2017年11月14日火曜日

疲れて声も出ない

あの長いモーツァルト「ディヴェルティメントK.563」を聞かされた人たちはさぞ災難だったとお察し申し上げるけれど、逆に私はあまり演奏するチャンスのないこの曲が弾けたということで、実に良かったと思っている。

Y氏を偲ぶ会が帝国ホテルで催され、ご息女のY子さんがすべてを取り仕切った。
もともと有能な方とは知っていたけれど、今回の主催者としての腕を発揮してみごとな采配だったのには、帝国ホテルのスタッフも顔色なしというところだった。
聞けばかつては国際会議などでも辣腕ぶりを発揮していたらしい。
なまじの男では敵わないわけで。

まず軽くワンドリンク、その後私達の演奏が始まった。
演奏後お食事、その後谷康一さんのバンドの演奏とボーカルで盛り上がった。
もちろん私はクラシック音楽以外も好きで、演歌は良いわねと言うと白い目で見られたりするけれど、なぜだかよくわからない。
演歌歌手たちの陰の努力たるや大変なもので、和田アキ子が彼らをバカにしてクソミソにけなすのが非常に不愉快。

話がそれてしまったけれど、谷さんはY子さんのゴルフ仲間。
食事の時にお隣だったので話してみると、たぶんスタジオでお目にかかっていますね、ということになった。
なんとなく見覚えがあるし、私はスタジオミュージシャンのグループに入っていなかったから少ない出会いだとは思うけれど、たしかに何回かはご一緒だったかと思える。
私はテレビの仕事の方が多かったので、彼らが歌手に付いて来れば必ず会っているわけだし。
チェックのシャツを来た4人の男性が、ギター、バンジョーなどを弾きながら歌う。
とても素敵なおじさま達・・・と言っても私より年下。
グスン!最近どこへ行っても1番おねえさん?となってしまった。

大いに盛り上がってお開きとなった。

モーツアルトの長~い曲を聴かされて皆さん退屈であくびを噛み殺していたとは思うけれど、苦労の後にこんな幸せが待っていようとは、思いがけないプレゼントだったでしょう。
モーツァルトは50分くらいかかったらしい。
弾く方は退屈どころではないけれど、聴く方は忍の一字だったかもしれない。
それでも、この曲はあまり演奏されることは少ないから、これを全曲聴けたのは冥途の・・いやいや、この先の人生を明るく照らしてくれるものと信じたい。
私はこの曲を弾いたら思い残すことはないから、大満足。
と、言いながら、もう一つの「ディヴェルティメント17番」をもう一度弾きたいなんて、欲張りですねえ。

私はこの日大事なキーホルダーを失くした。
家をでるときには鍵を締めたのだから、必ず外に持って出たはず。
ホテルではバッグはほとんど開けなかった。
ただ一回、ホテル内のガルガンチュアというお店で水を買った時に財布を出したので、その時になくしたものと思われた。
それでホテルに電話するとキーホルダーの特徴を訊かれたから「猫のキャラクターのダヤン君のキーホルダーです」と言うと、オペレーターの女性が「ああ」
しかし残念なことに「ダヤンくんはありませんでした」と言われた。

ダヤンくんを知っているとは、おぬしできるのう。

あれから2日経って、未だに声も出ないほど疲れた。
3月頃から立て続けてのコンサート。
しかもこの11月は1週間おきの本番。
もう、疲労はピークで、最後は来週の日曜日、水沢でのハイドンのトリオ、ブラームス6重奏曲の第二楽章、それが終わるとやっと休める。
でも水沢から帰った次の日からベートーヴェンのクロイツェル・ソナタの練習が待っている。
自分でもこの年でこんな働いて大丈夫だろうかと思っているけれど、周りはもっと驚いているみたい。
たぶん皆さん心配してくれていると思う。
花火大会で最後に打ち上げ花火やナイヤガラなんかを一度に盛大に上げるのと同じで、これが最後の花火かもしれない。バンバンバ~ンなんて。






















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