2017年11月17日金曜日

東北は雪だと?

まだ11月なのに、今年は雪の便りがそこここに聞かれる。
大好きな雪だし、冬になるとスキーが出来るので張り切る私なのに、今年はひどく疲れて青息吐息。フウ~フウ~と出るのはため息ばかり。
ため息をつくと幸せが逃げていくとよく言うけれど、そんなことはない。
ため息をつくと肩の力が抜けるから、大いにつくほうがよろしい。

よくプラス思考とか言って前向きに生きるほうが賞賛されるけれど、私は後ろ向きでも暗くても、その人に合った生き方ならなんでも良いと思っている。
作家がやたら明るかったら?
芸術家が人の心の暗闇に分け入らなかったら?
引き籠もらなければ精緻な思考はできない。
そもそもプラス思考って?
人の心には寂しさ、卑しさ、悲しさ、悔しさなどが住み着いている。
それを全部排除したら、人は半分以下になってしまうじゃないの。
モーツァルトがあんなに素晴らしいのも、彼はただ明るく輝いているだけのものではないからで、曲の底に言いようのない暗い淵をかかえているからなのだ。

だから暗いことを悪いと言うような学校の指導を見ていると、馬鹿じゃないかと思う。
最近私も歯に衣着せぬようになってきたなあ。
やたら他人を馬鹿馬鹿言うものではないけれど、それは自分を含めてのことだからお許しを。
小学生が明るく大きな声で挨拶をするのを聞くと、もう少し小さな声で言いなさいと言いたくなる。
やたら人なかで大声出すもんじゃありません!
怖いおばさんになる。

えっと!なにか本題から逸れてしまって・・・
そう、東北が雪ということだった。
明日から岩手県奥州市の水沢へ。
只今大風邪ひいて咳が止まらないのに、行って大丈夫だろうか。
少し前なら、大丈夫、場所が変わると風邪なんかなおるのよと言えた。
しかし、今年はひどく疲労が溜まっている。
今年の初めから少しやりすぎた。
春からずっと緊張しっぱなし。

これで肺炎にでもなって救急搬送されたりしたら、はた迷惑。
それでも行くと約束してしまったし、一緒に弾く人たちが待っているし。
彼らは一生懸命練習してあるだろうし。
これがいつでも現場に居なければ成り立たないプレーヤーの宿命なので。
行ったらホテルでゴロゴロして、幸い会場が近いので、練習時間にだけ行けば良い。
今年は前夜祭も打ち上げもパスして、コンビニ弁当で一人寂しくホテルにこもってなんて、意気が揚がらない。

去年一緒に行ってくれた友人が、今年の初秋に亡くなった。
思いもかけなかったけれど、彼女は去年からずっと悪かったみたい。
「来年はもうこないからね」と言ったのは、なにか気に入らなかったからだと思って聞いていたけれど、体調が悪くて覚悟していたのかなあと、今思えばそういうことだったのかもしれない。
だれにも絶対に弱音を吐かない彼女らしい生き方だった。

私は常に弱音を吐く。
グチグチとあれ嫌、ここが辛いと。
親切な人達は本気で心配してくれるけれど、なに、口癖だからほっときゃいいの。
それに比べ、彼女は決して敵に後を見せない。
仕事はいつも完璧だった。
その余り、命削って・・・
愚痴だって弱音だって言ってくれれば、少しはガス抜きになったかもしれないのに。
人は皆、弱虫なんだって思えばよかったのに。
弱いのがいけないって誰が言ったの?

東北のお酒を熱燗で飲んで、美味しい魚があれば風邪も吹き飛ぶかも。
これで雪でもちらついてくれれば、素敵な旅になりそう。























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