2017年3月19日日曜日

海風

所用があって横浜みなとみらい付近へ。
花粉症だからマスクは必須。
その上、ツバの広めのキャップをかぶり、まるで銀行に押し入る風のいでたち。

ショッピングモールは家族連れで溢れかえり、観覧車やジェットコースターは見るだけでも怖そう。
この観覧車に一日二回乗ったことがある。
毎年年末近くになると、みなとみらいホールで関東学院のメサイアのコンサートがあった。
関東学院のオーケストラは初めのうちは人数も少なくて、とうていメサイアを弾けるような体を成していなかったから、私たち古典音楽協会が演奏させていただいた。

それが今や、チャイコフスキー、ブラームスなど名作シンフォニーの数々を立派に弾くようになった。
それは古典の仲間であるヴァイオリンのN先生、チェロのS先生の尽力のたまもの。
両先生は学生たちの絶大な信頼を得て、その年初めて楽器を始めたという新入生まで半年ほどで弾けるようにしてしまう。
個人差があるからいろいろ問題は山積とは思うけれど、やはりこれはすごい。

一昨年までは私も毎年お手伝いで演奏に参加していたけれど、去年全部の仕事をやめることにしたので初めての不参加となった。
学生さんたちはとても性格もいいし、特になじみになった人たちとは再会したい気持ちもあるけれど、それでも、ほかの仕事は断ってここの演奏だけ手伝うというわけにはいかない。
他から、それではうちの仕事はどうしてやってくれないの?と言われたら弁解のしようがないから、きっぱりとやめてしまったけれど、少し寂しい気持ちにはなっている。

仕事は好きだけど、いつかはやめなければいけない。
それが今日か明日かと一度は踏ん切りをつけないといけない。

それで観覧車の話に戻ると、関東学院のメサイアのコンサートは毎年年末。
みなとみらいホールの傍に大きなクリスマスツリーが飾られ、キラキラと輝くのを見るのは楽しみだった。
ある年のこと、メサイアの会場練習が始まる前に集まって、観覧車に乗ろうという話になった。
実を言えば、私は猫のくせに高いところが苦手。
見上げると非常に高い。
しかも球体のほとんどは素通し。
床だけが辛うじて下が見えないようになっている。
それでも、てっぺんから海を眺めたら良いだろうなと思って乗ることにした。
当日は晴れて風も弱く少しかすんではいたけれど、とても気持ちの良い眺望で、私たちははしゃいでいた。
てっぺんに行くとさすがに高いけれど、思ったほど怖くはない。
おしゃべりに夢中だったせいもあるかもしれない。
記念撮影をしたり楽しく過ごして、練習会場へ。

そして会場練習が終わって本番までの空き時間に、今度は夕暮れの海を見ようと、もう一度乗ることにした。
しかし、午後になると海からはかなりの強風が吹いてきて景色はあまりよく見えず、てっぺんに行くとけっこう揺れて怖い。
やはり、もう少し楽しみたいと思う手前でやめておくべきだったかも。

花粉は海風で飛散しているらしく、今日は半日ほど外出しても花粉症の症状は出なかった。
横浜は建物の高さの規制が厳しかったので、あまり高いビルは少ない。
その分空が広くて気持ちがいい。
人がわんさかいてもなにか都内の混雑とは違う。
赤い貸自転車があって、ちょっと気を引かれた。
これに乗ってその辺をぐるぐるするのもいいかも。
ただし、混雑した休日ではなくて平日がいい。
子供の時から横浜に行くのは好きだった。
今日も、なにかほのぼのした気分で過ごした。
















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