2025年9月21日日曜日

またプロコフィエフ

 今日も大きな荷物と楽器を背負って来たのはHさん。先日プロコフィエフのデュオの1,2楽章を合わせてもらい、今日は3,4楽章の練習に入った。すっかり引退モードに入ってしまった私の救世主、私が現役に戻るための再訓練の片棒担ぎとして大いに役立ってもらっている。ヴァイオリン弾きなんて時間の経つのも忘れ夢中になれる人でないとできないけれど、そういう相手をしてくれる得難い存在なのだ。

少しお疲れのようだ。ものすごく忙しかったらしい。前日ちょっと来るのをためらう風のメールがとどいたけれど、私はやる気満々の気持ちを伝えたらご自身もやる気でいるとの返信。このへんは私の気持ちに無理に合わせたのではないかと少し心配になった。随分仕事がハードらしいから本当は疲れているのではないかしら。

いつも荷物が多くてしかも楽器ケースも重いものを持っている。それなのに更に私へのお土産としてきれいな紅茶用ポットとカップのお土産も持参する力強さ。私とほとんど同じ年なのにこの骨太さはお見事。

練習に入るとふたりとも止まらなくなって約3時間以上ノンストップ。これはもう年齢の限界超えであった。しかし面白い。反射神経テストみたいなリズムと転調へのセンスを問われる音の連続。ツボにはまれば素敵な世界が見える。冷静でいながらユーモラスで知性が勝つかと思えば情緒豊か、透き通るような透明感。これこれこれですよ、私が愛してやまないのは。

少休止のあとも早くひきたいと気がはやる。やっと気が済んで遅い昼食のあとはオーケストラ時代の思い出話しが止まらない。随分疲れたに違いないのに重い荷物を持って帰る姿を見送って、しまった!今日は泊ってもらえばよかったと後悔した。次の日熱を出したのではないかと心配している。

家が遠くてお互い忙しいので、今年はもう無理、来年ねと言うことで再会を楽しみにしている。さあて、来年まで命があるかしら、頭は大丈夫?足が動くかな?

久しぶりにピアノのSさんとトリオを弾くことになった。本番は来月半ば過ぎ。仲間内のコンサートだけれど、そこは優等生のSさんは絶対手を抜かない。私のようにちゃらんぽらんで何でもありというのはお嫌いだから、こちらも真面目そうに振る舞わないと怒られる。もう一緒にはやらないわなんて言われたら大変だから真面目に取り組まないと。

すぐに弾けるのはシューベルトかモーツァルトと言われて大いに迷った。どちらも「すぐに」弾けるものではない。結局モーツァルトになったので大わらわ。モーツァルトって音符はやさしいけれど「すぐに」というものではない。いっそのことシューベルトの方が気が楽かも。チェロはベテランだから私以外のメンバーは心配ないけれど。

すぐに練習に取り掛かると、長いブランクのあとなので音が伸びない。最初の音創りに難航する。プロコフィエフのほうがはるかに弾きやすいのだと、しみじみモーツァルトの難しさに思う。シンプルは敵だあ!

この夏、あまりの暑さに楽器が調子を崩すといけないからレッスン室のエアコンは24時間つけっぱなし。だから楽器のコンディションは変わりなく、私のほうが悪いとわかっているけれど、それにしても良い音が出ない。これからしばらく悪戦苦闘が続くのだろう。終わることのない課題に死ぬまで付き合う覚悟は? できてない!できない!で、嫌い?いえ、大好き。だから困るのよね。

難しいことのほうが面白い。気難しい人のほうが飽きない。猫は気難しいけど可愛い。人はなにを好き好んでわざわざ難しさに立ち向かうのか。
























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