2019年6月17日月曜日

猫、恐怖の旅行

明日から涼しい(と思う)北軽井沢で過ごすことにした。
今回は姉と猫と一緒で。
猫は私以外の誰にも姿を見せない幻の猫。
いったい毛色はどうなのか、鳴き声はどんなか、誰も知らない。
でもどこにでもいるふつうのキジ猫。
ムラムラの毛色が無秩序にならんでいて、決して美人とは言えない。

明日はまた恐怖のドライブが待っているとも知らず、喉をゴロゴロ言わせて甘えてくる。
先日北軽井沢に行ったときに、猫のためのケージを組みたてて半ばにして放り投げてきたら、お隣さんが続きを完成させてくれたようだ。

今回の期待は、かの地に私の生徒のご親戚が住んでいるときいたこと。
その方は、はじめのうちは都内と半々で暮らしていたけれど、今やすっかりあちらに住民票も移されたとか。
私も田舎暮らしが合っているかもしれないので、そのうちあちらに拠点が移るかもしれない。
年をとってからの田舎暮らしは非常に問題が多くて、なかなか大変という意見もあるけれど、私は過去十年くらい、ノンちゃんの家で夏を過ごしてきた。
あちらには強力なサポーターズもいるし、一人で色々開拓するのも楽しい。
田舎は大変、常に人目があると聞くけれど、今住んでいるところだって大変なのだ。
私の父が亡くなったときの相続のことまで、近所の人のほうが先に知っていたという恐怖。
あそこは**ちゃんがもらうんだって?と訊かれて、あら、そうなのと答える私。
なんで?

自転車を買おうと思った。
どこへ行くにも距離があって交通機関が不備だから、自転車は必需品と思ったら、田舎で自転車に乗ると変な人と思われるという忠告を受けた。
車を買えないほど貧乏なのかと言われるらしい。
ヘッ!なにそれ。
それは本当で、ここ10年同じ車に乗っている。
新車を買う余裕はない。
コンビニに行くのも田舎では車でが常識らしい。
散歩をしても変人となるらしい。
変人結構、子供の頃からレッテルはられているから、いまさら驚くこたあない。

そもそも変人とは個性豊かな人ということにすれば、すこしも悪くない。
人それぞれ全く違うのに、どうやって変人と区分けをするのか、訊いてみたい。
誰から見ても他人は変な人。
どこから見ても常識人、育ちもよくいつもどんなことも手を抜かないできちんと振る舞う人は多い。
しかし私は、そういう人の本性がチラッと見えたときに恐怖を感じる。
言葉の端々、ちょっとした仕草などに現れる本心は闇。
人前で立派に振る舞う人ほど怖いことがある。

鎧を着て自分を作り上げて、さぞや、重たい人生だろうと同情したくなる。
そこへいくと私なんざあ、軽いものですわ。
言いたいことは口に出す。
やりたいことはなんでもやってしまう。
挙げ句は変人のレッテル。
でも一度レッテルはられてしまえばもうこっちのもの。
これ以上落ちようがない。

猫は全く本性で生きているから、野良猫同士の軋轢も大変なもの。
最初に餌をやった白黒ねこが私になついているのが許せなかったボス猫は、彼女を追いかけ回してついにテリトリーから追い出した。
見ているだけで胸が悪くなるようないじめ方。
雨の降る日、情けない声で近所の家のベランダで鳴いていた白黒を激しく追いかけて、それ以来白黒の姿は見えなくなった。
梅雨寒のこの時期に、空腹でさまよう白黒を想像して涙がこぼれた。

それ以来、ボスのシマトラ猫は我が家の餌場から放逐された。
私の怒りはものすごく、シマトラ退治用の箒が用意されている。
シマトラも可哀想だけれど、なにも罪のない白黒をいじめた罰はうけないといけない。
かれらは常に餌場の保険はかけてあるから、私がやらなくてもどこかしらで食べていける。
近所に猫好きは多い。
でもうちの餌は量もたっぷり、美味しいものが常にあったから、彼らにとっては最上のレストランだったはず。

シマトラ以外の猫はまだ食べさせているけれど、留守中は餌を置かないことにした。
少し前に留守中の野良の世話を近所の人にお願いしたらやたらにばらまいたらしく、すっかりカラスや他の野良たちが荒らすようになった。
餌をちゃんと片付けないで放置したため、近くのゴミ捨て場まで大荒れになってしまい懲りたので、今回は可哀想でも餌は他でみつけてもらうことにした。
帰ってきたらまた世話をするけれど、しばらくは他で食べてちょうだい。
しっかり生きるんだよ、野良さんたち。























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