2020年3月13日金曜日

お花見中止

涙、涙の物語。
ずーっと、ずーっと、毎年必ずやっていた我が家のお花見。
今年は断腸の思いで中止しました。
なんと大げさなと思われるかもしれないけれど、どんなに忙しくてもこの季節にはみなさんが待っていると思うから準備をしてきた。

1月、スキーシーズンになるとホテルでの夕飯のときに、なんとなく日が決まる。
そうだねえ、今年は開花が早そうだからこのあたりでと、様子見しながら。
今月21日に決まったので、献立を考えた。
今年は久しぶりにおでんにしよう。
一人で作るのは大変だから、調布に住んでいるHさんに助けを求めた。
彼女は周りにまだ新鮮な野菜が手に入る環境にいるらしく、いつもとれたての枝豆を茹でてきてくれる。
今回は大根を用意してもらおうと思っていた。

なぜおでんと思ったかと言うと、以前大量におでんを煮た時の寸胴鍋が見つかったから。
天袋から引きずり下ろすと、私にしてはきれいに磨かれている。
ほほう、こんな鍋があるならもう一度おでんも悪くないな。
築地で買い込んだ牛すじ肉が冷凍されている。
あれを使って出汁をとろう。
すじ肉を解凍してネギや生姜を入れて温めようとおもったら、IHヒーターでは反応しない。
私はすごく世の中のことに疎いから、金物はなんでもIHヒーターOKだと思っていた。
でも錫はだめなのだそうで、大量のすじ肉と野菜、たっぷりの水の入った重たい鍋は
知らん顔。
ことりとも言わない。
大きな鍋は家ではこれ一つしか無い。
それでHさんに大きな鍋はないかと訊いたところ、彼女が大根を煮てくれることになった。
はんぺんやちくわなどは前日に彼女の家に届けることになった。

毎日祈るような気持ちでコロナ収束を待つ。
一向にその気配はなく、1週間前の今日、皆さんに中止のお知らせをした。
花見の会場となる我が家のレッスン室は、20人も入ればぎゅうぎゅう詰め。
今回は15人の予定だったけれど、いわゆる濃厚接触になると思う。
いくらアルコールでもお酒では消毒できないらしい。
こんなところで酔っ払って気が大きくなって「コロナがどうした!」などと怪気炎を上げて騒ぐ目の前が桜並木の道筋で、人々がそぞろ歩き。
またあの家でと、世間の評判はますます悪くなる。

評判が悪いのは今更のことだけれど、メンバーの年齢が一般社会の平均年齢よりも遥かに上回る。
ただでさえ、コロナがなくてもあぶないのに、この上なにかあったら私はお陽さまに顔向けできない。
それで昨日まで悶々として考えていたけれど、あと1週間でコロナがいなくなる気配もないから、やむなく中止とすることにした。

消毒用の石鹸、除菌ティッシュ、なぜかコロナの報道が始まった今年初めに買ったものが今役立つとおもった。
準備万端、冷凍庫にはローストチキンやキッシュやら、ぎっしりとストックされている。
来週はじめにはワインも届く。
この家には私一人と猫一匹。
食料の在庫を見て、こんな小家族だとは誰も思わないかも。
これなら夏まで保つかもしれない。

なにもかも我慢の時だから、仕方がない。
それならコロナ終了タイムには盛大にお花見兼バーベキューでもしよう。
皆さんに北軽井沢まで来てもらうのも悪くない。
戸外だったらコロナも風で飛んでいくに違いない。

オリンピックが中止とか延期とか騒がれている。
いっそのことオリンピックなんてやめちゃえば?
こんな事言うと非国民と罵られ石をぶつけられる。
本当のところ、私はスポーツ競技を見る趣味がない。
今回のオリンピックだって、森元首相が大儲けしているだけで、なにもあんな立派な競技場作らなくてもと思う。
前回のブラジルの、普通の競技場のほうがよほど良い。
日本は今や経済小国になり下がったのだから、もっと簡素にすればいいのに、国民の金はどう使ってもいいと思っている輩が、湯水のように使っている。
もはや、オリンピックは醜い金儲けのるつぼのように見えて不愉快。

それよりも、今回のコロナ不況で困る人達に回したら?
でも、フリーランス4100円の援助とは。
所属する組織がないと随分馬鹿にされるのも日本の特質。
私は少しだけでもオーケストラ団員だったことで、キャリアが救われているけれど。
日本ではフリーランスはクズだとでも思っているのかしら。
社会的な保証もない人達こそ援助してほしい。
ニューヨークに長くいた友人が、アメリカではフリーはとても尊敬されるのよと言った。
私がオーケストラをやめてフリーになったとき、カードを作れなかったことがあって愚痴ったらそう言われた。
フリーでお金がもらえるのは大変なことなのだ。

中止が重なって自宅に籠もっているのも悪くはないが、話し相手がほしいなあ。
猫はゴロニャゴロニャと言うばかり。
あーあ、退屈じゃ。






















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