2020年10月1日木曜日

大慌て

北軽井沢での生活はのんびり温かい日差しの毎日、コロナ禍を忘れさせてくれる貴重な時間だった。今週半ばからの所用のため帰宅する予定の日、その日の朝帰るか夕方帰るか考えていた。Y子さんと2日ほど前、美味しいプリンの店を見つけ、そこでランチもやっているというのでランチを食べてからでも 遅くはないと、出発は夕方からあとにすることにした。

待ち合わせの時間、先に店に行ったY子さんから電話が入った。店は定休日だったと。それから忙しくあたりのレストランを探したけれど、どうやら北軽井沢では水曜日定休の店が多いようだ。めぼしいお店はどこも休み。そこで毎度おなじみ、浅間牧場へコンビニのお弁当を買ってピクニック。このところずっとピクニック日和が続いている。晴天、微風、浅間が美しい姿を青空に伸びやかに見せている。毎日見ても見飽きない景色の中で食べるのは、コンビニ弁当でも最高のごちそうとなる。

のんびりと過ごして、さて、少し昼寝をしてゆっくり帰ろうかと思っていた。午後3時ころ、携帯に着信があって、相手は救急隊。私の義理の妹が路上で転んで頭を打ったので、すぐに立川の救急医療センターにくるようにと。

この妹は義理の弟の奥さんで、義弟もなくなっていて子供もいない。救急隊は、彼女は一人暮らしで誰に連絡していいかわからないから、携帯のアドレス帳にあった私の番号にかけたという。私にかけられても私は北軽井沢にいるので、そこから帰宅してから病院へ行くとなると5~6時間かかると言うと、とにかく親戚などの承認がないと緊急手術などの治療ができないから来てほしいと言う。ほとほと困った。

帰宅するつもりで荷物はまとめてあったけれど、なんせ猫がいるので病院へ直接行くことはできない。猫を自宅に戻してから病院へ向かうと家からは1時間半以上はかかる。しかし、行くしかないかも。他の親戚は老人ばかり。その子どもたちのことはよく知らないし、連絡先もわからない。とりあえず義理の兄に連絡すると運良く電話がつながって、自分が行くから大丈夫だと請け合ってくれた。しかし、もう80歳を数年超えた義兄が出かけるのは大変なので、私も帰宅次第駆けつけますと言ってとりあえず車を出した。

気がせくときはスピードを抑えて、いつもより慎重を心がける。私は常におっちょこちょいでせっかちなのに、なぜかハンドルを握るとゆったりした気分になって人格が変わる。うしろから追い越しをかけてくる車には進路妨害しないように道を譲る。追い越してから他の車の前に入るときは、後車のライトがバックミラーに写ってからはいる、とまあ、優良運転手の鑑となる。これが実生活ではぜんぜんだめで、怒る、すねる、悪口を言う・・・だから毎日車のハンドルを手にぶら下げていればいいのではないかと思う。ヴァイオリンとハンドルと両手にぶら下げて歩くのは中々見ものではある。ハンドルは精神安定剤。

途中義兄から連絡があって、義妹は集中治療室に入ってしまって会えない状態でなにも出来ないから、来なくてもいい、自分ももう帰るからと言う。

行ってあげたいのは山々だけれど、ホッとした。3時間超えの運転のあとで、これ以上運転するのはいささかきつい。かと言って電車に乗って病院へ行くのも夜になると辛い。命に別状はないらしく、ホッとしたのでドット疲れが出た。猫も私も爆睡して今日は少しぼんやりしている。

考えたのは老人の一人暮らし。今回のことは他人事ではない。私は検診の結果の数値は極めて良好、それでも人並みに膝や足が痛む、頭の中はぐちゃぐちゃ、自分もいつどうなるのかわからない。保険証の裏側に緊急連絡先が書いてあるけれど、近所を歩くときまで保険証を持っているわけではない。そのへんもちゃんとしないといけない。歳を取ると思いがけないことが起きる。自分は大丈夫と思っている事自体があぶないのかもしれない。



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