2019年11月11日月曜日

冬支度

北軽井沢に来ています。
山に来るのはたぶん今年最後。
地元の人達に言わせれば、この先水抜きとやらをしないと水道管が破裂しておおごとになると。
でも私は冬も来たいの。
冬に来たらどうすればいいの?というと、さあ?と言わんばかりに首をかしげる。
だって、地元の人達は暮らしているわけだし、この狭い日本、冬はだめと言われたらどこにも安住の地はないでしょうが。

地元の人は自分たちと外来種を完璧に分けているようだ。
自分たちはここの人間だからだいじょうぶ。
それに引き換えあんたらは石油ファンヒーターの点けかたも知らない。
ヒーターが点かないと言って呼び出される我々の身にもなってほしい。
あはは、わるいわるい、でも私はどこに行ってもこうなんだから。
とお互いに胸の内での会話。
スタッドレスタイヤに履き替えて、4輪駆動に切り替えられる車を選んで、張り切って来たのに、冬は来ないほうが良いと言わんばかり。
迷惑なんでしょうね。
でもそんなこと言ってたら、新しい人は来ないし新しい風は吹かない。

今日は昼過ぎ、ペコペコのお腹を抱えて山道を登ってきた。
紅葉を愛でるつもりだったのに、山の上は紅葉どころかあらかた葉が散ってしまっている。
けれど、わずかに残った葉と時々赤く色づいた木を見るだけで十分美しい。

夕方散歩にでかけた。
もう薄暗くなってきたので、短い散歩になった。
9月に一人できたときには、この森に人影はまったくなかった。
夏休みが終わって一斉に引き上げていったらしい。
いつも停まっている車や常住しているはずの人の家にも明かりがない。
全く私一人でこの森を独占していたけれど、今回は数軒の家に明かりが灯っていた。
皆、冬のために水抜きに来たのかもしれない。

今回は7歳年上の姉と一緒。
姉いわく、私は最近年寄りに見えるらしくて、電車で必ず席を譲られるのよ。
見えるらしくではない、本当にとしよりなんだからね。
全く自覚がないようだ。

姉もニックネームはノンちゃん。
ノンちゃんの家に別のノンちゃんがいるのもなにかのご縁。

夏の間あんなに広がっていた木の葉がすっかり散って、青空が見える。
夜の星もよく見えるかしらねと言っていた姉は、散歩から帰ってお風呂に入ると、たちまち眠ってしまった。
今一人で風呂上がりのハイボールを楽しんでいる。
おいしい!
自宅に帰ったらその後は修羅場が待っている。

12月1日のクロイツェル・ソナタは私の最後のクロイツェルになると思う。
もうこの先演奏できるような、生易しい曲ではない。
寂しいようなホッとするような。
来年はこの森で静かに暮らそう、と思っていたら、来年の弦楽アンサンブルの合宿は北軽井沢にしましたと、生徒から告げられた。
静謐の安住の地は若者たちの元気さで、興奮の坩堝となる。
練習が終わったら先生の家で宴会です、と。
何じゃそれは。
家主に相談無しで決めるなー。
その上、来年の水沢でのコンサートは私の最愛のモーツアルトの曲になりそうで。
勝手に決めないで、私は弾けるかどうかわからないと言っているのに、メンバーは次々決まっていく。

この子達は年を取ると,どうなるのかわかっていない。
もっとも私も若い頃はそうだったので、彼らの気持ちをありがたいと思う。
















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