2019年11月15日金曜日

軽井沢

軽井沢に住むチワワのスミレコちゃんとその飼主Yさんと、朝食の約束をした。
エロイーズ・カニングハムさんの別荘跡にあるエロイーズ・カフェの朝食は私達のお気に入り。
ほかではお目にかかれないような美味しい朝食が食べられるので朝から行列が出来て、90分待ちなどはザラのお店。
到着すると、いつもの行列がない。

このカフェのサロンでコンサートをしたいという目論見があったのに実現できないのは、街の条例に引っかかっているからだという。
たぶんあまりにも流行っている店にやっかみ半分、近隣の住人の苦情等が重なって、問題が起きているらしい。
車が列をなして、でも観光客で成り立っているこの地で、それは避けられないと思う。

だいたい、今どきの軽井沢でシーズン中静かに過ごせないのはわかっているはず。
その人気の秘密はやはり、素敵なお店がたくさんあるし、このカフェのような美味しい朝食にありつけるからだし。
静かなのが良ければ、北軽井沢はうってつけ。
こちらにいらっしゃい。
キャベツ畑とのんびりした住人と、だれもいない森。

それで朝食にあぶれた私達は別のお店でフレンチトーストにありついた。
軽井沢で親類縁者にお歳暮を送りたいという姉のために、Yさんの案内で漬物のお店に行った。
Yさんの顔は広い。
フレンドリーな女主人、そのお兄さんの経営する漬物店は大はやりのお店で、バスで買い物客が来るらしい。
店に入った途端にお茶をごちそうになり、そこらへんのものは何を食べてもいいらしく、試食品がいくらでも出てくる。
その上、売り物ではない煮物とか果物とかまで。
こんな事して商売になるのかしらと心配になるくらい。
店のものをほぼ食い尽くし(それほどでもないか)お土産を買う。

軽井沢駅近くのブティックに私に似合う服があるからと、Yさんに連行された。
私は別に服を買う予定もないし欲しくもないから断ったけれど、Yさんのお仲間の人たちの全員一致で私に似合うということに決まったらしい。
冬支度のために店じまいの準備をしているお店を、無理やり開けてもらったのはYさん。
彼女の顔はここでもなんでも実現する「開けゴマ」らしい。
私はもとより警戒態勢。
プリーツ加工?私は超絶プリーツが似合わない。

手にとってもまだ疑心暗鬼。
でも閉めかけていた店をわざわざ開けてくれた店主に免じて着てみるか。
試着したら、これがなんと素敵なんだわ。
小さなカジュアルなコンサートなら十分使える。
プリーツだから体型の欠点をすべて隠してくれる。
身長だけは大きくはならないけれど、それもハイヒールを履けばグッド!
くしゃくしゃにして持ち運んでもシワにならないうえに軽い。
色は大好きなブルー基調で、値引きの他にアクセサリーとショールまでおまけが付いた。

商売としては、来年まで持ち越すよりはこの際売ってしまったほうが良いのかもしれない。
店主は流行りのないものだから、来年でも売れると強気なのだけれど。
これは役に立ちそうな買い物になった。
今まで、他人から勧められるものはその後役に立ったものが多い。
ほんとに皆さん大きなお世話と思ってごめんなさい。
この次から嫌というほど皆さんにお目にかかるときに着て行くわね。
これ一枚しか着るものがないと思われるくらいに。

お蕎麦を食べてもう一軒お土産を買って、北軽井沢に戻ると、前日よりもさらに灯りの点いた家が増えている。
森の中は静かでいいけれど、一軒も人の居ないのは寂しい。
こうして近所に人が来ていると、とても安心感がある。
クリスマスが来たみたいで、木々の間からの灯りを眺めた。

水抜きは16日、電源も落とす。
これで今年はもう来ないというのもつまらないから12月にもう一度行ければと思うけれど、猫をつれて、寒さの中を出かけるのも億劫で。
年取ったなあ、私も。
Yさんに言わせればこれは言ってはいけないセリフらしい。
「もう」とか「年だから」とかいうと、老いが促進されてボケるらしい。
私はそう言わなくても子供の時からの天然ボケだから、大いに言ってだいじょうぶ。
子供に還って周りに迷惑をかけても許されるのではないかと思っている。


















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