2017年2月4日土曜日

恩知らず

ここ数日暖かいので、ノラたちはお出かけ。
毎朝お腹を空かせて、私が行くとにゃあにゃあ大騒ぎで出迎えたのに、最近は毎日同じようなご飯が気に食わないらしく鼻で嗅いでフンてなもの。
寒いうちは心細そうに、にゃあと鳴いて甘えてきたのに、どこかに新しい食堂ができたらしい。
ノラご一同様は少しも寄り付かない。
たまに夜食がほしくなると、ちょっと口をつける程度の食べ方。
生意気にもほどがある。

物置にベッドとアンカを置いて毎日寒くないように、水分は少し温めた白湯をと一生懸命尽くしたのに、ほかにおいしいご飯があればサッサと移動、寒くなければもうベッドはいらない?
ほんとに猫ってヤツらの自己中はあきれたものだわ。

今日は特に、ほかの餌場の人がいるらしい土曜日。
明日は日曜日だから、週末限定のレストランが営業すると思う。
明日はエサを置かないでいてみよう。
時々週末でもお腹を空かせて来るときもあるから、営業がなければ可哀想だけれど、なに、構うものですか。
時には空腹になってみれば、私のありがたみがわかるというもの。

ぷんぷん!

半年ほど前からうちの物置に住み着いたノラのアメリカンショートヘア。
ふうふう怒るからフウちゃんと呼んでいた。
寒い時には物置にこもって、私が降りていくとのっそりと物置から出てきた。
初めのころはひどくお腹を空かせていて、ガツガツと食べたけれど、最近はちょっと鼻で嗅いでは考えている。
考えるくらいならお腹はすいていない。
だいたい猫のちっぽけな脳味噌で、エサ以外のことを考えるわけがない。

物置が安住の住処とはいえない。
この辺のノラのボス猫シロリンにベッドを横取りされたり、別の猫にマーキングされたり、これでなかなか苦労も多いらしいから、家に入れてあげたいと思っていた。
私の力ではどうにもならない。
手を出せば引っ掻かれる。
捕獲機があるらしいので、獣医さんにたのんでみようかと思っていたけれど、下手に家に入れるのも逆に可哀想な気がして、踏ん切りがつかなかったのでぐずぐずしていた。

そのうちにこの辺のノラ社会に段々溶け込んできて、今は皆さんとうまくやっている様だから、このまま自由にさせておこうかとも。
家に入れたら最後、外には出られなくなる。
それが猫にとってどういうものなのかは、想像がつかない。
去年亡くなった玉三郎はずっと表に出たがっていたけれど、出さないようにしていた。
一度出れば自由の味を知ってしまう。
外は面白いはず。
猫にとっても人間にとっても。

私は最近引きこもりだけれど、いつでも自分の意志で出られるのだから、閉塞感はない。
猫は自分で重たいドアを開けられない。
すきを見て逃げたら、今度は帰れなくなる。
それも心配で、ノラを家に入れるのは、よほど弱っているネコか、おとなしい雌猫でないと、途中からは無理かとも思う。

以前お向いさんのおじいちゃんが、うちの猫が庭にフンをすると苦情を言ってきたことがある。
うちの玄関は住居のドアと、階段を降りたところのドアと二重になっているので、人間が出さない限り、猫の力では到底開けられない。
もちろん自動ドアではないし。
猫はどうやって出てきたの?と訊いたら、自分で開けて出てきたよというので、それは無理。
うちの猫ではないと思うわよというと、いや、絶対自分でドアを開けたと言い張るので、途方に暮れたことがあった。
お嫁さんに訊いたら「うちのおじいちゃんは困ったわねえ、しょっちゅう変なこと言うのよ、ごめんなさいね」と笑っていた。
おじいちゃんにどんなふうに開けたの?と訊いたら、人が開けるように手で空ける動作をしたのがおかしい。
そのおじいちゃんも、もうなくなって、懐かしい思い出となった。


























2 件のコメント:

  1. お気に入りのレストランとか予約が取れにくくなったりして、最近景気がよくなっているんだなと感じます。ネコのエサもらえることが増えるのも、景気の影響かしらん。 幸せなネコが増えるのはいいですね。 ノラちゃんにはエサもらえて、かつ自由でいることが理想なんでしょうか。 難しいところですね。('~`;)

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  2. 猫嫌いもいるので、実は戦々恐々なんですよ。
    無事でいてくれればうちに来なくても、その方がむしろ助かるんですが。
    猫は基本的には自由な動物だから、世話もほどほどに。でも世話しないと他のお宅の迷惑になるし、といろいろ葛藤がありまして、難しいです。

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