2020年10月26日月曜日

鱒シューベルト 仲間たち


面白い動画みつけ「ます」た。
音楽仲間たちと時々面白いと思うヴィデオを回してみたりしていた。とくにコメディアンのダニー・ケイがニューヨークフィルハーモニーと共演した抱腹絶倒のヴィデオは回しているうちに消滅、今頃は誰かの家の棚でホコリまみれになっているかも。その中の一つがこれ。シューベルトの「ます」は何回弾いても難しい。今までどれほど弾いたかわからないけれど、一回として満足できた試しがない。特に4楽章のヴァイオリンのオブリガートは音程が難しい。でもこの動画ではパールマンがお構いなしに音をはずしている。
私が持っていたCDは、外国のあまり名の知られていない演奏家たちのものだった。その難しい音程のところで驚いたことに1オクターブ音を下げて弾いていて仰天したことがある。こんなのあり~?
たぶん録音のディレクターが何回駄目だししてもうまくいかずの苦肉の策だったのではと思うけれど、これでは赤っ恥、多少外れても、元の音域で弾くべきでしょう。
そもそもここは多少の音程など気にしないで弾いたほうがいいのかもしれない。パールマンでさえも外しているからこれでいいのだ!
ヴァイオリンのハイポジションの半音階は特に難しい。なぜなら半音の幅は指の幅より小さい。だからどれほど気をつけても瞬間的に外れる。特に外国人の太い指では指をずらさないと音程が高くなってしまう。彼らは指をずらしながら早いパッセージも弾くのだから神業。
次回この曲をひくときにはのびのびと弾こう。
私の友人が言ったことは、シューベルトは神経質になってはいけない、と。

パールマン、ズッカーマン、デュプレ、メータ、バレンボイムのメンバーでは怖いものなし、特に私はデュプレの才能が素晴らしいと思った。彼女の伝記映画を見て「見なきゃよかった」と暗い気持ちで帰ってきたことがあったけれど、神様は才能を与えると同時に苦難もおまけに付けるらしい。
だいぶ前だけれど、私はメータ率いる「世界オーケストラ」のオファーがきたことがあった。これは世界中のオケマンたちが国境や所属を超えて一緒に演奏する。せっかくのチャンスなのにどうしても外せない仕事があって、涙を飲んだ。曲目はマーラーの5番。未だに悔しくてたまらない。私の演奏経験に花を添えられたのにと歯ぎしり。

それにしてもこの動画のなんと生き生きしていることか。日本人どうしでこんな弾き方したら、叩かれる。これが私のイライラのもと。
でも次回私と「ます」を共演してくれるメンバーはツワモノ揃い。今度こそうまく弾けそうな気がする。





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