2016年7月30日土曜日

北軽井沢コンサートリハーサル

先日、北軽井沢のコンサートのメンバーが一堂に会して、初練習をした。
一応顔合わせと音合わせ。
初参加はピアノのSさんとヴァイオリンのMちゃん。
去年のメンバーのヴァイオリンIさんとnekotama、ヴィオラのKさん、コントラバスのHさん、ピアノのOさんの総勢7人。
「ヴィオラ・コントラバス」「ヴィオラ・ヴァイオリン」「ピアノ・ピアノ」「ヴァイオリン・ヴァイオリン」
こんな風に2人ずつ組んでみると、面白い曲がみつかる。

普段聴けないような曲が聴けるので、私たちも楽しんでいる。
圧巻はヴィオラとコントラバスの組み合わせ。
普段高音域の楽器を弾いているので、中音域、低音域のなんともいえない魅力にとりつかれる。
雪雀連にコントラバス奏者が居ることで、プロのチェリストがいない不自由さを補って余りあるほど。

ヴァイオリンのMちゃんが言うことには、ウイーンフィルのメンバーが組んでいるチェロ無しのアンサンブルがあるそうで、どうにかその楽譜が手にはいらないものかと考えている。
人脈豊かなnekotamaではありますが、さすがにウイーンフィルともなると・・・さあて!
微かな伝手は東北地方にあるかもしれない。
今年秋に東北へコンサートに行くけれど、その時にたぐり寄せてみようかと思っている。

梅雨明けの暑い日、朝から二回目の練習のために我家に集まった7人。
昼食用の焼きたてパンを各自、抱えてくる。
私は大きな西瓜を薄く切って、その上に生ハムとクリームチーズ、ブロッコリースプラウト、バジルなどを載せた西瓜ピザを作ることにした。
ネットでたまたま見つけたのだが、色が綺麗な上、冷たい西瓜の甘味と生ハムの塩気がマッチして、とても美味しい。
暑い夏にはおすすめの一品。
バルサミコ酢とオリーブオイル、塩だけのシンプルな味付け。
これはメロンで作るよりも美味しいと、皆さんから大好評。
褒められると調子に乗って何回も同じ物を作るともしらず、皆さん褒めちぎる。

それでも大きな西瓜を薄く切るのはとても大変なので、もう当分作りたくはないというのが本音。
西瓜を切っていたら自分の練習する時間がなくなった。
練習を我家でするときには、練習後の食事を用意することが多い。
ホッとしたひとときに会話と食事を楽しみたい。

以前長い間組んでアンサンブルをしていたチェリストに、食事の用意をするくらいなら、その時間練習したら?と言われたことがある。
分かっていないのねえ。
私の場合、練習後の食事と会話を楽しむのが目的で、練習しているのに。
あはは、そうでもないけれど、そうでないこともない。


練習はそれぞれ2人ずつで合わせてタイムを計り、おおよその進行を決める。
そこで私が、このコンサートの本番の日を間違えていたことに気が付いた。
先日の「北軽井沢コンサートのおしらせ」という投稿に書いた9月4日(日)というのは間違いで、9月3日(土)が正解。(訂正済)
すみませんでした。
もし、ちょっと覗いて見ようと思っておられた方がいらっしゃったら、予定を訂正しておいて下さい。

明日から私は、北軽井沢のノンちゃんの家に行く事にした。
避暑とコンサートの打ち合わせを兼ねている。
ヴィオラのKさんも自分の別荘へ行くというので、初日は彼女の家に泊めてもらう事にした。
大勢のにゃんにゃんたちとの生活は至福のひととき。
Kさんの別荘は軽井沢の次の駅追分に近い。
そしてつい最近分かったことは、そこはいつも一緒に勉強会をしているピアニストのOさんの別荘にも近いらしいということ。

そしてもっと驚いたのは、その近くに私の高校時代の同級生のTさんの別荘があるということ。

私の人脈はこうしてどんどん広がっていくことになる。
いつも不思議に思うのは、どこを向いても自然に人の網が出来る。
あまりに私の出来が悪いので、周りにいい人達を集めてくれる神様がいるらしい。
今日も神様のお使いが、ふうふう言いながら私の面倒みてくれたので、私はいつもニコニコしていられるのだよ。




































2016年7月27日水曜日

カール・セーガン

今から何十年か前のこと、カール・セーガン博士監修の「コスモス」というテレビ映像を見て、広大な宇宙の仕組みやバランス、美しさなどに心を奪われた。
ずいぶん前のことなので記憶が定かではないけれど、コスモスという言葉が宇宙を表す言葉で、私の1番好きな花がコスモスでもあったので、毎回うれしくドキドキワクワクしながら見ていた。
内容はもちろんすっかり頭から抜け落ちていたけれど、このように難しい宇宙のことを易しく説明してくれるカール・セーガン博士は、あこがれの的だった。
尊敬すべき人物だった・・・・

あるとき彼が日本の捕鯨に反対しているということを聞いた。
動物を愛護する心優しい人だと思ったら・・・捕鯨に反対する理由を聞いて愕然とした。

「鯨は本当に知能の高い動物である。あのように知能の高い動物を殺すのはけしからん」
え、っと私は思った。

知能が高いから?
それでは低い動物にはなにをしてもいいの?
彼自身は世界の頂点に立つような頭脳の持ち主であることは、自他共に認めた上での発言とみた。
牛やブタを食用にするのは、知能が低いから?

人は太古の昔から命がけで鯨と戦い、食用として、又、照明のための油をとったり、その全てを有り難く頂戴してきた。
鯨のヒゲは文楽人形の操作のために必要。
なにもかも全部余すところなく使ってきた。
ところが他の国の人々は、鯨は脂を採ったらおしまい。
肉やヒゲなど捨ててしまう。
そうやって乱獲して数が減ったのを、日本のせいにしている。    

昨日起きた養護施設での大量殺人事件の恐ろしいニュースを見て、セーガン博士の言葉を思い出した。
知能の高さで存在意義が問われるなら、私なんぞはアッという間に宇宙の外に放り出されてしまう。
セーガン氏は悪意があって言ったわけではないかも知れないけれど、それ以来私は彼への尊敬が多少薄れてしまった。

この世界の中での存在意義は、知能や運動能力の高さだけによって左右されるものなのか。
勿論そういう人が生き延びていかれる率が高いかもしれないし、その人達の子孫も又すぐれた能力の継承者だとは思うけれど、知能の差だけで人の命に差をつけることはできない。
どこで人の命に必要不必要の線を引くのか。
そもそも人間に差はないはず。
人種差別は、白猫が黒猫を笑うようなもの。
決して同等ではないけれど、平等であるはず。

人を襲ったライオンに「人間は知能が高いから襲って食べてはいけない」なんて言う?
ライオンは食料がたまたまそこに居たから喰っただけの話し。

役に立つかたたないかと言われれば、わたしなどは役立たずだけれど、少なくとも近所のノラ猫たちには命綱となっている。
重度知的障害者の家族の大変さは並大抵の物ではない。
現に私の知人の家は、夜中に騒ぎ立てる息子さんのせいで近所にも遠慮して、大変な思いをしていることもずっと見てきた。
それでもその母親は、いつも愛おしそうに息子さんのことを話す。
彼の話をするときの奥さんの顔は、慈愛に満ちている。

養護施設大量殺人事件の犯人は、自分の存在を誰かに認めてもらいたいけれど、誰も彼を愛していないことにいらついたのか。
自分の希望が叶えられなかったのを他人のせいにして、目の前にいる障害者たちに絶望をぶつけていったのか。
それなら自分だけに向かえばいいものをと、冷たく思ってしまった。

本当の事を言えば、重度障害児を持った親御さんは、この子が消えてくれればと願うこともあったかもしれない。
けれど、それは本心ではなくて過労の末の気の迷い。
健常の子よりもなお愛おしいのではと思う。
限られた能力の中で生きるとき、1番辛いのは本人。

それを排除しようというバカモノに、どんな権利があるのか。
それなら自分を排除すればいいこと。
危険で思い上がった人間は檻に入れておくべきだわ。
胸くそ悪くなる事件と世界的な学者と比べるのは大変失礼だけれど、それでも当時私の中で芽生えた違和感が時を経ても消えない。
セーガン先生、失言だったと思っていらっしゃるでしょうか?
私がもし天国へ行けたら訊いてみたい。

天国のような崇高な所は私には不釣り合いなので、そのもっと下の太平楽あたりでお目にかかれたらと思っております。























2016年7月23日土曜日

ゲーム

夕方の散歩はいつもの公園へ。
顔見知りの猫さんワンちゃんと挨拶を交わしながら、ここ数日の涼しい夕方の空気を楽しんでいた。
暑さに弱い私には、この涼しさは本当に助かる。

公園には夕方なのにひと気が多い。
そうか今日は盆踊りなのかな?
木の葉の緑の向こうに提灯の明かりが見えて、とてもきれい。
昼間お祭りがあったらしく、法被を着た人達もいる。
法被や浴衣を着た親子連れだけでなく、中高生くらいの若者が自転車を連ねて、一斉にスマホを覗き込んでいる。

せっかく友達といるのに、口もきかないでどうしたのかと思って、ハタと気が付いた。
彼らは盆踊りもお祭りも目当てではなく、ポケモンを捕獲しに来たらしい。
中高生に限らず大人もスマホを見ながら歩いている。
公園の中で車もいないからまだ少しは安全だけど、これでいつか事故が起きるに違いない。
先程、原付バイクでふらつきながら走っていた男性が捕まったとテレビニュースで聞いた。
運転しながらスマホでポケモン捜していたらしい。
危ないことを。
ポケモンをゲットできなくて、自分が捕まってどうする。
それより人でもはねたら・・・ぞっとする。

ニュースでインタビューされていた人達。
高齢の女性に「私たちは、ああいうのはしないから」と言わせていた。
何故か、その年になったらしてはいけないの?と突っ込みたくなるシチュエーションを設定しているような気がする。
わざわざ関係なさそうな人に訊いて当然の答えをさせて、その裏に「そんなことの何が面白いのか」とか「危ない」とか言わせたい意図がちらちら、見え隠れする。
そういう図式をこしらえて、年代のギャップを感じさせるねらいと見た。

私がポケモンをやっていてインタビューを受けたら「あ~ら、貴方まだやってないの。面白いわよあれは。特に原付に乗ってローリングしながらスマホ見ていると、お酒を飲まなくても酔っぱらうわ。うまくすれば天国へいけるかも」なんて、ちゃらちゃら言いそう。
残念ながら私はピカチュウが嫌いで、気持ちが悪いから興味はない。
熱狂的に可愛いと言う人も居て、ひとそれぞれですなあ。

私も一時、携帯の国盗り物語というゲームにはまった。
それは私が全国を股にかけて、仕事をして歩いていたときのはなし。
そう遠い昔ではなくて、まだそのゲームは健在らしい。

現地に行って携帯をクリックすると、そこの領地が獲得出来る。
1度獲得すると2度はとれないから、次のまだ行っていない場所へ行って新しく獲得する。
獲得出来ると、小判がもらえ、アバターを作れる。
その小判で武器や着物などが買える。
アバターにヒゲをつけたりカブトを被らせたり、馬にも乗れる。
領地が増えると位も上がっていく・・・という他愛もないゲームだけれど、これがけっこう面白かった。
特に私たちは年間15日の旅の仕事があったから、それを数年やってかなりの領地を手に入れた。
通過するだけでも良いので、仲間の中でも熱心な人達はわざわざ路線バスなどで遠回りして、様々な地域を通過しながら領地を増やしていった。
私は不精者だからそこまでは出来なかったけれど、新しい領地をゲットするとやはりうれしかった。

沖縄での仕事が終って「国盗り」仲間たちとレンタカーを借りて沖縄全島をまわった。
架空の領地が欲しいばかりに、わざわざお金かけて手間かけて。
沖縄から奄美大島の方へ携帯を向けて、奄美地区をゲットした時は皆大喜びした。

そんなことを面白がる方だから、今ポケモンに夢中な人達の気持ちは良くわかる。
けれど、スマホ見ながら歩くのは本当に危険。
自転車や車の事故も起こりかねない。
事故を起こしてからでは、後悔してもしきれない。
このゲームを作った人は、こういう事は思いつかなかったのかしら。
海外では崖からの転落事故死もあったらしい。
ただ、いつ死んだら不幸なのか、長生きしたら幸せとも限らないので、その辺はなんとも言えないけれど。





























2016年7月21日木曜日

北軽井沢コンサートのお知らせ

今年も北軽井沢の「ルオムの森」でのコンサートが決った。

今年は「2人で演奏を」又は「2人で弾けばこわくない」
ピアノまで2人で演奏することになった。

本当は2人で弾くのは1人で弾くより大変なのだけれど、その分楽しさも倍増。
普段は1人で弾いて居るピアノも、2人で弾くとどうなるかをお楽しみあれ。

スキークラブ「雪雀連」のメンバーは多士済々。
会長はピアノ調律界の大御所の山田さん。
それで舞台、音楽、映像などの関係者の多い集団となっている。

私の仲間といえば、まずコントラバスのHさん。
私が「雪雀連」に参加するようになったのは、Hさんのお誘いがあったから。
女性コントラバス奏者がまだ珍しかった頃、彼女は男性奏者に囲まれて堂々とオーケストラで活躍していた。
美貌とはきはきした言動で周りの人達を魅了していたけれど、1番のファンは当時新進気鋭の調律師だったJさん。
東京文化会館などで、調律師とコンバス奏者の間に火花が。
そして彼らは結婚して、Jさんが山田さんの仲間だったことから「雪雀連」に彼女も参加。
彼女のおさそいで私も芋蔓式に参加・・・という経緯。

ヴィオラのKさん。
彼女はやはりスキーとオーケストラの仲間。
長身でスタイル抜群、スキーも上手い。
早くにご主人をなくし、女手ひとつで2人の男の子を育て上げた。
その間多忙なオーケストラの仕事をこなしつつ、信じられないほどの多くの猫の命を救ってきた。
軽井沢の別荘へ行く時には、6匹もの猫を車に乗せて移動する。
別荘に泊めてもらうと、夜中に猫が布団の周りにやってきて、幸せな気分になれる。

ピアノは今回2人。

Oさんは、生れも育ちも北海道。
当然スキーは歩くよりも得意で、私の旧い演奏仲間。
若いときには、彼女とチェロのMさんと私の3人でトリオを組んで、沢山の演奏活動をしてきた。
私の名字の頭文字はY。
3人の頭文字をつなげると、YMO。
そう、イエローマジックオーケストラの頭文字になる。
Oさんのご主人が、トリオの名前を「YMO」にしたら?と言う。
そうすれば本家の「YMO」と間違えてチケットを買う人が居るかも知れないとの有り難い助言を頂いたけれど、その当時は独身だったチェロのMさんの結婚を機に、10年ほど続いたトリオは解散状態になった。
彼が結婚した相手がピアニストだったために、我々の入る余地はなくなった、というか遠慮した。

もう1人のピアノはSさん。
少し前から「雪雀連」のニュージーランドスキーツアーなどに、ご夫婦お揃いで参加するけれど、演奏には初参加。
ご主人が奥さん大好き。
奥さんがピアノを弾くと、ニコニコして嬉しそうに聴いている。
初参加でだいぶ緊張しているようだけれど、Oさんと連弾をしてもらうことになった。
なによりもご主人の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

ヴァイオリンは私の他に、スキーの名手のIさんと最近オーケストラを退職したMちゃん。
Iさんは長野県で育ったために、どんな難所急所も颯爽と滑り降りていく、カモシカのような人。
スキーで転んだのは見た事がないけれど、先日東京文化会館のステージで転んだ。
靴が滑ったそうだけれど、見事な転びっぷりで、楽器も本人も怪我もせず無事だったのはさすが!

Mちゃんもスキーが上手い。
来年は2人が競い合ってゲレンデを滑る姿が、見られるかもしれない。
Mちゃんはまだ「雪雀連」のメンバーではないけれど、そうなるのは時間の問題だと思う。
こんな面白いクラブに入らない手はない。

今回はこの7人の編成で手を変え品を変え、できる限り面白く楽しい演奏会にしたいと思う。
チェリストが居ないので不自由なんですわ。

決っている曲目は
  ディッタースドルフ 「ヴィオラ、コントラバスの
              シンフォニーコンチェルタンテ」
  バッハ       「二つのヴァイオリンの協奏曲」
  ピアノ       「ピアノ連弾 中田喜直作品」
  ロッラ       「ヴァイオリンとヴィオラの
              デュオ・コンチェルタンテ」
  グリーク      「ピアノソロ  ホルベルク組曲より」
  全員でパッヘルベル 「カノン」
  
楽器の組み合わせが面白く、めったに聞けない曲が聴けるのがミソ。
今回は会場の都合で9月になってしまいましたが、付近で避暑中の方は帰京を少し延長して聴きにいらして下さると、嬉しいです。
 
   日時 9月3日(土)午後 時間未定 たぶん14時から
   会場 「ルオムの森」レストラン
      飲み放題のパーティーと演奏

         会費5000円(演奏のみ聴く方はワンドリンク付きで1100円)

会場には人形作家の田畑純子さん、織物作家の小形桜子さん、油絵の福間順子さんの主宰する「3人の会」の作品展があります。
それぞれが素晴らしい作品を出品されますので、お楽しみ頂けると思います。

先日私のミスで日を4日とお知らせしましたが、3日の間違えでした。
申し訳ありませんでした。





















2016年7月19日火曜日

妨害

自動車保険の見直しをして、保険会社を変えた。
新しい契約をしたのは土曜日の午後。
今まで加入していたJA共済に解約の電話を新しい保険会社から入れてもらったけれど、営業時間外だから電話の申し入れだけで終った。
正規の書類上の手続きは、連休明けにJA共済の方に行って解約手続きをして下さいと言われた。

今朝JA共済の方から電話があって、解約手続きに来るようにとのこと。
こちらが解約するのにも拘わらず、私が店に出向くと言うと、恐ろしく鄭重に御礼を言う。
それって・・・変じゃない?
本当なら、どうして解約するのか、その理由を聞かなければいけないのに。

たぶん手ぐすね引いて待ち構えていたのだと思う。
普段、店の奥で職員達を見渡せる位置にいる、お局様。
今日は表に出てきた。
いつもの暗い顔をした共済の担当者ではなく、満面の作り笑いの女性。
キャンセルされるというのに、大歓迎している風だったけれど、これは手強そうだ。
つい先日自動車保険の更新に来た時に、私は職員の態度にクレームをつけた上、保険のために雀の涙ほどの貯金をしてあった口座まで、廃止してしまった。
その上又、今回の自動車保険の乗り換え。
それをなんとか食い止めようと、お局様自ら乗り出してきたらしい。

いつもの担当者を横に侍らせて言うには、土曜日に解約の電話をもらったけれど、JAとしては営業時間外だったから正規には受付たことにはなっていない。
今日受付けるけれど、解約日と新しい保険の契約日は同じ日でないと、今まで長年かけて割引率を上げてきたのがすべてフイになると言うのだった。
今まで、私の割引率の等級は20、これは最高のランクになっている。
それを新しい保険会社の方に移行するには、解約と契約日が同じ日でないと移行できないと、顔中口にして笑いながら言うのが不気味だった。
移行出来なければ、私は又1番下のランクから始めなければいけない。
当然掛け金は今かけているものの数倍になる。

もう新しい保険会社は契約が終っていて、ランク付けはそれぞれちがうけれど、殆ど同じ料金で付加価値のある契約をしている。
しかも解約のことは新しい保険の契約日に、保険会社からJAに電話で申し入れてある。
だから、同じ日でなければと言うのはJAさんには殆ど関係ないわけで、なんでそんな事を言うのか不思議だった。
だんだん向こうの声が大きくなる。
要するに、脅されているのかな。
今までの割引率がなくなるから乗り換えるなとでも?
おとなしい人ならそこでオタオタすると思うけれど、苔むした古狸の私には通用しませんよ。
その場で保険会社に電話して、担当者を呼び出してもらった。

事情を話すと「いや、1週間内の猶予があります」と言う。
そして「引き受ける側が良いと言っているのだから大丈夫です」ときっぱり!
そのまま相手に伝えると、やっと払い戻しの手続きをしてもらえた。

ほんとうに引き受ける側が良ければ良いのであって、やめられる側が余計なことを言うことはない。
そこで弱気に、それでは乗り換えるのはやめますとでも言うと思ったのかしら。
見るからに獰猛な顔をしているこの私に向かって、よく言えたこと。

というわけで、保険の乗り換えは無事完了。
考えたら私は今まで、自動車保険は一度も使わなかった。
毎年数万円を何十年もかけていたけれど、安心料にしては高すぎる。
かといって、なにか起こったらと思えば心配だし、保険の仕組みを考えた人はえらい!
人の弱みをお金に変える錬金術師。

手続きが終ると又、満面の作り笑いとバカ丁寧なご挨拶。
そういうことは不要なのだ。
私は客だからと言っていばっているわけではない。
お愛想はいらないから、その分迅速に仕事をしてもらいたいだけなのだ。
大事なお金を、井戸端会議をしてヘラヘラ笑っているような所に預けたくないだけの話し。
ほんと、分かっているのかなあ。
























2016年7月17日日曜日

自動車保険の見直し

自動車保険は、長年JA共済を継続していた。
私が自動車免許をとった当時、ここは飛び抜けて保険料が安かった。
農業とは関係がなかったけれど、口座を作れば保険にも入れると言うので多少の貯金もした。
今まで無事故で、ランクは最上の20等級、ゴールド免許だから掛け金は安い。
毎年保険の継続に近所のJAに出向いて手続きをしていたけれど、ここ数年になってから急に職場の雰囲気ががらっと変わった。

以前はとても感じが良かった。
素朴な感じの女性達が気持ち良く対応してくれて、保険の継続をすると布巾やティッシュなどをくれるので、買い物途中の時などは少し困ってしまう。   
有り難いけれど、たいていお断りしていた。

のんびりしていても、仕事ぶりは悪くなかった。
ところが3年位前から、なにかおかしいなと思う様になった。
カウンターで番号札を引いて、自分の番を待つ。
以前なら他に客が居なければ即対応してくれたし、カウンターの女性達も静かに仕事をしていた。

一昨年保険の継続に行った時、以前なら手の空いている人がすぐに対応してくれたのに、カウンターの中で3人ほどの女性と上司らしい人が立ち話をして、一向に客の方を向かない。
私の後から入ってきた人が番号札を引いたまま、そこで待機しているというのに。
中の職員達は、なにやら面白そうに笑っている。
業務の話しとは、とても考えられない。
しかもそれが5分くらい続く。

たまりかねて「お客さんですよ。貴方たち立ち話していないで、お仕事してちょうだい」と大きな声で言ってしまった。
よけいなお世話だとは思ったけれど、あまりにもひどい職員達の態度にあきれ果てた。
ハッと振り向いた職員たちは、ワラワラと持ち場に着いた。
上司らしい男はコソコソと裏に引っ込んでいった。
その後なんの謝罪もなく、後からきたお客さんの相手をはじめた。

帰り際、お話は裏でして。お客さんを待たせるなんて・・・と苦情をたれる。
次の年はまあまあの対応だったけれど、職場の雰囲気があきらかに変なのだ。
以前は沢山の客が来ていて活気があったのに、なにか雰囲気がドヨ~ンとしている。
いつ行っても客は殆どいない。
ご時世で、農家のお客さんが減ったのかも知れないけれど、それにしても雰囲気最悪。

そして先月、あきらかに手が空いているのに、番号札を取っても反応なし。
誰も客が入ってきても気が付かないように、振る舞っている。
やはり中で2人の女性が立ち話。
やる気がまるでないようだ。

又腹が立ったので「どなたか、お願いします」
待ちきれずに、切れて言ってしまった。
中から人がノロノロと出てきて「あ、共済ならあちらのカウンターです」その案内はすぐに出来なかったの?
普通は客が来たら「いらっしゃいませ」とか「少しお待ち下さい」があってもいいんじゃない?
そこまでしなくても、立ち話をしていて客を全く見ないなんて!
なにも客だからと言って威張っている訳ではない。
明らかに全員やる気無しの雰囲気を見ていると、つい声を上げたくなる。
昼間の時間帯に、いつ行っても客が殆どいないということは、お客さんから見放されているということかもしれない。

この営業所は整理したらいいのにと、部外者の私でも思ってしまう。
もより駅の踏切の向こうに同じJA共済があって、そこは活気がある。
それならこちらを整理すればムダなお金がかからない。
こんなやるきのない職員達を見ていたら、私が偉い人だったら、すぐに改善するのにと思う。

農家からお金が入るので、のんびりやって定年まで勤めれば御の字、豊かな老後がおくれるので職員達はそこそこ仕事をすればいいのかもしれないけれど、あまりにもダルすぎて見ていると苛々。

昨日、自動車の整備にいつもの日産に行ったら、自動車保険の見直しはいかが?と言われた。
保険会社の人から話をきいた。
私の現在の保険を見せたら、重複している部分があって損をしていたらしい。
それを一つ削って、事故の際の弁護士費用とJAFと同じようなサービスを付けてJAFを廃止すれば、殆ど掛け金が変わらないことがわかった。

今までより条件が良い。
本当に説明が分かり易く、どんな質問にもすぐに答えが出るし、資料も素早くゲット。
サクサクと話しが進んで、乗り換えることにした。

JAには保険会社の人が話を通してくれて、解約する事になった。
来年からあのだるい営業所に行かなくて済むし、3年契約で有利な条件が付いて、しかも私の担当の日産マンが全部自分が窓口になると言ってくれた。
万一事故の時にはメール下さればすぐにやります、との力強いサポート。
車のことでも保険のことでも、お世話になった。
ムダな費用を抑えてめったにお金を払わないこんな客にまで親切にしないと、今後の営業に続いていかないから大変だなあ。

皆一生懸命努力しているというのに、あのけだるいJAの職場はなんとかならないかと思ってしまう。
雰囲気の急変は、支店長が替わったとか、職員の入れ替わりとか、人間関係とかが影響しているのかとも考えられる。

ダラダラしたところにお金は入ってこない。
だから私はいつも貧乏。




























2016年7月11日月曜日

振り込め詐欺

午前中、ラヴェルの「ヴァイオリンとチェロのためのデュオ」の練習をしていた。
1時間半ほどみっちり練習したので、少し休憩しようという事になったときに、電話がかかってきた。

「こちら市役所のものですが、nekotamaさんはいらっしゃいますか?」
「私です」
「は?、奥様ではなくて、貴方がnekotamaさんですか?」
「はい、私です」

変な訊き方をするなと思った。
私の名前は男性にも女性にも使える名前で、どちらかというと女性の方が多いけれど、男性にも同じ名前がいないことはない。
私が女性なのを意外に思っているかのような、不審そうなやりとり。

市役所を名乗る男性は「じつはnekotamaさんが去年お支払いになった医療費が、一部返還されます。市役所から封書でお知らせが届いておりますが、ご覧になりましたか?」
自慢じゃないが私は札付きの事務音痴。

毎年確定申告をするときに、たいそう忙しい時期だから計算が合っているのかいないのか確かめもせず、エイッとばかりにギリギリに提出するものだからたいてい間違っている。
それを私の居住区の税務署は親切に電話をかけてくれたり、計算書を送ってくれたり修正してくれるので、この電話もその類いかと思った。

そんな知らせ、きてたかなあ。
しかも私が女性かどうか、書類を見ればわかるはずだし。
本人を見たら、ちょっと判別つかないかもしれないけれど。
去年はさほど病気もしていないから、医療費も使っていないのに変だなと思った。
モタモタ歯切れの悪い説明をするのが苛つく。
でも親切に言ってくれるのだからと、丁寧に対応していた。
しかし、取引銀行名や生年月日まで訊かれると、え???
もし本当に市役所の人なら失礼な対応もできないから、律儀に答えていた。
とにかくこの後、銀行の方から電話がかかってくるから対応してくれと言うので、電話を待った。
その時点でチェリストに「これ振り込め詐欺だよね」と言うと「真っ黒ですね」と言う。

早く練習を再開したいのに邪魔が入って、すこし苛々しているところに電話がかかってきた。
まず銀行からなのに「携帯電話の番号は?」
「それなんのために訊くの?」と言うと「本人確認」という答え。
それなら「この家の電話でいいんじゃないの?」と言うとなにやらモゴモゴ。
生年月日、電話番号となれば、暗証番号を聞き出す手段だと思う。

次は隣町の銀行のATMに行って、この番号でアクセスしてくれというから、そんなもの1番近くの銀行で出来るでしょうと言ったら、いや、ここでないと出来ません。
そんなバカな、大手の銀行だから全国にあるATMは全てつながっているでしょう、と言うと「いや、この特定の窓口でないとできないのです」
早く練習をしたいから「それで?とっとと、手続きの方法を言いなさ~い!
ぶちぎれ!
「ところで貴方はどなた?お名前とそちらの電話番号教えて」
というと「M銀行の総合コールセンター村田です。電話は0120-***-***」

「とにかく今日は行けません」と言って受話器を置いた。
くだんのコールセンターという番号にかけると、そこは銀行ではなかった。
やっぱりね。

すぐに警察に電話したけれど、この対応がひどい。
ダルな警官がダラダラとやる気ない対応。
うちの所轄の警察は、不祥事が多く裏金作りで有名だから殆ど期待はできないけれど、この対応はないでしょう。
手口をちゃんときいて銀行のATMの番号の口座を凍結すれば、次の獲物が引っかからないようにできるのに、と思った。
その時点でATMの番号が本当かどうか疑わしいけれど。

ストーカー被害に遭う人が警察に相談しても、なんの効果もなく命を奪われる事件がよくあるけれど、さもありなんと思わせるような対応。

詐欺師達は私にさんざん叱られてなんの実入りもなく「チェッ、今日はツイてねえや」などとほざいているかもしれない。

練習後、国立新美術館へ、ルノアール展を見に行った。
一筆毎に精魂込めて人生を送る人もいれば、人を騙して楽しようと不正を働く人もいる。
どこでどう間違えると、か弱い???女性を騙してお金を巻き上げようと思う人になってしまうのか、一度振り込め詐欺士に訊いてみたいものだわ。


















2016年7月9日土曜日

気絶!

毎度言うけれど、私の睡眠パターンはショートスリーパーで入眠は瞬時。
枕元の電気スタンドを消灯すると、殆ど同時に眠ってしまう。
友人達と旅行に行ってお喋りに興じていても、ある瞬間から突然返事をしなくなるそうなのだ。
それで皆「あ、寝たね」と言うらしい。

今日テレビで睡眠評論家?みたいな人が言っていたけれど、それは睡眠とは言わず、殆ど気絶なのだと言う。
ほう、私は毎日気絶しているのか。

とにかく起きて居たくて、瞼が開けられないほどになっても覚醒にしがみつく。
いよいよ、もうダメだという時になってしぶしぶベッドに入るから、眠気のほうが待ちきれずに襲ってくる。
だから私は気絶するというわけ。

気絶と睡眠はどう違うのかしら。
気絶したわりには、猫が鳴けばすぐ目がさめる。
電話がかかってくれば、呼び出し音3回でベッドから飛び起き受話器がつかめる。
眠っているのになぜ呼び出し音の回数が分かるかと言えば、電話の設定が呼び出し音3回で留守電に切り替わるから。
切り替わる前に電話に出ることが出来る。
それは電話で仕事を受けていた時代の悲しい習慣で、電話に出なければ仕事はもらえないで他の人に回されてしまう。

ただ一度だけ失敗したことがある。
夏の暑い日、昼寝をしていたら電話が鳴った。
その時あまりにぐっすり眠っていたので、受話器はとったものの、此処は何処?私は誰?状態。
「もしもし、私は**さんのご紹介で、明日の仕事をお願いしたいのですが」という男性の声。
その人からの初めての電話だった。
私は混乱の最中、明日?明日ってなにがあったっけ?
脳みそが完全に眠っているので「あした?あした?あしたは何日?」
ろれつも回らない。
相手はあきれ果てて電話を切ってしまった。

その後、その人からの仕事の依頼は全くない。
彼は、私はちょっと可哀相な人と思ったにちがいない。
仕事大好き人間だったから、夜中であろうと早朝であろうと電話に出ればシャキッとするこの私が、不覚にも仕事を逃した。
昼寝をすると思いもかけないほど深い睡眠になり、泥の様に寝てしまう。
昼寝が本当の睡眠だとしたら、最近殆ど昼寝をしたことがなく気絶ばかりしているために、疲れが抜けないのかな?

昔の貴婦人はよく気絶をした(らしい)
なにか大事になるとハンカチで顔を覆って「あれ~」とか言いながら倒れる。
それをハンサムな偉丈夫が、しっかり支えてくれる(らしい)
貴婦人は本当は気絶なんかしていなくて、お気に入りの男性の前で気を失った振りをしたのかも。

周りに好みの男性が居るときに、私も気を失うフリをしてみようかしら。
結果としては、避けられて地面に激突という図が見えてくる。
「これしきのことで気絶するほどデリケートじゃないでしょう」
見抜かれる。
猫は逃げるし犬は吠えるし。
まあ、無難にベッドで夜な夜な気絶。
しかし、毎日気絶ならいつ私は眠っているの?
















2016年7月6日水曜日

木の復讐

切り落とした木の枝の始末をしていたら、あちらこちら虫に喰われて腕や指が腫れ上がった。
今朝ゴミ収集のために葉っぱを詰めたビニール袋をまとめていたら、更に刺された。
切り落とされた葉っぱにしがみついて、養分を摂っている。
そろそろ葉も枯れるから虫も死んでしまう。
ゴミ収集車に持っていってもらうので、清掃員さんたちも刺されるといけないから厳重にビニール袋を2重にした。
その作業の間にも更に刺される。
まだ小さな青虫なのでさほど痛みはないけれど、毒は相当あるらしく、腕の刺された部分は真っ赤になって痒い。
掻くともっと痛痒くなるので、がまんしている。

これが盛夏になると虫も大人になってきて、更に痛い。
びっくりするほど痛いので、夏は特に要注意。

蜂に刺されると身体に抗体が出来て、数回刺されるとアレルギー反応で死ぬこともあるという。
まさかそれほどの毒ではなさそうだけれど、やはり年々反応が酷くなっていく気がする。

毎年スクスクと伸びて、虫たちに美味しい樹液や葉をご馳走している木にとって、私は不倶戴天の敵。
切られる度に悲鳴が上がりそうで、怖い。
木の唯一出来る復讐は、可愛がっていた虫たちに私を攻撃させること。
虫たちは親の仇とばかりに、責め立ててくる。

それにしても痒い。
虫刺されごときで病院に行くほどのことはないと思っていたけれど、耐えがたい痒みで参ってしまった。

痛みにはかなり強い方なのに、痒みはからきしダメ。
くすぐったいのもダメ。
くすぐったいのはもう少し強くなると痛みになる。
痒みもそのようだ。

以前の所属オーケストラの団長が、大変なくすぐったがりやだった。
私がまだ若くて、怖い物知らずで、悪戯盛りだったころのはなし。
事務所に行くと団長が電話をしている。
団長に用事があった私は、電話が終るのを待っていたけれど、中々終らない。
しびれを切らして、団長をくすぐり始めた。
団長は会話の途中なので身体をよじらせながら、なんとか通話。
しかし、あまりのくすぐったさに「うるさーい!」
いきなり怒鳴ったので、相手がビックリしたらしい。
「いや、君の事じゃないんだ」と謝っていた。
私はお腹を抱えて笑った。

当時の私は多動児で、絶えず悪戯をしていた。
見境なく相手を選ばず、おじさん達はどれほど私の犠牲になったことか。
一般の会社で社長をくすぐるなんて、考えられない。
いや、オーケストラでも同じだわね。




























2016年7月4日月曜日

すごわざ

私の家に庭はない。
敷地全体がコンクリートに覆われ、隣家との間にほんの10センチ程度の雨水の通り道があって、そこは土と石ころだけ。
その隙間に、どこからともなく飛んできた種が芽を出した。
隣家との境目には物置があって、その後ろに生えてきたので、お隣が植えた木だと思っていた。

築10年ほど経ってから、その木は我が家の雨水溝の中に生えていることを発見した。
せっかく生えてきたのに可哀相に、塀とコンクリートとの隙間に挟まれている。
ところがこの逆境もなんのその!
すくすくと育った。

よほど強い木らしくしっかりと枝を張って、夏には我家のベランダに陰ができる。
喜んでいたらお隣から苦情が来た。
苦情と言うほどのことではないけれど、ちょっと切らせてもらってもいいですか?という様なことを言われて、初めて気が付いた。
木が茂っているのが煩いと思う人もいるのだと。

それ以来夏になると、茂る前に枝下ろしをするようになった。
ところがこれが私にとっては一苦労。
梯に乗っても手が届かず、ベランダからも手が届かず、最後はお隣のご主人がバッサリ。
御礼はどうするなんて考えると、それも煩わしい。

今年もそろそろ切らないと、苦情がくる。
今朝一計を案じた。

もう一軒のお隣の家がただ今建築中。
建築の邪魔でもあるから、木は今日明日には切らないといけないと思っていた。
そこには大工さんがいる。
電ノコをぶら下げてお願いに行った。
足場が組んであるから、もしだめなら登らせてもらおうと思った。
お願いしたら、私の持っていった電ノコを見て笑っていた。
なまくらですがと言ったら、いやいやいりません。

ヒラリと足場に登り、自分のノコギリでスッスと切り始めた。
上手いのなんのって、あっと言う間に太い枝も切れていく。
惚れ惚れするなあ、こういうのって。
私は工事現場を見るのが好きで、いつまでも見ていて飽きない。
普通のノコギリなのに、私の電ノコの数倍もの早さで切れていく。
道具も良いけれど、腕が違う。

私が男性だったら、ショベルカーやクレーンなどの特殊器械の運転手、または大工さんなどになっても良かったと思っている。
残念なことに女性でチビだから、この世界では生きていけない。
力もない。

あっという間に切り落とされた枝を片付けていたら、虫に刺された。
よく見ると葉の裏に緑色の虫が沢山ついている。
まだ若い。
これから育つというときに許して、虫さん達。

私は枝が茂った木陰で過ごしたいのに、都会ではそうはいかない。
色々な人がいて、折り合いをつけないとギクシャクしてしまう。
その犠牲者が木で、切ろうと思って近づくと悲鳴を上げているような気がする。
お詫びしながら、切っていく。
数少ない木だから、その木には沢山のアリや小鳥や虫がくる。
彼らの住み処をバッサリ落としてしまうのだから、木を切った日は少し気分が悪い。

























2016年7月2日土曜日

ひどすぎる!

理研の元研究員が、STAP細胞の研究を巡る不正事件で小保方晴子さんを告発した件に関して、神戸地検は不起訴処分の決定を下したそうだ。
元研究員は、小保方さんがES細胞を盗んで、STAP細胞を偽造したと告発。
小保方さんが、所属していた若山照彦チームリーダーの研究室からES細胞を盗んで実験を行い、STAP細胞として英国のネーチャー誌に発表したというのが告発理由。
この後、よってたかって小保方さんを袋だたき。

STAP細胞に関して私は何回も投稿している。
2014年4月投稿の「こちら」と2016年5月「こちら」と最近の「こちら」をご覧下さい。
特にこの2014年8月投稿の「痛ましい事件」を思い出して下さい。

そもそも理研の内部での細胞の窃盗事件は、小保方さんが所属していた間には一件もなかったし、盗まれたとされるES細胞はSTAP細胞の種類とは異なっており、彼女には窃盗する動機もない。
若山氏が理研から山梨大学へ転出するまでも、してからも、盗難届は一件もないそうなのだ。

元理研の研究員は証拠が揃っていると自信満々だったそうなのだが、その告発記事の情報源はなんと、若山研究所のスタッフの1人である若山氏の妻からだった。
これって・・・・う~ん?
しかも窃盗されたという時期が、小保方さんが研究していた時期と全く合わないし、それよりも遅いのだ。
後から盗んだ細胞で、その前に実験したとはどういうことかな?

神戸地検は「窃盗の発生自体が疑わしい」としている。
小保方さんが盗んだかのように報道されたES細胞は、若山研究所の引っ越しの際に残っていたものを保管していたらしい。
ただの捨てられた実験材料だったそうだ。

前々から私が本当に腹をたてていたのは、実験とか研究とかには膨大な時間がかかるにもかかわらず、ほんの少しの失敗をまるで詐欺のように貶める、この国の人々なのだ。
研究者同士の嫉妬もあったと思う。
足の引っ張り合い、しかも若くて綺麗でちやほやされる人に対するねたみは相当なものがあったと思える。
STAP細胞再現実験の時も、ほんの数ヶ月で周りから監視され、悪意の最中で実験をさせられたら、出来るものも出来なくなる。
ひとりの優秀な研究者を葬ってしまった。
しかも笹井氏のような、優秀な研究者を死に追いやったその責任は、誰がとるのか。

私がこれほど怒るのは、私たち楽器を演奏する者にとって成果が出るのは数十年かかることを知っているから。
幼少から楽器を習い始め音大を出るまでが20年ほどかかる。
そこからが出発点で、私の様に亀の歩みの者は、それから数十年。
人生の終わりに近くなっても、なお練習にあけくれる。
この様なスローペースの終点がみえない人生を送っている者にとっては、ひとつの研究を完成させるために日夜どれほどの努力と研究を行っているのかは、本当に良く分かる。

一握りの幸運な人は成果が偶然に手に入っても、おそらく殆どの研究者は成果を残す礎となるだけの存在であって、ノーベル賞などはどんなにしても取れないと思う。
小保方さんはまだ若い、女性であるという点で多くの研究者の羨望と嫉妬の対象になったに違いない。
小保方さんをねつ造された盗難事件の犯人扱いしたNHKは、なぜいまだに黙っているのかな?