今朝まで北軽井沢の森の中の小さな家に滞在していた。
そこは人形作家のノンちゃんの夢の家。
森のなかに屋根も壁も全部木の皮で葺いた、まるで絵本から抜け出したような家が建っている。
それもそのはず、ノンちゃんのご主人は絵本作家の田畑精一さん。
著書の「おしいれのぼうけん」は200万部突破、文化功労章を受賞されたとか。
家の中に入るとノンちゃん手作りの織物やクッションや、紅茶のポットカバーや、一つ一つ丹精込めて作られたものに囲まれる。
食器も外国を旅した時に必ず手にいれてくるので、世界各地のお皿やカップやグラスなどがそろえてある。
かなり高齢になったノンちゃんは足が弱くなって、つい最近まで参加していたスキーツアーには来られなくなった。
それでも生き生きとした瞳の輝きは、まだまだ心の若さを失っていない証拠。
今年も9月に北軽井沢の「ルオムの森」での三人の会に、たくさんの人形を出品する。
そこに私たち「雪雀連」の音楽仲間が便乗して、面白いコンサートを企んだしだい。
今年も面白い企画です。
コンサートだけ聴きたい方は、ワンドリンク付きで1000円という格安のお値段!!!
そのあとの飲み放題の宴会に参加となるとぐんとお高くはなりますが、そちらはおいしいお酒とおいしいおつまみがたらふく食べられます。
しかも洒脱な会話も楽しめます。
7月31日、梅雨の明けた関東地方。
これからぐんぐん気温が上がろうという日に都内脱出。
追分に別荘のあるKさんと、関越道の三芳サービスエリアで待ち合わせた。
待ち合わせ時間は10時半。
私の家からは関越道に入るのに1時間半。
それプラス30分と読んで2時間前に家を出たら、渋滞なしの環八で、あっという間に待ち合わせ場所に着いてしまった。
まだ1時間以上の余裕。
さてどうしようか、コーヒーでも飲んでまったりしていようと思ったら、私を呼ぶ声がして、Kさんはすでに5匹の猫と到着していた。
ネコさんたちを炎天下の車に置いておくことはできないので、すぐに出発。
お昼ころ現地の産直マーケットで買い物、お昼御飯用に焼き肉弁当を買って追分到着。
Kさんの別荘に一晩泊めてもらうことにした。
そこは猫の館。
5匹の猫がケージから出されると、慣れたもので、それぞれの定位置に落ち着いた。
その間Kさんは八面六臂の活躍。
あっという間にお掃除やら猫の立ち入り禁止区域の設定、私の荷物の置き場、食事の用意など、目まぐるしく働いている。
買ってきた焼き肉弁当はとても量が多いので半分夕飯に取っておこうねと話しながら食べていたら、いつの間にか二人ともぺろりと全部平らげてしまった。
空気がおいしい、緑が目にやさしい、音が静か、おなかがいっぱい・・・いつの間にか私は深い眠りに落ちた。
昼寝というものは普段めったにしないのに、いつの間にかすやすやと寝ていたらしい。
目が覚めたらKさんが笑っている。
猫たちが私の手をなめたり、顔に鼻面をつけたりしていたらしい。
たっぷり昼寝をしたのに、夜もぐっすり。
こんなに安眠したのは最近記憶にない。
次の日は追分を後に、浅間方面へ山を登る。
そして森の中の木の皮でできた家に到着。
窓からはどちらを向いても、森。
とくに暖炉わきのソファーに寝そべって見る森は、格別に美しい。
この別荘地は管理が厳しく、木をやたらに切ってはいけない。
森の生態系を壊してはいけないので、動物の飼育にも厳重な取り決めが設けられている。
夕方散歩にでかけると、遠雷が聞こえる。
普段は雷はさほど怖いとは思わないけれど、樹齢何百年の大木が茂る森ではこわい。
去年も森の中で雷でなぎ倒された巨木を見た。
巨大な木が縦に裂けて地面に転がっているのを見たとき、自然への畏怖の念を抱いた。
時々ヴァイオリンを出してキーキーと奏で、時々散歩に出かけ、ご飯をごちそうになり、後の時間はひたすら森を眺めていた。
いくら見ていても飽きがこない。
まるで緑色の深海で漂っているような気分になる。
何十分も何時間もひたすら木を見ていた。
海の底にいるように時間がゆっくり過ぎる。
私はクラゲになって、緑色の海を漂った。
今朝北軽は21度。
午後わが家へ到着したら、30度。
10度近い開きはちときつい。
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