2025年9月13日土曜日

台風やら洪水など

私の家の前には川が流れてる。春になれば桜並木が風景を一変させる。

その川は用水路で、子供の頃には裸足で入ってドジョウやメダカなどを捕まえたこともあった。流れは緩やかで鯉が泳ぎ鴨が飛来する。殺風景な街の貴重な自然が四季折々の顔を見せてくれる。なのに、今年はもう夏ばっかり!まだ秋と言うには暑すぎる。

用水路は以前は自然のままの土手だったので、毎年台風が来ると氾濫した。近くの家は台風一過、畳を外に干す。そんなことの繰り返しだった。

私の家は少し高いところにあって、他の家が水に浸かってもまるで島のようにのこっていた。それで台風が来ると周りからゴムボートなどで我が家に避難してくる人がたくさんいた。我が家の女子はそのために大きな釜でご飯を炊いておにぎりを作った。援助物資の毛布なども届き、臨時避難所になって、人見知りの激しかった私も近所のおばさんたちの噂話なども小耳に挟む。「あそこの家は何人家族なのに毛布を一枚多く持っていった」などと噂される。幼少期の初めての社会勉強になった。

その用水路の川底に大きな雨水管が通され、やっと氾濫は収まった。やれやれと思っていたけれど、それを脅かすような激しい雨が降った。つい数日前、まだ昼過ぎというのに黒い雲がどんよりと頭上を覆った。あ、これはまずい!駐車場で呑気に空を見上げる猫。危ないからうちにお入り!声をかけても返事もしない。時々ゴロゴロと遠雷がなるのを楽しんでいるような表情で。

そこまでは良かった。そのうちあまりにも激しい雷にびっくりして私は家に入った。その頃になると流石に怖くなったらしく猫はどこかに隠れてしまった。呼んでも出てこられないのだろう。雨の勢いはというと、あたったら頭の天辺に穴が開くのではというほどの勢いで。最近窓を二重にして本当に良かったと思った。激しい音も風も遮ってくれるのでやや安心できる。

こんな激しい雨は初めてというくらいの土砂降りの間、NHKテレビの台風情報を見ていたらわが町の名前が挙がっていた。おや、珍しい、名所旧跡でもなく、取り立ててどうということもない街が一気にテレビに報道されている。しかも家の目の前の川のことが。珍しいものを見るような気でテロップを見つめた。大して心配もしていなかったけれど、雨が小止みになったときに見に行ったらギョギョギョ、なんとスレスレで氾濫を免れていたのだった。

全国放送で一躍有名になったおかげで、友人たちが心配してくれてラインやメッセージが届いた。私は大丈夫ですよ。でも元野良猫だったのんちゃん、どんな修羅場でも乗り越え生き残ってきた彼女にも流石にショックだったようで、嵐が静まった頃帰ってくると私にしがみついてきた。その夜はずっとそばを離れない。よほど怖かったのか。お陰で私は保護者としての地位を認められたらしい。














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