2021年1月11日月曜日

高齢者を甘やかすな

ここ2,3年悩まされてきた足の問題。 コロナ感染が問題になり始めた去年のちょうど今頃、私は痛い膝と足首とヒビの入った左右の肋骨を抱えてヨーロッパ最高峰のスキー場にでかけた。壮大なスケールと硬い雪に満足して帰ってきたときに日本での感染の様子が心配だったけれど、羽田空港は穏やかで足止めされることもなく無事に帰国した。本当に間一髪、その後入国審査が厳しくなってあわやというところだった。それでも、まさか今のこんな事態になるとは思いもよらないことだった。

一日の感染者が2000人を超えるということは、その数倍の隠れた感染者がいるということ。本当に恐ろしい。自分では気をつけていても周りの人がどうかわからない。自分だっていつの間にか感染しているかもしれない。PCR検査が手軽に受けられないと言うことは本当に国の怠慢なのだ。最初からきちんと検査をしていればこんなに感染拡大しなかったのではと、ずっと思っている。保健所が邪魔をして一般人の検査が難しい、発熱してからでないと検査できないとか、これはすごく変。

お役所というところは自分たちのテリトリーの範囲でないと動かないらしい。口汚く言えば間抜けばかり!毎日罵詈雑言が私の頭の中に渦巻いている。例えば戦場で怪我をした人に、では、カルテを作ってから治療に入りますなんて言うようなもの。大怪我をした人に身分を証明するものはありますか?なんて訊くようなもの。熱が出てからでは遅いのよ。変だなと思ったらすぐに検査をすれば重症化が免れるかもしれない。それを重症にならないと検査する機会がないとは・・・

そんなことで毎日ほとんど外出もしないし会話は猫とだけ。猫はいよいよ甘えん坊になって、私の姿が見えないと夜中でも泣きわめく。これは困った。でも可愛い。猫がいて本当に良かった。猫をもふもふしているとすぐに血圧が下がる、動悸が治まる。

そんな中で私にとっての幸運は、足の具合がメキメキと良くなってきたこと。もうそろそろ3年以上、ひどく転ぶようになってから足をかばって、歩くことも動くことも控えめになってしまった。心の状態も良くなくて鬱々として日々を過ごしてきたら、右足がしびれてきた。寝ていてもだるくて仕方がない。今まで体験したことのないような足の攣り、夜明けに特にひどく、その痛さに呻くほどだった。私はかなり痛みには強いほうだと思っていたけれど、その私でも悲鳴を上げるほどの痛さ。

そのうち階段が縦に降りられなくなりどんどん症状は悪化の一途。かかりつけの病院と大学病院の整形外科では毎回年齢相応の劣化だから仕方がないと痛み止めをくれるだけ。内科で足の血流を検査しても、同年齢よりもずっと良い数値が出る。血流には問題なし。ビタミン剤を処方される。最後の頼みとして足専門の血管クリニックというところに行ったけれど、そこでも他の病院と同じ処方が出されただけ。本当にこのまま病院に通ってもなにも変わらないのなら、自分でなんとかしなくてはいけない。思うに、それぞれの関節部分に痛みがあるということは、そこに老廃物がたまって一種のリュウマチの症状かとも思える。リュウマチの専門病院へ行ってみようと思っていたけれど、試しに足のふくらはぎの筋トレとマッサージをしてみるとかすかに症状が良くなる。毎日続けていたら、O脚が治ってきた。そのうち色々な筋トレで筋肉をつける方からやってみた。

なんと、数ヶ月経過すると足攣りもだるさも軽減、それで今度は足首と膝の関節の周りの筋肉をストレッチ、すると、痛みがだんだんなくなってきて階段が縦に降りられるようになったのが、ここ数日前から。そして今までまともに歩けなくなってきた散歩、5分も歩くと立っていられなかったのが、今はシャキシャキと歩けるようになった。コロナ感染拡大の今、うっかり人混みで咳をしたらいけないから呼吸器内科に行って咳喘息のステロイド吸引薬をもらってきた。

その病院の医師が足はどうかと訊くのでなんとか治したい、このままだと生活が楽しくないからと言ったら先生はウンウンとうなずいているけれど、どのようにしなさいと言うこともなかったので、それならもう自分しか頼る者はないと覚悟を決めた。それから毎日ストレッチと筋トレを自己流で始めた。その結果が良かった。いままで痛めたところはあまり無理して動かすといけないと思ったけれど、覚悟が決まればもう情け容赦なくギュウギュウと筋肉を伸ばす。それから2週間もしないうちに歩行が楽になり、痛みやしびれも消えた。入浴のときに体が温まった頃合いでお湯の中で正座をする。痛くて正座は途中で止まってしまうけれど、浮力があるから楽に座っていられる。始めて数日なのに、時々ちゃんと世座ができるようになった。ヒアルロン酸の注射よりよほどよく効く。

私の欠点は何事もやりすぎる、せっかちだから結果を早く求めすぎること。ゆるゆるとやらないといけないのに、我慢できずやりすぎて何もかも水の泡にする。わかっているけれど、死ななきゃ治らない口。でも今回はどうやらうまくいきそうなので期待している。今月に入ってから今まで途中で何回も休まないと歩けなかった距離があるき通せる。しかも以前のような早足が戻ってきた。有頂天になってまた転んで足首を捻ったら元の木阿弥だけれど、少しばかりつまずいても転ばなくなってきた。足がよくなるにつれ気持ちがどんどん明るくなる。

高齢者は楽をしてはいけない。怪我や疾患があるならともかく、普通の水準の老化ならどんどん動かさないといけない。自分の体を大事にしすぎて寝たきりになったら、夢も希望もない。7才年上の姉は、以前はいつも車で時々大量に買いだめしていた。その頃は足が動かなくて私の家の階段が登れないからと言って、猫の世話を断られてしまった。それが免許証を返納して車に乗れないので毎日少量ずつの買い物をするようになったら、いまや隣の街まで歩いて往復できるようになった。最近は私が車で買い物に連れて行くけれど、それは大きなお世話なのかもしれない。あちらから頼んでくるまでなるべく知らん顔をしている。

姉は北軽井沢に行ったときに車でないと自由に行動できなかったのが悔しいらしく、もう一度運転免許の試験を受けに行こうかなんて言っている。免許取得に制限年齢を作らないと、この姉ならやりかねない。81歳で大学卒業したくらいなのだから。でもほんとうにこの歳で免許が取れるのかなあ。受験資格はあるのかしら。

最近よく行くスーパーマケットはレジのお姉さんたちがとても親切。会計が終わると詰め合わせ場所までかごを運んでくれる。自分でやりたいけれど、意固地に断るのも波風が立つからお礼を言ってやってもらう。本当は自分の腕にまだ筋肉があるうちは自分で運んだほうがいいのだ。ほんとうにだめになったときはお願いしたい。私が今朝、重たいベッドのマットレスをエイヤ!とばかりひっくり返していたのをこの人達は知らないのだ。






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