2017年4月21日金曜日

コンサートのはしご

今日はどうしても聴きたいコンサートが昼と夜にあって、ついに二つとも聴くことになった。
初めはマチネーで前橋汀子さん、朝日ホール。
   
     モーツァルト「ソナタハ長調K.296」
     プロコフィエフ「ソナタ第2番」
     ベートーヴェン「ソナタ第9番 クロイツェル」

去年私は6月の三軒茶屋でのコンサートが終わって、来年の秋にはこんなプログラムにしたいとnekotamaに書いた。
それと全く同じプログラムなのでびっくりした。
考えることは世界的な人も、猫社会のヴァイオリン弾きでも同じ。
まさか世界の前橋さんと同じプログラムでは太刀打ちできないので、今年の秋はバッハ、プロコフィエフ、フランクでいくつもり。
クロイツェルソナタはこの6月に弾くのでそのまま秋にもっていこうかとも思ったけれど、あまりに似ているプログラムでは恐れ多い。

前橋さんは若い頃は長い髪の毛を後ろでまとめ、興に乗ってくると体の動きが大きくなって、髪の毛が滝のようにはらりと落ちるのが素敵な見せ場だった。
美しい方だから絵になる。
期待していったら髪の毛は短めになっていた。

さすがに上手い、華がある。
けれど、ソナタを暗譜で弾くと危険!
時々迷子になっていたのがわかる。
音を一つ一つ見るわけではないけれど、模様として見られるから楽譜は置いておかれた方が・・・と余計なおせっかい。
アンコールを4曲、やんやの大喝采だった。
少しくらい道に迷っても、人を大いに楽しませる。
ピアノは松本和将さん。
素晴らしいピアニストだった。

夜のコンサートは花房晴美さんの室内楽シリーズ。

     ショパン「子守歌」「幻想即興曲嬰ハ短調」
     マスネ「二つの小品」
     ショスタコーヴィチ「2つのヴァイオリンとピアノのた
                                                                 めの5つの小品」
     トビュッシー「チェロソナタニ短調」
     ショーソン「ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のため
                                                                     のコンセール」

       ヴァイオリン 徳永次男 木野雅之 会田莉凡
       ヴィオラ   百武由紀
       チェロ    サンドロ・ラフランキー二

花房さんは私の友人のピアニスト太田美里さんの友人。
私は徳永さんがN響に行く前のオーケストラで10年間一緒だった。
彼のすぐ後ろの席か、お隣で弾かせてもらっていた。 
木野さんは、ロンドンアンサンブルのピアニストの亡き美智子さんの親しい友人。
百武さんは私が東京ゾリステンで弾いていたころ、一緒に弾かせていただいたこともある。
あちらは私のことは覚えていないというより知らないと思うけれど。
というわけでなにかしらのつながりがある人たち。

今日のプログラムの中でもショーソンの「ピアノとヴァイオリンの協奏曲」は、私が10年ほど前に東京オペラシティのリサイタルホールで弾いた曲。
モーツァルトの長大な「ディヴェルトメント17番」とこの曲の2曲構成でプログラムを組んだ。
両方とも演奏時間は50分ほどの難曲だったけれど、本当に好きな曲を並べてうれしくて、舌なめずりをして弾いた楽しい思い出がある。

先日漏れ聞こえた情報によると、ショーソンは非常に難しいので、さすがの花房さんもてこずっているとかなんとか。
私たちがこの曲を弾いたとき、私とピアニスト野村さんは何回も何回も合わせて、誰がどこでどう転んでもすぐに起き上れるくらい綿密に合わせた。
複雑に入り組んだ構成がとても面白かった。
今日は徳永さんの音を久しぶりに聴いて懐かしく、心の中で「相変わらず上手いね」と話しかけていた。

コンサートのはしごはさすがに今までやったことはなく、とても疲れるかと思ったらそうでもなく、一日中良い音を聞いて友人たちに会って、幸せな一日だった。


















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