2017年5月3日水曜日

浮世離れⅡ

山での暮らしは私を益々浮世離れの人間にするようだ。

昨日帰宅したら、自動車税を払えとの有り難い通知が待っていた。
これで今年は何件の税金支払いがあったのか。
このままでいくと税金を払うことしかできなくなって、私は飢え死にだわ。
仕事を放りだした報いはきっといつかやってくるに違いない。
なに、すっからかんになったらそれまで。
野良猫という手があるさ。

さっそく税金の支払いに出かけた。
私はことお金に関することにはやけに潔癖で、支払うべきものは即支払う主義。
一時一銭たりとも借りたくはない。
よく借金をしても平気で返さない人がいる。
ああいうのって、ひどい便秘に悩まされないだろうか。
私はあんな物がお腹に溜まっていたら、気持ちが悪くて2日ともたない。

それで今朝ノコノコ支払いに出かけた。
郵便局(今はそう言わないけれど)に行くとシャッターが閉まっていた。
あら、今日は日曜日でもないのに・・・確か生ごみ捨てたよね。

しばらく頭の中で計算する。
たしか2日に山を下りて、火曜日だった。
今日は?3日、ああ、休日だわ。
いったい何の日でしたっけ?
思い出せない。

歩いているのは子供を連れた若夫婦、孫と一緒のおじいちゃんたち、犬と嬉しそうに散歩している飼い主さんたち。
若いカップルが、一つのスマホの画面をのぞき込んでいる。
顔を寄せる距離からして、まだ付き合い始めたばかりかな?などと、おばさんは考える。
郵便局に振られたので、私も公園を散歩をすることにした。
木々は柔らかい新芽から少し濃い緑に変わるころ。
公園中が活気にあふれている。

近所のこの公園は、そばに病院があるので救急車がひっきりなしに通る。
スケートボード、自転車などのテクニックを磨く人たちもいて、見ていると面白い。
もう少し若ければ私もやってみたかった。
特に自転車のスーパーテクニックは、よくYouTubeで楽しんでいる。
若い男の子だったら、もし私に男の子がいたら絶対やらせてみたいと思うことの一つなんだけど。
スキーが出来てピアノが弾けて自転車乗りが上手くて、やさしい男の子だったら、猫っ可愛がりだわね。
残念ながら猫しか飼ったことがないというのは、私の人生の一つの瑕疵。
なにもかも手に入れることはできない。
手に入れられないじれったさも、人生の彩になる。

散歩から帰ったら楽譜が届いていた。
ショスタコーヴィッチ「2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品」
先日花房晴美さんのコンサートで、徳永次男、木野雅之さんが弾いた曲を面白いなと思っていたら、早速弾く機会が巡ってきた。

ショスタコーヴィッチをガクタイはショスタコと省略して言う。
ある時シンフォニーの楽譜に書き込みを見つけた。
塩酢蛸。
ガクタイはいつもふざける。
今どきの人たちはしないと思うけれど、昔のガクタイはどうしようもないいたずらが多かった。
私がやったささやかないたずらは、夜中の高松の商店街のアーケードで、薬局の脇にしまってあったケロヨン人形を道路の真ん中まで引っ張り出して、郵便ポストの上に乗った仲間が万歳三唱、みんなでリンゴを齧っていたら知らない人がいつの間にか交じっていて、リンゴをふるまってあげた・・・ささやかでしょう?
次の朝、高松港からフェリーに乗って岡山まで帰った仲間の一人が、そのあと自殺したことが、おまけについたけれど。
あんなに楽しそうに一緒に笑っていたのに。

体はこういう様々な喜怒哀楽を取りまとめる入れ物だから、なにがあっても自分で壊してはいけない・・・私はそう思う。
































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