2016年3月26日土曜日

研究会

生真面目なピアニスト達のパワーに取り込まれて、この怠惰な私まで勉強会に参加することになった。
最初は一ヶ月に一度で、追いまくられていた。
最近はさすがのピアニストたちもやや息切れがしてきて、2ヶ月おきくらいに回数が減ってきたので、一息つけるようになった。

今回は演奏者がいつもより2人少なくて、ソプラノのMさん、ヴァイオリンは私、ピアノはSさんと当日の部屋主のNさんの4人で演奏。
グランドピアノが2台入ってもなお有り余るほどの広いレッスン室。
去年はちょうど庭の桜が咲いていて、2階でお花見をしたっけ。
今年はまだ桜が咲かない。
終ってからファミレスに移動、歳をとっていかに自分がアホになったかの話題で盛り上がる。
私の眼鏡談義のあとバッグを探すと、さっきまでNさんの家でかけていた眼鏡が消えていた。
もう、早速。

さっきは確かに眼鏡を使っていたのだから、Nさんの家に置いてきたことは間違いない。
食事を終えてから、Nさんの家にもう一度戻って探すと、私の眼鏡は見付からないようにクッションの下に隠れていた。
そんなに私が嫌いなら置いてくよ・・・と言ったら・・・いえ、そんなことありません、だいたいアナタが私をこんな所に置き去りにしたのじゃありませんか・・・と言うから連れて帰った。

今回のプログラムはソプラノ独唱から始まった。
アポリネールの詩によるフランス歌曲。
フランス語の響きはうつくしいけれど全く分からないから、詩の内容はMさんが持ってきてくれた解説書を頼る。
フランス歌曲と言えば、往年の名歌手ジェラール・スゼーなどはよく聴きに行ったものだった。
本当に柔らかい素敵な声で、ビロードの艶。
しかし、ドイツリートの「冬の旅は」いただけなかった。
これほどの歌手でも、言葉の違いは壁になるのかと思った。

2番目はSさんと私で、バッハのヴァイオリンとピアノのためのソナタ。
バッハの無伴奏ソナタとは別に、ピアノ(チェンバロ)と一緒のソナタが6曲ある。
その3番目のソナタが私は殊の外好きで、バッハの整然とした音型の中に迸るような情熱を感じる。
一気に4楽章まで弾き終えると、息切れがした。
この曲は6月にコンサートの最初に弾く。
それを思ってひどく緊張した。

最後に家主さんのNさんはなんと、ラフマニノフのピアノ協奏曲。
ピアノ伴奏はSさん。
グランドピアノ2台が鳴り響く。
私たちヴァイオリン弾きは、ピアノの圧倒的な音量に圧倒される。
1人でオーケストラ分の響きが出せる楽器が2台で鳴ると、もうごめんなさい!
私が悪うございましたと言いたくなるのだ。

もうイヤだの身体が言うこと聞かないだの言いながら、こんな大曲に挑戦するとは、呆れたものだ。
この人達普通ではない。
こんな友人達に囲まれて私は恐怖を感じるけれど、こんなに幸せなことは滅多にあるものではない。
お互い切磋琢磨もいいけれど、一体いつになったら弾くのをやめさせてもらえるの?














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