2016年11月11日金曜日

晩秋のたわごと

紅葉も散って、木枯らし1号も吹いて・・・と、少しロマンチックな気分でいようと思ったけれど、我が家の前の桜並木はいまだに葉を残している。
しかも私の家の角にいつの間にか生えていた木は、まだ青々と落葉の気配もない。
この木は今頃になると、わりと大きめの葉がそこいら中に散って、ご近所のひんしゅくを買う。
すみません、すみません、と頭を下げて落ち葉を掃いている。
「もう切っちゃったら」と言われ続けているけれど、せっかく生えてここまで大きくなったのにかわいそうで切ることができない。
お隣さんは治療院をやっていて、この木が邪魔。

駅の方からここを訪れる人は、この木の葉が看板を隠してしまうので、わかりにくいと苦情がくる。
夏、お隣のご主人がノコギリでせっせと枝を切っているところに遭遇すると、しまった!先を越されたかと、ワインなど持ってご挨拶とお詫びに向かうこともある。
うちの木なんだからお隣さんが断りもなく?と思うかもしれないけれど、もうお好きなようにとこちらは低姿勢。
けれど、この木は夏にはベランダの影となって、涼しげにみえるし、秋には小鳥たちがわずかな実を食べにあつまる。
都会のほんのささやかなオアシスとなっている。

近所の嫌われ者だから、本体は枝をどんどん切られ、中央の太い幹だけになっている。
いい環境で生えていれば、さぞ見事な大木となるだろうにと、気の毒に思う。
元気が良いので、春先からどんどん枝が伸びるので、気が気ではない。

その木がまだ紅葉すらせずに葉っぱを落とさないのは、異常に長雨が続き、水分をたっぷりと吸収しているからなのかもしれない。
ということは、人も水分を蓄えておけば、アンチエイジングに繋がるかも?
それほど人体は簡単ではないから、腎臓の負担なども考えると無理かな。

今年はおよそ晩秋という感じのしない11月。
晩秋にブラームスは良く似合うなんて言ったこともあるけれど、今年はブラームスよりはスメタナ。
モルダウが一粒の水滴からどんどん水かさを増して、最後には滔々と流れていく様を思い浮かべるにはこじつけで無理があるけれど、今年の雨の多さはどうしたことか。
今年の8月は日照時間が延べで2日とか。
ナメクジさんが大喜び!
カタツムリさんと腕を組んで喜ぶさまが目に浮かぶ。

元々ナメクジとカタツムリは同種らしい。
一方は殻を脱ぎ、もう一方は家を背負って生きていく、その進化の過程で何があったのか、訊いてみたい。

「話せば長い話になりますが」と、ナメクジが言う。
「私はもともと幸せな家庭に妻と3人の子と暮らしておりまして、ところがバブルがはじけたあのころ、以前の贅沢な生活に慣れた妻が、どんどんサラ金からお金を借りて返却できなくなり、それで家を売って・・」あはは、そんなわけはないけど。
でも人間社会ではありそうな話。

さて、私がブラームスを好きになったのは、中年過ぎてから。
それまでは、ヴァイオリン協奏曲以外の曲は好きではなかった。
なにを聴いてもぐずぐずモジモジ、行くかと思えば又戻り、ウジウジしてじれったいことこの上ない。
これでは、どんなにクララが好きでも受け入れてもらえなかったワケだわ、と納得。
それがある晩秋の日に、ブラームスの弦楽四重奏を聴いていたら、急に胸が締め付けられて、それ以来私はブラームスが大好きになった。
それまでは私の感性が成熟していなかったという事。
私も人生が晩秋に差し掛かって、やっと共鳴できるようになったらしい。

今年は早くも雪の便りが聞こえてスキーヤーとしては嬉しいけれど、気温が下がらないと良い雪はのぞめない。
なんとか早く寒くなりますようにと言うと、袋叩きにされるかも。
スキーシーズンが近いから、晩秋が好きなのかもしれない。
現実的でロマンチックではない理由でごめん!
































4 件のコメント:

  1. あはは面白い!ナメクジさん、ありそうなお話ですねえ。 カタツムリさんが持家なら、ヤドカリは賃貸で住むところ変えているのかな。
    ところでふと思ったんですが、昔と比べて今はTVで音楽番組ないですよね。昔はNHK教育でクラシックよくやってたような。歌謡曲は年末のレコード大賞でも、聞いたことない曲ばかり。 誰もが知っているヒット曲がないって、つまらないですよね。(←たわごとですねえ)

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  2. 私などはお富さんとか、村の一本松?だかで育った口ですから(あはは、古いのなんのって)最近の曲はとんと聞いたことがない。でもそれは嘘。音楽業界の真っただ中にいたので、聴いているはずだけど、覚えられなかったという落ちがつきます。ネットで見かけたのは「俺たちビートルズ世代とか言って気取るなよ、本当は潮来の伊太郎だろう」というコメント。クラシックは今の若者には曲が長すぎるのかもしれませんね。

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  3. nekotama様
    クラシックは、聴き始めて、どのくらいで終わるのか想像つかなくって、長く感じるのだと思います。
    部屋にいいスピーカーをどんと置いて聴くと、クラシックの音って快感なんですけどね。そういうのって都会のアパートとかじゃなかなか難しい。

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  4. 実に古い話ですが、私の子供のころはSPレコードしかなくて、クラシックの曲は何回も途中で切れてかけなおしたものです。あ、これ以上言うと・・・いやいや父から聞いた話で。もう、バレバレですかね。LPになった時に一曲つながったので感激しました・・・と父から、あはは無理かあ。

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