2020年3月10日火曜日

セコすぎる

どこぞの県会議員が、自分が社長を務める会社のマスクの在庫品を売って大儲けしたと言う話。
自分では目端がきくとと思ったに違いない。
まさかこんなに世の中から叩かれるとは!
商売とはそうしたものだから、この人は普通のときだったらお金儲けの上手な人といわれたかも。
災害につけこんで大金持ちになるには、他人の不幸なんぞ気にもとめない神経が必要なのだ。
マスクがなくて困りきっている医療関係者がいるのは、連日報道されているというのに。

自分の頭脳を駆使してお金儲けをするのとは明らかに違う。
頭脳派は称賛される。
いや、彼だってなけなしの脳みそを働かせてだから、同じことと言える。
でも、この人はあまりにも無神経、人でなしすぎる。
沢山の在庫を抱えていたのだから、通常よりもほんの少し上乗せして売っても、かなりの利益になる。
それだけでも感謝されたのに。
そこで止めておけばよかったのに。
それよりも、ここで大量に医療関係者に寄付でもしておけば、将来の議員生活安泰だったのに。
ずっと感謝されて地域から称賛されていたのに。
目先の利益に目がくらんで一生、せこい議員、人でなしなどというレッテルがついてまわると思う。
本人はなぜなのかわかっていないらしい。

後出しで、どこかへ寄付してもらったという感謝状を出してきた。
これだって眉唾。
社長を辞任したって?
議員を辞任じゃないの?
社長はいいのよ、自社の利益のために動いたのだから辞任する必要なし。
それよりも、県民のために働かなくてはいけない人が、こんな人ではねえ。
人として恥ずかしい。
人品骨柄も卑しく見える。

たぶん本人は少しも分かっていない。
そのことが怒りに拍車をかける。
僕悪くないもん。
そう、本当にあなたは悪くはない。
でもね、なんと言って説明するか・・・私にはわからない。

人というのは・・・と偉そうに言わせてもらう。
他人の痛みや悲しさや苦しさがわかってこそ人になる。
「ずるい」あ、これこれ。
ずるいことをするやつはゆるせない。
私の他人に対する許容範囲は広い。
怒りっぽい、頑固、気難しい、偏屈などは許せるけれど、ずるいのだけは本気で嫌。
人の見ていないところでズルをする人間がいる。

私がまだ若かったころ、友人の家族3組と一緒に海の家に行った。
子供は男の子が数人と少し年上の6年生くらいの女の子。
その女の子は、大人や子どもたち全員から、ちやほやされていた。
顔が可愛いし大人の言うことを素直にきく。
でも私はその子があまり好きでなかった。
それを敏感に察したかのように、その子も私を無視する。
なぜか理由がわからなかった。

さんざん遊んで夜、布団を敷くのは子どもたちの役目になった。
せっせと働く子どもたち。
大人たちは別室で宴会の用意。
大人の姿が消えたとたん、それまで率先して働いていた女の子がすぐに仕事をやめた。
知らん顔して本を読み始め、幼い男の子たちだけが働いていた。
私が見ていることに気がついた女の子の顔が醜く歪んだ。
標準以上の美人なのに。
この子は幸せになれないなと私はその時思ったけれど、その後のことは知らない。

ちなみに、紀伊国屋文左衛門さん。
この人も相当ひどい。
まず、みかん伝説。
紀州でみかんが豊作だった年、江戸は嵐が多く船が出せない。
それに目をつけた文左衛門、荒くれ男を雇いボロ船を修理して嵐を乗り越えて江戸にみかんを送った。
みかんは飛ぶように売れ、この快挙で江戸で大人気!
そこまではいい。

その先の話。
大阪で疫病が流行っていると聞いた文左衛門。
江戸で大量の塩鮭を買い込み、大阪に行くと「塩鮭が疫病に効く」と噂を流す。
結果、塩鮭は飛ぶように売れた。
これなんかひどい話だと思うのに、大金持ちになってしまえば成功談として称賛される。
もっとも紀伊国屋文左衛門も伝説の人で、真偽の程はわからないらしい。

今、ネットで流されるデマに踊らされる私達、時代が変わっても人ってなんだかなあと、ため息が出る。
県会議員殿、もう少しやることが大きかったら、それは善と言われる。
やることがセコすぎたね。
だったら謝罪会見なんかしなければいい。
俺のやったことのどこが悪いと開き直れないところが、ますますセコい。


















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