2020年3月11日水曜日

あしからず

一昨年からずっと続いていた足の痛み。
寝ていても時々痺れや痛みが激しくて、目が覚める。
その頃、体の軸がずれている感じがして、普通に歩いていてもよろよろと右左に揺れる。
自分の影を見ていると、ヒョコタンヒョコタン。
少しの段差でも足を引っ掛けて転ぶ、等々。
あるときなど、信号待ちで立ち止まったら、そのままズルリと崩折れて口のあたりを擦りむいた。
筋肉が全くなくなったような虚脱感。
このまま、車椅子かと思うほどの無筋力状態。
階段の最初の一歩が登れない。
手すりに捕まって腕の力で体を持ち上げる。
バスタブから出られない。
年には勝てないと本気で思った。

最近になってやっとそんな状態から抜け出せるパワーが出てきた。
一時期、私はやはりうつ状態だったものと見える。
それでも日常のルーティーンはやめないように維持してきた。
一度さぼると、もう這い上がれない
もともとの性格が根あかだからこれで収まった。
うつから抜け出られず、外出もできない人がたくさんいるに違いない。
幸い私は猫がいる。
動物の持つ癒やしの力は、どんな高価な薬にも勝る。

ずっと治療をする気力もなかったけれど、やっと治療の第一歩を踏み出した。
去年暮に健康診断を受けた。
すべて標準内の値が出た。
内視鏡検査、ピロリ菌検査も真っ白。
それなら検査受けなくても良かった。
ここ数年そう言いながら検査をサボっていたけれど、次回もサボる口実ができた。

年末に風邪をひいて、その後咳が止まらない。
フランスに行くことになっていたので、これはまずい。
咳喘息の治療を始めた。
その病院で見つけた足梗塞の病名。
足の痛みや痺れは血管のつまりから来るかもしれないというので、医師に相談したところ、検査をしようということになった。

今朝、この季節には考えられないほどの暖かさ。
気温はぐんぐん上がる。
これでは陽気に誘われてジジババが沢山病院へ押しかけるかと思ったら、待合室はガラガラだった。
ここもコロナ不景気。
いつもは予約していても長時間待たされるほど混んでいるのに、今日は4人ほどしかいない。
これはどうしたことか。

この病院に関して風評被害的な噂でも流れたか。
私はそんなことは気にしないので、空いているのはありがたい。
コロナが怖くて他の病気の治療が受けられないとか?
血管の柔軟性の検査が足梗塞検査の実態だった。
なんだ、それなら健康診断でやったばかり。
ここ2ヶ月余りの間に、食生活も運動量もかなり改善したので、数値は更に良くなったと予想した。
検査の結果、血管年齢はなんと!20歳も若い。
医師が検査結果を見て叫んだ。
えーと、血管年齢は?・・え?若い!若い!若い
声が徐々にクレッシェンド。
これは血管のせいではないようですね。
あるいは神経に依る症状かもしれないので薬をためしてみましょうというので、今日から新しい薬の治療がはじまった。
ひと月飲んで効き目がなければCT検査をということで、今日は明るい日差しの中を隣町から歩いて帰ってきた。
少し右足くるぶしが痛む。でも甘やかさない。

最近は歩きかたも以前のように早くなってきた。
階段の一段目も手すりなしで上がれるようになった。
コンサートの中止が続いて気落ちしたので、この2日間ヴァイオリンを弾いていない。
帰ったら練習しようと思っていたら、くたびれて途中でチョコレートパフェを食べて、そうしたら小難しいバッハの無伴奏なんか弾く気にならなくなってまたサボってしまった。
やはり土壇場にならないと練習をしない悪い性格だけは健在なのだ。

検査が終わってから立ち寄る店ごとに手の消毒。
家に帰っても手洗いばかり。
ふと考えたのは、こんなに手を消毒していいものなのか。
手の平にいる良い常在菌がいなくなったら、体を守ってくれるものがなくなる。
原始人の私は考えると、そのほうが怖くなる。
私が普段丈夫なのは、あまり神経質ではないからではないかと思う。


























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