2019年5月6日月曜日

カラスの挨拶

今朝近所の小さな動物公園に散歩に言ったら、いつもより早い時間だったせいか、猫やカラスが伸々と羽を伸ばしていた。
猫に羽はないけれど、ま、いいか。
早い時間のほうが、この小高い丘に登ってくる人が多いこともわかった。
自分がばあさんなのを棚に上げて言わせてもらえば、やたら爺さんがいるので鬱陶しい。
体が固いのにゴキゴキと体操をしているのが見苦しい。

富士山が望めるポイントがあって、スッキリした青空のときには真正面に富士の姿が見える。
私が幼い頃には自宅の庭から、富士山が見えた。
夕日が落ちる頃、兄弟揃って富士山に向かって並び、長い影が自分たちの後ろに延びているのを眺め、それぞれがポーズを作って影絵を楽しんだ。

私が小学校4年生のときに家の前に団地が出来て、その景色を覆ってしまったのでがっかりした。
それで時々その丘に登って富士山に会いに行く。

今朝は霞がかった空で、わずかに山影が見えるだけだった。
ぐるりと開けた眺望の一部からは都心のビル群まで見えることもある。
富士山のポイントはいつものように爺さんがいたから避けて、ビル群の方に向かった。
そこできれいな猫発見。
これはどう見ても野良ではなく、黒と白のフサフサした長い毛並み、声をかけるとニャアと良いお返事が返ってきた。
自宅でもらう餌がいつも同じで、飽きがくると少し足を伸ばしてこの丘の野良たちの朝食のご相伴をするつもりなのだ、たぶん。

手を出すとなんのためらいもなく顔を擦り付けてくる。
きみ、危ないよ、知らない人にそんな態度では誘拐されてもしらないよ。
しばらく話していたら後ろでカアと声がした。
おや、カラスくんおはよう。
このカラスも人懐こい。
ほんの50センチくらいまで平気で近寄ってくる。
そういえばこの動物公園の園長さんは鳥の専門家と聞いた。
以前私が保護して動物病院で治療後、行き場のないカラスを引き取ってくれた。

カラスは条例かなにかで、保護してはいけない動物に入るとか。
真っ黒だと言うだけでひどいじゃないですか。
ゴミを荒らすのは人間が悪い。
カラスはお掃除屋さん。
木についた虫や道路で死んでいる小動物の始末をしてくれる。
賢くて家族思い。
ここに保護されたあのカラスはどうしたかしら。
寿命がどのくらいかは知らないけれど、まだ生きている可能性もある。
でも随分前の話だから、もうおじいさんになっていると思う。
じいさんでもカラスなら可愛い。

そのカラスは私の左側のフェンスに止っていた。
可愛いから眺めていたら急に右側から「ガア!」
びっくりしたなあ、もう。
それこそ、鳥肌が立った。
もう1羽、いつの間にかとまったのに気が付かなかった。
ごめんね、あなた達にやる餌は持ち合わせてないのよ。

ツヤツヤした真っ黒な羽が光って、至近距離で見ると大きくて迫力がある。
世の中に猫嫌い、カラスはもっと嫌いという人はたぶん怖いからだと思う。
けれど、彼らはこちらが嫌いのオーラを出していなければとても友好的なのだ。
最近大型犬の飼い主が事故を警戒して、私が近寄るとさけられるようになった。
犬と私はアイコンタクトですぐに気持ちが通じ合うのに、飼い主が怖がって犬を引きずっていってしまう。
ほんとに大丈夫なのに。

ここに何回も書いたけれど、もう一度。
保護したカラスを一晩入院させて病院に引き取りにいったら、受付で呼ばれた。
「nekotamaカラスさ~ん」
私、下の名前も書いたはずなのに、ことさら「カラスさ~ん」とは。
もっともマリア・カラスという絶世の美女にして名ソプラノ歌手もいたから、そちらのカラスと間違えたかな?
え、そう、似てる?私が?うふふ。


















2 件のコメント:

  1. うちの相方は怪我してる野良猫を見つけて病院に連れて行ったことあります。
    病院で治療して出ると、猫はさっさとどこかに消えて、
    「猫の恩返しってないのかなぁ」とボヤいてました。
    カラスの恩返しって、やっぱりないですか。(^_^;)

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  2. 相方様にお伝え下さい。
    猫にはなにを期待しても無駄だということを。
    随分前にこのブログに、ずっと前に餌をやっていた野良猫が最後の別れを言いに来てくれたことを書きました。彼は憶えていたのですね。
    最後にやっと撫でさせてくれた、それが最大の恩返し。

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