2016年3月14日月曜日

チャリティーコンサート

世田谷のカトリック教会でのチャリティーコンサートは、「アンサンブルライン」の演奏で、ハイドンとヤナーチェックの弦楽四重奏曲。

ヴァイオリン 手嶋志保
ヴァイオリン 平岡陽子
ヴィオラ   東 義直
チェロ    和田夢人

ハイドンは作品54-1。
ハイドンの弦楽四重奏曲は本当に素晴らしい。
私はオーケストラ時代のコンサートマスターの鳩山寛さんと一緒に、何曲も弾かせて頂いた。
初期の作品1の3から始まって、中期あたりまで。
作品数が上がるにつれ、だんだん手がこんできて、弾くのも難しいし和声も難解になってくる。
最近遊びで弾いた作品76などは、なんだかわけが分からないうちに終ってしまった。

今回聴かせてもらった作品54-1は私は弾いた覚えがない。
たいそう難しそうだけれど、和声が弦楽四重奏の枠を越えているのではと思うくらいの重厚さで、たぶん演奏も大変難しかったのではと思うけれど、見事な響きを作って聞かせてもらったのが嬉しい。
休憩時間にヴァイオリンの手島さんとお話をしたけれど、やはり思いがけない転調が続いて大変難しかったと言う。
手島さんと以前弦楽四重奏を組んでいたヴァイオリンのYさんも聴きにみえて、本当にハイドンは素晴らしいと、3人でハイドンを讃えた。

ヤナーチェックは「内緒の手紙」という題名で、難解なと思われたけれど、すごく面白くそれぞれのパートのすごく達者な演奏をきかせてもらって、感心することしきり。
こういう曲がただ騒がしいだけに終らず、それぞれのパートが浮き出て、お見事、拍手拍手でした。
ヴァイオリニストのYさんもこの曲をこれから弾いてみたいので、今日は楽しみにしてきましたと言う。
彼も新しい弦楽四重奏団を結成して、去年コンサートに招待して頂いた。
私がオーケストラの仕事をしている頃、彼はコンサートマスターだった。
非常に繊細で隅々にまで神経の行き届いた演奏を聴いていたので、まわりのメンバーたちは彼のファンだった。
オーケストラの時にはかなり慎重だったけれど、弦楽四重奏を演奏するときには活き活きと楽しそうだった。
セカンドヴァイオリンが彼の奥さんだったからかも。

ヤナーチェックが大変面白かったので、私も弾いてみたくなった。
弦楽四重奏は長い間同じメンバーでの積み重ねが非常に大事なので、このグループが長い間培ってきたこの響きを今後も聞かせてもらうのを楽しみにしている。

このところ弦楽四重奏を弾いていないので、私の中で渇きが生じている。
アンサンブルの中で弦楽四重奏は、これほど完璧な形態は無いのではと思えるほどの魅力をもっている。
大変時間のかかる練習を繰り返して、やっと演奏会に漕ぎ着けるのだから、自分がよほど好きでないとまったく採算はとれない。
採算は金銭的な意味ではなくて、あまりにも努力をようするので、忍耐力と好きであるということがないと出来る事ではない。
同じような力量を持ち一緒に進む仲間がいなければ、長続きしない。

私も数十年間同じメンバーでずっとやってきたけれど、あるときたった一つの四分音符を巡ってチェリストと対立。
そこからメンバー崩壊したことがあって、本当に残念なことをしたと思っている。
そのメンバーで最後に弾いたのが、シューベルト「死と乙女」
春先に降った大雪の日だった。
交通マヒの中をお客さんが来てくれて、感激したのを覚えている。
だからこの曲を聴くと、当時を思い出して切なくなる。
そのチェリストとは先年再会して、彼が本当に嬉しそうに笑ってくれたのが嬉しかった。
周りでは又結成し直したらという声も上がったけれど、覆水盆に返らず。
弦楽四重奏団、新結成を考えてみようかしら。

とりあえず、今後の予定としてはピアノの芝治子さん、チェロの奈切敏郎さんと、6月12日(日)にコンサートの予定。
お暇と怖い物見たさで興味のある方は、どうぞ三軒茶屋のサロンテッセラまで足をお運び下さい。
マチネーです。















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