2015年9月24日木曜日

古典音楽協会第151回定期演奏会

最近ソプラノの嶺貞子さんの、モーツァルトアリア集のCDが出た。
嶺さんは、イタリア政府から勲章をいただくほどの名ソプラノ。
数年前までは毎回定期演奏会の華として、出演されていた。
その透き通るような美声と輝く音楽性は、私たちを魅了し続けた。
1980年代に録音された珠玉のアリア集。
今からほぼ30数年前の録音で、私も伴奏を弾いている。

この頃は私はまだメンバーでは無く、当時のヴィオラ奏者伊藤正さんに誘われて、エキストラとしての参加。
その後指揮の三瓶十郎氏が亡くなって、「古典」再建のときから正式にメンバーに加わることになった。
その当時はヴィオラ奏者として、その後ヴァイオリンのメンバーが海外留学に行ってしまってヴァイオリンに欠員が出来たために、ヴァイオリンに移動。
それからずっとコンサートマスターの角道さんの横で、彼の足を引っ張り続けているというわけで。

「古典」に初めて参加した時、なんと物静かな人達なのだろうと思った。
練習中ほとんど誰の声もきかない。
その頃は三瓶先生の体力はほとんど燃え尽きていたようだけれど、最後の力を振り絞って指揮をなさった。
舞台裏の通路を自力で歩く事ができなくて、両脇を2人の男性に支えられて移動していた。
それでも指揮台に立つと、何事も無いかのように指揮をなさる。
魂の存在が感じられる瞬間だった。

その後「古典」のメンバーは、本来お茶目で笑い上戸であることが判明。
それから30年以上、本当に楽しい時間を共にしてきた。
皆一緒に年をとり、目が見えない、頭が惚けたと言いながらの定期。

今日も沢山のお客様が、東京文化会館小ホールに足を運んでくださった。
回を追う毎に聴衆が増えるという、有り難い現象が起きて居る。

今回は「楽しいバロックの名曲」のタイトル。
皆さんよくご存じの名曲が並び、演奏するほうもとても楽しいけれど、目が良く見えなくなってからのステージは緊張の連続。
最初の曲は、テレマン「古代人と現代人」というタイトルの曲。
ドイツ人の昔と今とか、スエーデン人の昔と今などの曲がある中で、何故か最後の曲が「年老いた女達」となっている。
半音階の下降形から始まるのは、ため息の表現らしい。
足も弱ってヨロヨロと消えるように去って行く。
この曲が一番上手いと、若手からの評判。
なにさ、貴方たちだってそのうちにこうなるのよ。
古代人と現代人の中にこんな冗談をいれるなんて、テレマンはたいそう面白い人だったみたい。
そう言えば私もパソコンでしょっちゅう失敗して、原始人だという評判もあるけれど。

今回も満員のお客様。
毎回暖かい拍手を頂けるのも、私たちがどこまで頑張れるかという瀬戸際での激励の拍手と思い、もう少し頑張ってみます。

嶺さんのCDはフォンテック、FOCD9679。
ぜひお聴き下さい。















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