒に行けるといいのにね。
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