2015年10月13日火曜日

第9回八ヶ岳音楽祭

大忙しの3日間が終了。
音楽祭の最後の演奏が終って、真っ暗な夜道を北軽までひた走る。
松茸ご飯が待っている。
まつたけまつたけと呪文を唱えながら、かすむ目を必死で見開いてなんとかたどり着くと、美味しいおでん、ワカサギの南蛮漬け、お刺身や漬け物、そして圧巻は豪快な壺入り焼酎が一升、でんとテーブルに鎮座。
聴きに来てくれたこの家の住人2人とお隣のノンちゃん。
先に車で帰っていて、ご馳走を並べて置いてくれた。
そしてこの夏「ルオムの森」のコンサートでお世話になった、オーナー夫人のAさんも加わって、女性5人での楽しい宴会。

焼酎で乾杯。
3日間の重労働の後は、五臓六腑に染み渡る美味しさ。
あ~、疲れた。

3日前北軽井沢から練習場所でもある北杜市の宿泊施設に到着。
午後から練習が始まった。
ほんの少しの休憩時間と、夕食を食べた後にも練習が待ち構えていて、一日目は暮れた。
2日目は朝9時半から練習開始、昼食を挟んで又練習、夕食が終ると本番の会場である「やまびこホール」へ移動して練習。
結局その日は午前9時30分から夜の9時48分まで、みっちりと練習漬けの1日。
もうダメ!こんなに弾いたら明日は使い物にならない。
そして本番当日、朝9時半、会場での総仕上げ。
昼食の後、午後2時開演。
会場の気持ちの良い響きと、演奏者の熱気が相まって中々気持ちの良い本番となった。

今回のプログラムは
メインがフランク「交響曲ニ短調」
少し暗くて聴き慣れない人も居たかと思う。
聴きに来てくれた人達は、本当に小さい音かと思うと、突然大音響が響いてビックリした~という感想。

フォーレの「レクイエム」は寝てしまったとか。
あんなに厳しい練習をしても、聴く人達の趣味でないと受け入れられないのはガッカリ。
それでも眠れるような演奏は良い演奏と、相場が決っていると思いたい。
でも北軽から2時間半も車を運転して聴きに来てくれたのには、感謝感激。
開演前に美味しいお蕎麦を食べに行くと言っていたので、たぶんたらふく召し上がったのだろう。

今回の序曲はベルリオーズ「ローマの謝肉祭」
この曲はそれほど難しくもなく楽勝と思っていたのに、いざ練習所で初めて音を出したとき、弾けない!!愕然とした。
特に一寸したリズム感が上手く行かない。
本当にそれほど難しくはないのに。
2日目になっても気後れがしてどんどん落ち込んでいった。
その時、後ろの席の人が拡大した楽譜を、これをコピーしたら?と貸してくれた。
そして拡大すると・・・あら不思議、なんともなく弾けるのだ。
ああ、良かった、単に楽譜が見えていなかっただけなのだ。

お陰で本番は元気に終了。
序曲と交響曲はヴァイオリンで、合唱曲のフォーレはヴィオラを演奏。
楽器の持ち替えも、周りの友人達に世話されて無事に出来た。
私がバタバタしていると、周りの人が見かねて面倒みてくれる。
フォーレのヴィオラパートはたぐいまれな美しさ。
以前からこのヴィオラを是非弾きたいと思っていた。
念願叶って嬉しくて天にも登る心地、本当に昇天したら私のためのレクイエムになってしまうなどと、馬鹿な事を考える。
どうも私の思考回路は冗談が多すぎる。

終了後の打ち上げも、北軽で待っている松茸の誘惑には逆らえず、参加しなかった。
まつたけご飯美味しかったなあ。
こんなに練習漬けになるのは、この音楽祭だけ。
もう若者には到底従いていけないと思っていても、終ってみると自分がけっこう元気でいるのには驚く。
かつては、こんな練習したらヘトヘトだったのに。
経験を積んで曲を良く知っているのと、変に力まないようになって、それも年の功かも。

一升壺の焼酎は女性5人できれいになくなり、夜の9時半頃には爆睡。
たっぷり寝て目が醒めたら、まだ午前2時半。
ベッドの横のカーテンを開けると、木々が黒々と空にシルエットで浮かび上がる、その葉の合間から星が輝いて見えた。
気分はいいけれど、身体中バリバリに凝っている。

そのまま朝まで眠らずに起きて居た。
ちゃんと5時間寝ているから大丈夫。
一宿一飯の恩義に、暖炉の薪用の枯れ枝を集めて運動すると、身体のコリは治ってしまった。
朝食の後は近所の森を散策して、まだ少し早い紅葉を楽しんだ。






















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