2016年11月30日水曜日

クラス会

高校のクラス会は東京丸の内ビルの36階で、眼下に丸の内周辺から千葉方面まで見渡せる絶景のレストランで開かれた。
良く晴れた穏やかな日が続いているので、外出が苦にならない。
私は嵐雷雪土砂降り、いつでも外出は苦にならないけれど、屋内の行事であってもお天気が良いのは気分が違う。

今日集まったのは全部で9人。
個室にちょうど良い人数で話が自然にできて、とても楽しかった。

前回、私が幹事だった時には同じビルの同じ階で中華料理だったけど、今回はイタリアン。
今回は参加者が少人数だったために、クラス会というより仲良しが集まってのお食事会の雰囲気で、なごやかに進んだ。
クラス会に初めて参加したのは、バレーダンサーのSさん。
バレーダンサーというと女性かと思われるでしょうが、れっきとした男性。

ご両親がバレー教室をやっていたので、彼も幼いころから踊っていたようで、作曲を専攻。
音大卒業後は舞台で踊っていた。
今でも踊っているの?と皆から質問が飛ぶと、今は動かないで済む王様の役で出ているよと、穏やかに笑って答える。
ずいぶん前に、自分はもう踊るのをやめるので見に来てほしいと連絡があったけれど、私はその頃は忙しくて行かれなかった。
ついに一度もステージを見てあげられなくて、残念な思いがある。
どんなにしても、行ってあげればよかったかと後悔している。

しばらくはバレーの話で盛り上がる。
私たちの高校にはダンスの授業があった。
社交ダンスの有名な先生が講師でみえていたけれど、指導の仕方が面白かった。
はい、それでは寮の方を向いてー、はい、今度は大学の方を向いてー、と言うので、寮と大学がないとどちらを向いていいかわからない。
その当時高校の生徒の男女の比率が7(女)対1(男)だから、男性と組めることはめったになかった。
女性同士で組んで、どちらかが男性役になる。
その中でもSさんと組めればラッキー。
リードが上手いから気持ちよく踊れた。
そうでないときには、仲良しのM子さんがパートナー。
彼女は背が高いから、男性の役。
私は当時手の汗がひどくて、それに文句を言いながらも、いつも組んでくれた。
そのM子さんが今回のクラス会の幹事さん。

こうして元気に集まれるのは健康であるからで、中には激務のあまり命を落とした人もいる。
私も一時期は突然死覚悟の仕事量だったこともあり、他人事ではないけれど、生きていられてこそ再会を楽しめるのはありがたい。
私たちの高校は、校風がノンビリしていることで有名だったけれど、社会に出てからの頑張りは皆すごかった。
しかもノンビリが幸いして人間関係が上手くいく。
業界のどこへ行っても、第一線で活躍している人が大勢いる。

中学までは学校は牢獄。
この高校に行って初めて自由な校風に触れて、我が世の春となった。
その後の学校生活は、これ以上ない楽しさ。
競争がなかったとは言えないけれど、それよりも協力しあうほが多くて、それが我が校の誇り。
大きな学長先生が長い両腕を伸ばして、生徒たちを愛おしそうに抱え込む姿をたびたび見かけた。
体格も性格も規格外の大きさ。
学校外では厳しくて有名だったようだけれど、哲学の授業では、真に大切なのは自由であると力を込めて教えられた。

高校には校則も制服も校歌もない。
まったくの自由な中で、自分を律して生きていくことの大切さを学んだ。
私の今の幸せは、この学校に入ったところから始まったと言える。

最近まで私は、クラス会というものに出たことがなかった。
過去の人たちに会ってどうするの?と思っていたけれど、参加してみると中々楽しい。
これは予想していなかった。
どうせダンナや子供の自慢か姑の愚痴とか聞かされると思っていたけれど、そんな人は誰もいなくて本当に良かった。













































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