2020年10月6日火曜日

用心深すぎて

 コロナ型肺炎が蔓延し始めてから毎日気の休まることがなかった。日本人のコロナに対する恐怖は世界的にも異常に高いそうで、ヨーロッパ人などの40%に比べると70%ほどだという。テレビが恐怖を煽っているというけれど、やはりこの感染拡大の状況を見ると、とても安心なんてしていられない。

それ見たことかとは言わないけれど、あのトランプ大統領も感染して彼はさぞヤキモキしていることと思う。大事な大統領選の最終段階だと言うのに。アメリカではマスクをしない自由というのがあるという。自由であっても、しないのはお馬鹿さん。していれば随分感染率が下がると思えばマスクをするくらいなんでもない。自己主張がすぎるのもなさすぎるのも良くないけれど、やった方が良いというならすればいいじゃない。心が狭い。

コロナを大げさに考えすぎている、熱中症のほうがよほど怖いという人もいるけれど、そもそも感染症と感染しない熱中症を比べること自体間違っている。熱中症は自己管理できる。室内の温度を下げ水分を摂り、過激な運動をしない。自分がかかっても他人にうつすことはない。死亡者数が多いと言っても、それは感染したからではない。だからコロナと比べることはできない。

私は熱中症になりやすく、その上コロナ感染までしたら大変だから極端に用心している。最近は自宅と北軽井沢の往復と食品を買いに近くのスーパーに行くだけの生活。最近外出したことはピアノ合わせで友人宅へいったことと、パヴァロッティの映画を見に行ったことくらい。北軽井沢でも林の中を一人で散歩している。いつもにぎやかに暮らしていた頃が随分昔だったような気がする。しかし、これも中々いいものだと思うようになってきた。

私の人生はトータルすると運がいい。それなりに山あり谷ありだったけれど、希望したことはたいてい叶った。だからコロナに避けて通っていただきたいのだけれど、こればかりはあちらの都合次第。社会に与える影響は凄まじいらしく、今までのつけが経済界にも大損害を与えているという。だから怖い怖いとばかり言っていると活動が妨げられる。それでもGo toキャンペーンは感染拡大の原因になるのではないか、それならもっとゆっくり活動を回復したほうが良いのではないかと思うのは生ぬるい?

今の私は半分引退している状態だけれど、それでも仕事が復活し始めている。お声がかかるとやはりしっぽを振って家から飛び出していく。これもはたから見れば、あんなに用心していたのに元も子も無いではないかとお叱りを受けそうだけれど、とにかくうれしい。本当に仕事が好きなのだと改めて認識した次第。急に生活が生き生きしてきた。

やっと涼しくなって熱中症の危険が少なくなったのが、私にとっては救いとなっている。眠っている間に気分が悪くなって、目が覚めるといつも足が攣って、これも熱中症の症状だと聞いた。始めはコロナにかかってしまったと毎朝思って心配ばかりしていた。マスクをして人との距離を保ち換気をすればある程度防げるなら、そのとおりすればいい。それさえわかれば、それほど怖がらなくてもいいと、最近は開き直れるようになった。今はウイルスと共存しないと仕事もできないなら、トランプさんみたいに頑なに拒否しないで一生涯でもマスクをつけていられる。マスクは顔半分隠れるから、化粧なしでも外が歩ける。といってもお化粧はほとんどしないので変わりはないけれど、少なくともあまり美しくないものを露出しないですむし表情が見られないので助かる。すぐに顔や態度に心が出てしまうので。

人と違って、犬は人が自分のことを好きか嫌いか匂いで分かるらしい。私が犬に好かれるのは、好きだという匂いを出しているから。犬に噛まれる人は、犬が怖いという匂いを出すらしい。人も自分が好きなら向こうも好きだと思ってくれるかと言うと、そうはいかない。人は複雑で匂いだけではすまない。これが人生をややこしくしている。そこが面白いところでもある。


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