2016年7月11日月曜日

振り込め詐欺

午前中、ラヴェルの「ヴァイオリンとチェロのためのデュオ」の練習をしていた。
1時間半ほどみっちり練習したので、少し休憩しようという事になったときに、電話がかかってきた。

「こちら市役所のものですが、nekotamaさんはいらっしゃいますか?」
「私です」
「は?、奥様ではなくて、貴方がnekotamaさんですか?」
「はい、私です」

変な訊き方をするなと思った。
私の名前は男性にも女性にも使える名前で、どちらかというと女性の方が多いけれど、男性にも同じ名前がいないことはない。
私が女性なのを意外に思っているかのような、不審そうなやりとり。

市役所を名乗る男性は「じつはnekotamaさんが去年お支払いになった医療費が、一部返還されます。市役所から封書でお知らせが届いておりますが、ご覧になりましたか?」
自慢じゃないが私は札付きの事務音痴。

毎年確定申告をするときに、たいそう忙しい時期だから計算が合っているのかいないのか確かめもせず、エイッとばかりにギリギリに提出するものだからたいてい間違っている。
それを私の居住区の税務署は親切に電話をかけてくれたり、計算書を送ってくれたり修正してくれるので、この電話もその類いかと思った。

そんな知らせ、きてたかなあ。
しかも私が女性かどうか、書類を見ればわかるはずだし。
本人を見たら、ちょっと判別つかないかもしれないけれど。
去年はさほど病気もしていないから、医療費も使っていないのに変だなと思った。
モタモタ歯切れの悪い説明をするのが苛つく。
でも親切に言ってくれるのだからと、丁寧に対応していた。
しかし、取引銀行名や生年月日まで訊かれると、え???
もし本当に市役所の人なら失礼な対応もできないから、律儀に答えていた。
とにかくこの後、銀行の方から電話がかかってくるから対応してくれと言うので、電話を待った。
その時点でチェリストに「これ振り込め詐欺だよね」と言うと「真っ黒ですね」と言う。

早く練習を再開したいのに邪魔が入って、すこし苛々しているところに電話がかかってきた。
まず銀行からなのに「携帯電話の番号は?」
「それなんのために訊くの?」と言うと「本人確認」という答え。
それなら「この家の電話でいいんじゃないの?」と言うとなにやらモゴモゴ。
生年月日、電話番号となれば、暗証番号を聞き出す手段だと思う。

次は隣町の銀行のATMに行って、この番号でアクセスしてくれというから、そんなもの1番近くの銀行で出来るでしょうと言ったら、いや、ここでないと出来ません。
そんなバカな、大手の銀行だから全国にあるATMは全てつながっているでしょう、と言うと「いや、この特定の窓口でないとできないのです」
早く練習をしたいから「それで?とっとと、手続きの方法を言いなさ~い!
ぶちぎれ!
「ところで貴方はどなた?お名前とそちらの電話番号教えて」
というと「M銀行の総合コールセンター村田です。電話は0120-***-***」

「とにかく今日は行けません」と言って受話器を置いた。
くだんのコールセンターという番号にかけると、そこは銀行ではなかった。
やっぱりね。

すぐに警察に電話したけれど、この対応がひどい。
ダルな警官がダラダラとやる気ない対応。
うちの所轄の警察は、不祥事が多く裏金作りで有名だから殆ど期待はできないけれど、この対応はないでしょう。
手口をちゃんときいて銀行のATMの番号の口座を凍結すれば、次の獲物が引っかからないようにできるのに、と思った。
その時点でATMの番号が本当かどうか疑わしいけれど。

ストーカー被害に遭う人が警察に相談しても、なんの効果もなく命を奪われる事件がよくあるけれど、さもありなんと思わせるような対応。

詐欺師達は私にさんざん叱られてなんの実入りもなく「チェッ、今日はツイてねえや」などとほざいているかもしれない。

練習後、国立新美術館へ、ルノアール展を見に行った。
一筆毎に精魂込めて人生を送る人もいれば、人を騙して楽しようと不正を働く人もいる。
どこでどう間違えると、か弱い???女性を騙してお金を巻き上げようと思う人になってしまうのか、一度振り込め詐欺士に訊いてみたいものだわ。


















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