2020年2月11日火曜日

コロナウイルスの恐怖

中国で流行り始めた新型肺炎。
私がランスへ行く直前、フランスでも2人の感染者が出たと知った。
本気でツアーのキャンセルも考えた。
まず、このウイルスがどのようなものか、わからないこと。
初めて聞く名前だし、かなり感染力が強いらしい。
ヨーロッパは遠い。
長時間の飛行機の中で、エコノミークラスの狭い座席で隣の人と密着するのは本当に危険であるということなどから、万一自分が感染したら、元々呼吸器系統が弱い私などはイチコロ。

今年はじめ、風邪から咳喘息になり、定期的にステロイドの吸引をしなければいけなくなった。
咳の方は幸い収まったけれど、要観察期間。
それと右足膝とくるぶし、左右の肋骨に痛みがあって、スキーで転ぶと症状が悪化する可能性もあった。
スキーではめったに転ばない。
体力が無い方なので、いつも長時間は滑らないようにしているから、疲れなければかなりの急斜面でも心配はない。
ただ、初めてのヨーロッパでのスキーなので状況がわからないけれど、少なくとも日本よりは滑りやすそうな気がする。

自分が万全でない状態でコロナウイルスの流行の中、長時間乗り物で見知らぬ人たちと密着するのはすごく危険だと思ったけれど、やはり行きたい。
それで飛行機や乗り物の中はマスクを外さないようにした。
幸い、往きも帰りも、乗り物で咳をする人には遭遇しなかった。
私自身も喘息はピタリと収まり、快適な旅ができた。

ヨーロッパスキーに憧れるのは、かつて猪谷千春さんが日本人として初めて冬季オリンピック回転競技で銀メダルをとったときのニュースを、鮮明に覚えているから。
その時の場所がコルチナ・ダンペッツォだった。
そのニュースを聞いた時、私はまだ幼くてスキーを始めていなかったけれど、地名の響きに魅せられた。
ピタリと頭の中に、猪谷選手とコルチナダンペッツォが対になって収まった。

調べたら、1956年のことだった。
猪谷氏は2018年3月の時点でも、日本人唯一の冬季オリンピックアルペンスキーのメダリストだそうな。
現在のことは知らないけれど、それほど日本のアルペンスキーとヨーロッパのそれとのレベルの差があるということなのか。

ヨーロッパで滑るのは長年の私の夢だった。
実現した今、私はすっかり年をとってしまったけれど、ビュンビュンとかっ飛んでくるスキーヤーに混じって、少なくとも最初のうちは同じように滑ることができて大満足!
ゲレンデ自体はとても滑りやすい。
もう一度行きたいので、やっと整形外科を訪れて治療することにした。

久しぶりに病院に行くと医師が、私がここに来るのは4年ぶりだという。
そんなわけ無いでしょう。
最近も来ましたというと、だって30年にきたっきりだよと。
30年って平成ね、今年は令和2年に入ったばかり。
だから30年の12月に来たなら、1年とほんの少しじゃないですか。
先生も年をとった、大丈夫かなあ。
気難しさが消えてニコニコと柔和になって、髪の毛がほぼなくなって。
お互い様。

レントゲン撮影では骨はとてもきれい。
骨粗鬆症でもないけれど、流石に関節の軟骨がすり減っている。
そのうちなんとかしないといけない。

骨はいつも褒められる。
10年ほど前には30代女性の平均に近い骨量だった。
今なら90%くらい?
若い頃追突事故にあって搬送された病院で医師から「女らしいきれいな良い骨ですよ」
なんというお褒めの言葉・・・
褒められるのは骨だけ。

今横浜港で、コロナウイルスのために船に閉じ込められている人たちは本当にお気の毒。
私は乗り物大好きなのに船だけは苦手。
船に乗ったときの油臭いような、モワッとした空気が嫌。
なおさら、あの中での生活がどれほど辛いか想像できる。

長年働いた人がリタイアして、ゆっくりと夫婦や親子で過ごしたいとでかけたかもしれない。
「クルーズに出かけるんですよ」近所の人に自慢したかもしれない。
一生に一度の贅沢をしたいと、大枚はたいた人もいたと思う。
中には若いカップルもいるようで、彼女が泣き出してしまったと男性の言葉。
その後、このカップルの人生はどうなるのかしら。
カップルで狭い船室で顔突き合わせてほころびが出てきたり、なかよしの友人同士が諍いになったりしていないだろうか。
たったひと月足らずで、人生狂わされたかもしれない。
逆に絆が深まるような人もいるかもしれない。
ヴァイオリンの演奏をしていた人もいたけれど、船から降りられず、次の仕事はどうなったかしら?

あんな狭い空間に閉じ込められて、かえってウイルスが増殖して、健康な人でも感染してしまわないだろうか。
なんとか良い方法はないのか。
毎日ニュースを見て心を痛めている。























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