2020年2月8日土曜日

昼夜逆転

時差ボケはほとんど経験がなくて、今まで何も不都合はなかったけれど、今回は全く元に戻らない。
夕飯が済むと眠くなるけれど我慢して起きていると、いつの間にかうたた寝をしている。
ベッドへ入ってすぐに寝入るのはいつものことなのに、午前2時ころ目が覚めると、もういけません。
スッキリと頭は冴えて気分は上々。
しかし世の中は真夜中につき、コソコソと行動する。
水音や湯沸かしの音なども響くような気がして、お茶を飲むにも罪悪感がある。
胃も軽くなって、なんでも食べられそう。
そうなると、なにか一つまみしたくなる。
おいおい、冗談じゃない。
こんな時間に食事とは。

それでも眠くないのにベッドにいるのも馬鹿らしいから、起きて猫と遊ぶ。
猫で良かった。
相手が人間なら怒らせてしまう。
でも考えてみたら、日本にいても最近の自分の睡眠パターンはずっとこれだったなと。

9日間ヨーロッパにいる間は、夜はしっかり眠れた。
寝付きが良いのはどこでも同じだけれど、夜中に目が覚めても、もう一度すぐに眠れた。
昼は気分良く遊んでいた。
食事の時間もちゃんとお腹が空いて、皆に遅れず歩けた。
旅先の緊張感もあるかもしれないけれど、生活のパターンはあちらにいるほうが良かったかもしれない。

今回の旅行中も、ホテルの同室者がびっくりするほど、私はあっという間に寝入る。
私が会話に返事をしなくなったら眠ったと思ってねと、最初に言っておいた。
そのとおりなので相手も気にしなかったようだ。
もう一つ良かったのは、私が目が覚めて動いて相手も起きてしまったときに、その人はすぐに寝てしまう。
相手が神経質だとお互い気にするから、その点は助かった。
知らない同士で部屋を同じくするので、とても気を使うこともある。

結局、日本にいると緊張感がなく、全てに甘えがでるのかもしれない。
ぼんやりしていても済むので、ダラダラと暮らしている。

以前からフランスの田舎は良いと聞いていた。
いつか車で旅したいと思っていたら、その夢が半分くらい叶えられた。
バスの窓から見るフランスの郊外の景色は、イギリスのコツウオルズの景色にも似ていた。
冬枯れで色彩に乏しかったけれど、これはまた良い景色だった。

フランスではフランス語でないと、たとえわかっていてもフランス人は返事もしないと聞いていた。
今回は世界中からスキーヤーが集まるスキー場という条件があったにせよ、英語で十分通じた。
私の怪しげな片言英語が通じて、大変楽しい毎日だった。
犬の散歩をしている人に「柴犬は日本の犬よ」と自慢したり。
ロンドンに行ったときより、会話がはずんだ。
私の乏しい語彙を駆使しての片言の会話は、あちらの人にとっても気が楽だったのかもしれない。
私は全くフランス語ができないから一人で行動できないと思っていたけれど、そんなことはなくて、数回、街なかで道を訊かれるほどだった。
私、地元民では無いのですが・・・
エジプトでも全く通じない言葉で、一人で行動。
これは絶対におすすめしないけれど(大変危険)エジプトと言えばその時のワクワクした気持ちがまっさきに蘇る。

よく世界を一人で旅行して歩く人がいる。
子供の頃私はとてもシャイだった。
いやいや、嘘ではありませんよ。
だから一人旅をする人の話を聞くと、なんて命知らず!なんて思ったけれど、危機感を持って行動すれば、実に楽しいことに気がついた。
五感が研ぎ澄まされて、その時のことが一番印象に残る。
どうすれば生き残れるか、全身全霊で考える。
ちょっと大げさだけれど、非日常の世界に身を置くと世界が色鮮やかに見えてくる。
危険地帯に行こうとは絶対に思わないけれど、多少のハプニングは旅のアクセントになる。

私の友人のノンちゃんも行動派。
彼女は東欧圏の小さな国にも、行きたくなると一人ででかけたそうなのだ。
その時集めたフィギュアなどが北軽井沢の家に飾ってあった。
フィギュア類に興味のない私は、ノンちゃんが亡くなるとすべて捨てて、一部の友人達から大顰蹙を受けた。
なんで他人のことに口を挟むのか、私は理解できない。
形見の品と言っていつまでも物をとっておく人がいる。
品物はその人ではないから、捨ててもその人をないがしろにしたわけではないとは私の理屈。
物にその人の魂が宿るなんて考えるほうがナンセンス。
それなら持ち主が生きているうちに優しくしてあげるほうが良い。

日常の世界に戻って、今はのんびりしているけれど、どうせ又どこぞへと飛んで行きたくなるに違いない。
今回最後のフライトは、フランクフルトから羽田。
ヨーロッパは今回で最後と言ったけれど、30年ほど前にフランクフルトの空港でレンタカーを借りる時、何がなんだかわからず、カウンターの私達の後ろに長い行列ができてしまったことなど懐かしく、もう一度行ってもいいかな?なんてね。
フランクフルトからウイーンまで、ロマンチック街道をひた走ったときのことを思い出した。





















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