北軽井沢ののんちゃんの山荘で暖炉に火をつけて…いや、暖炉にではなく薪に火をつけて眺めていると、ビバルディの「冬」を思い起こす。薪の弾ける音がピッチカートになり、ゆったりとその温もりでくつろぐ人たちの楽しげな様子が描写されている。薪の弾ける音をピッチカートで表す発想がステキ。北軽井沢はまだ紅葉には少し早く雑木林は明るい黄緑や薄い黄色に染まっている。夜に入るとやはりかなり肌寒い。待っていてくれたのはのんちゃんとその隣に住んでいる二人の隣人。庭続きで二軒の家が建っている。食事はいつも3人いっしょ。お隣さんがプロ並の料理の達人だから、今夜も並みのレストランではかなわないほどの料理をご馳走になった。先ずは無花果の素焼きにカッテージチーズを載せたもの、牡丹海老と鯛マグロの中とろの刺身、メインはローストビーフ。カキフライと玉ねぎのフライ。その他に野菜類。魚系が多いので、白ワインが2本空けられた。話しに花が咲いていたけれど、のんちゃんはもうおねむ、早めに切り上げて休むことにした。
暖炉にはまだ残り火があって、新しく段ボールなどをくべると又勢い良くもえあがる。じっと見ていると子供の頃を思い出す。
秋になると樹木の生い茂った広い庭に大量の葉が落ちて、それを集めて焚火をする。兄弟で焚火を囲んであそぶ。風向きで煙が目にしみる。さつまいもをくべて焦げて真っ黒な皮を剥くと中がホクホクの美味しい焼き芋を火の中から取り出す時の嬉しさ。みんなでワイワイ言いながら食べた。
その後近所に家が密集してきて、父が焚火をしていたら消防自動車が来て叱られた。それからは焼き芋の楽しみはおしまい。今どきの子供の遊び場所は狭くて気の毒だと思うけれど、私たち兄弟姉妹が遊んでいたことは今思うと、ずいぶん危険なことだったかもしれない。よくも6人全員無事に育ったものだと思う。
あの頃の季節感や自然に接しながらの遊びが私の中に色濃く残っていて、火を見つめていると心が子供の頃に戻るのを感じる。
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