2016年11月4日金曜日

水沢チェロフェスタは大盛況だから・・・

奥州市でのお楽しみ、チェロフェスタは今年は出演者がひしめき合っているので、我々プロは遠慮して、みたいなことになった。
去年に比べて出演希望者が多く、新潟からもやってくるそうなので時間が足りなくなった。
アマチュアのテリトリーを荒らすのは良くないので、私たちのメンデルスゾーンは大幅にカット。
一楽章のみの演奏になったので、一気に気楽になったけれど、せっかく集まって練習していたので少し残念ではある。

それでも久々に弦楽四重奏曲が弾けたので嬉しい。
せっかくだから、どこかで披露したいので考えた。
我が家での忘年会コンサートに出演しよう。
チェロのT氏は焼酎で釣れば必ず弾いてくれると見た。
ヴィオラさんが予定が入っているとかで、それなら「雪雀連」に強力なヴィオラ弾きがいる。
もう一人のヴァイオリンさんはオーケーだから、これは実現可能とみた。

私たちは長年仕事として演奏をしてきたけれど、心底楽器を演奏するのが好きなので、ずいぶん幸せな人生だったと思う。
仕事はもうほとんどしなくなっても、こうして集まればいつでも演奏できるのが最高の楽しみ。
もはやお金のことは度外視で、隙あらば音が出したい。
まわりの迷惑顧みず、と言ってもまだ立派に演奏家として通用する人たちだから、高いスキルを保っている。
本当のところは、入場料をとらずに聴かせるのは惜しいくらい。
ケチなことは言わないで、自分のために練習のつもりで弾いていると言ったら失礼だけれど、若いころから私の姿勢は変わらない。

時々ひどい条件での演奏依頼が舞い込んでくることもあった。
恐ろしく安いギャラだったり、とんでもなくへんてこりんな仕事が。
最低限の線はまもったけれど、心情的に共鳴するものがあれば、お引き受けした。
それに私はなんでも面白いことに目がない。
変わった条件なら飛びつく。
一度ワインの宣伝のためのパーティーに行った。
条件はもちろんギャラのほかに、ワイン飲み放題!
休憩時間に美味しく飲んで、さて楽器を構えたら、弓がどうしても弦の上に乗らない。
それ以来、そういう条件の仕事でも絶対禁酒を自分に課している。
ボランティアであれば、それはそれでもかまわない。
そのかわり自分の勉強にと、好きな曲を弾かせてもらったりもした。

高額のギャラをいただくときもあるけれど、その時の演奏姿勢と安い仕事の姿勢とは全く変えないようにした。
というか、弾き始めるとそんなことはどうでもよくなる。
とにかくちゃんと演奏しようと思う。

時にはコンディションが悪く思うようにいかなかったときには、みじめな気分になった。
オーケストラの仲間の言った言葉が忘れられない。
「俺たちはステージが終わると、ある時は王様の気分、ある時は乞食以下だよな」
上手くいかなかったときには、涙が出た。
大好きなクラリネット奏者の北爪先生は、いつもコンサートが終わると、「あ~あ、又音がひっくり返っちゃった」なんて溜息ついていたっけ。

どんな安い仕事もどんな高い仕事も、仕事にはかわりない。
ありがたく弾かせていただいた。
この積み重ねが、未だに声をかけていただけることに繋がっている。

今回はお遊びでと思っていたけれど、それでも真剣に練習をする。
4人とも(くそ)真面目。
全然手抜きなし。
けれど、時間が足りないとあれば、しゃしゃり出る気はない。
ちょっと混ぜてもらって、少しだけ弾いて楽しもう。

時間もたっぷりあるし、帰りにレンタカーで観光するのも楽しみの一つ。
もう雪の便りが聞こえてくるので、それだけが唯一の心配だけれど、東北の秋は本当にきれい。
去年は平泉を中心に中尊寺、毛越寺、厳美渓などを回った。
今回は一関の周辺、猊鼻渓の川下り(おお、寒そう)とか岩手サファリパークとか花と泉の公園とか。
今年は紅葉が遅れているから、あわよくば、見事に燃えるような山々がみられるかもしれない。
お天気が良いといいけれど。













































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